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わたあめと飛行機雲  作者: あらわないくま
1/2

嫌いだ


問一


これらの物語の共通点を求めよ




とりかえばや物語


木蘭


十二夜


お気に召すまま


ヴェニスの商人





男装





男装女子って昔からこんなに人気だったんだな


ふと窓の外の空を見上げると


鬱陶しいくらいの青空と白い飛行機雲


こんなアニメみたいな青春らしい空ってあるんだな


ぼーっと外を眺めるのが日課


キャッキャウフフする女子


ギャイギャイする男子


ならば僕はなんだってんだ


昔から男みたいな顔をしてた


これがアニメならば兄はすごい美人とかなるかもしれないが


ビビるほどゴリラだ


これが漫画ならお姉ちゃんはすごい美人とかなるかもしれないが


残念ながら男3人、兄貴しか居ない


それも全部


ゴリラだ


まぁ例外も無く僕も彫りの深いゴツめの顔面を手に入れたわけで


僕が2歳になった時顔面が出来上がり


母ちゃんが卒倒するほどの男顔となった


父ちゃんの遺伝子ってこんな強いんだなと気づいたのは5歳の頃


どこからどう見ても男にしか見えない顔面を諦めたのは7歳の頃


それ以来自分の名前が本当に嫌いだった




早乙女美奈



ありえないほどの女子力を誇る僕のこの名前が


吐き気がするくらい嫌いだ


柔道の道場をしてるうちの家系


男ばかりの道場の中で育ったからか


男3人の兄が立て続けに生まれたためか


女の僕が生まれた時は皆狂ったように祝ったらしい


あまりにも可愛いがるから名前を付けるのに決闘が起きて


爺ちゃんが勝ったから美奈になった


その時の大外刈は未だにうちの家の伝説になってる


結局生まれて10日経過してようやく美奈という名前を付けられた僕は


あまりにも似合わない可愛らしい名前になってしまった


いっそ涼とか翼とか


男っぽい名前にしてくれてた方が良かったのに


まぁそんなこと今更言っても何もならないけど


とりあえず



「あっつ」


7月の太陽は思っていたよりも眩しい


ぼそっと呟いたその言葉は


野球部の朝練の声にかき消されて消えていった


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