緋蒼
二人「はい、ど〜も〜。緋蒼です。よろしゅうにー」
緋「覚えにくいコンビ名で、すんまへん。ボクが緋で、センター担当です」
蒼「センター担当ってなんやねん。ボクが蒼で、ブレイン担当です」
緋「待って、蒼。そっちの方が偉そうに見えるやん」
蒼「気のせいやて。でな。今日のテーマやねんけど、おっきいで」
緋「おっきいゆうても、程があるやろ」
蒼「宇宙はいつ出来たのか。地球はいつ出来たのか。人類の誕生はいつか。大体こんなんで」
緋「おっきいな! 専門家かて答え出てないちゃうん?」
蒼「話すんはタダやろ。流星群や月蝕、エンターテイメント性抜群やろ」
緋「あんな、蒼さんよ。月蝕くらいで宇宙の創生なんて無理やて。他の銀河かてあるんやろ?」
蒼「興味を持つゆうんがええんやで。正直ボクかて、ただ空に光る灯りが好きなだけやさかい」
緋「かっこええなあ! 星ってゆえばええやん!」
蒼「おお。かっこええで。ボクの推しはシリウスやな」
緋「ああ、星座的にはマイナーなアレな」
蒼「マイナーゆうな! 冬の空で一番目立ってんねんで。青白くてクールやろ。ボクに似て」
緋「確かに蒼、顔色悪いしな」
蒼「失礼な」
緋「それやったらボクの推しは、アンタレスやな」
蒼「うわー。ボクのオオイヌに比べてガラ悪っ」
緋「なんでやねん! 夏の空で妖しげな赤い光出してんねん」
蒼「蠍やで。しかも心臓部。恐ろしいわあ」
緋「かっこええやん」
蒼「知ってるか? 赤い星は寿命が短いねんで。下手したら、既にない星かもしれへんで」
緋「ふっ、儚げなボクにピッタリやな」
蒼「シリウスの隣にオリオンおんねんけどな。蠍に会いたくなくてこの時期にしたらしいで」
緋「ボクのはスルーかい。ええけど」
蒼「オリオンの嘆きがハンパないねんて」
緋「せやろなあ。噂には聞いとったけど、蠍にやられたらしいな」
蒼「そんな話ばっかり聞かされとったら、オオイヌも顔色悪ぅなるわ」
緋「まさに悲愴やね」
蒼「ひょっとしてソレ掛けてんのか?」
緋「あかんやったか」
蒼「煽りすぎやな」
緋「けどこれ、オチが見えへんで」
蒼「既にないコンビやからな」
緋「嘘やん! ここに立っとるボクらナニ!?」
蒼「今日のテーマ覚えてるか?」
緋「宇宙、地球がいつ出来たか? 人類の誕生?」
蒼「緋蒼の解散や」
緋「聞いてへんわ!」
蒼「ちっさい問題や。気にすんな」
緋「人類にとっては小さな一歩やけど、ボクにとっては大きな問題や!」
二人「お〜。かっこええな!!」