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血を見て嗤う貴方は美しい  作者: 神無月 十五
いつもの始まり
1/6

何も変えられないあなたへ

数週間の休みが急に出来たので書いています。読んだ方は何か感想頂けたら今後の励みになります。よろしくお願いします。



(陳腐だ。)




自分の日常を思い返して、その感想は全てを表していた。





26年の歳月をそれなりに生きてきたつもりだが、26歳を迎えた日の最初の感想がそれだった。


大したこともしてきておらず、趣味は特になし。休日は某動画サイトを漂っていたら日が暮れる。友達はそこそこいるが親友までいくと0人、現在彼女はなし。



ベッドから起き上がったついでに陳腐の意味を調べてみる。



曰く、

古くさいこと。ありふれていて、つまらないこと。また、そのさま。





だそうだ。


(この一言で終わる人生ってどうよ?)



自分に問いかけるも当然答えはなく、そんなことを考えているうちに時間が迫ってきた。


今日もいつもの出勤日で自分のペースを考慮するとそろそろ動き出さないと電車に乗り遅れる。まだベッドの上で朝日の薄情さを恨ましく思いながら頭ん中をフリーズさせていたいが時間は止まらない。朝食はとらない派だ。朝は食欲がないし、何より口に物を運ぶという行為が面倒だ。



シェービングクリームを塗って髭を剃る。鏡に映るのは自分的には可もなく不可もなくという評価の顔で元カノには印象が乏しいと小言を頂戴した。梅雨に入るようで入らない、そんな季節だからか冷水ではまだ冷たい。ぬるま湯で洗い流した後、歯を磨きながらテレビをつける。可愛い、が同時に厳しい世界を生き抜いてきたのだろう確かな強かさを持っていると勝手に思っているお天気お姉さんが今日も笑っている。なかなかの強風の中それでも笑顔で続けるこの人はどんなことを思いながら生きているのだろう。


(だめだ、また悪い癖が出てる。)


髪をセットするのも面倒で、適当に着替えて外に出る。電車の出る時刻まであと6分というところだ。


「今日も働くか。」


今日初めての独り言もまた陳腐だなと笑いが出た。


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