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トレジャーズ・ゼロ  作者: 多田犬
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第1章 イルゼ・ブリティッシュライトその4


イルゼが魔力を魔法石に流すと、魔法石が光だすが、特に何も起こらなかった。イルゼは魔力を流すのをやめ、その場で拳を構え、その拳に魔力を溜め始めた。

ミルバートには嫌な予感がしていたが、特に何も言わず見ていた。


ある程度、魔力を溜めると一つ深呼吸をすると、「よしっ!!」と言うと、腰の回転を使い思いっきり右の拳で魔法石を殴った。

すると、殴った所からヒビがだんだんと入り、バァーンっと魔法石は砕け、中にいた少女が出てきた。ミルバートは直ぐに近寄り、脈や心臓の動き、呼吸をしているかどうかを確認していると、少女はゆっくり、目を開けた。


「ここ…は…どこ?」


「は、起きた…大丈夫?あなた名前は?分かりますか?」


イルゼが近寄ると、自分の聞いて少し長めのはおりものミルバートに渡した。

なぜなら、その少女は裸だったからであり、ミルバートは少女にそのはおりものを着せると、グゥ〜と音が聞こえた。

イルゼはミルバートの顔をすぐさま見た。


「ちょっとイルゼさん!!私じゃありません!!」


ミルバートが少女の方を向くと少女の顔は少し赤く、お腹をおさえていた。

すると、ミルバートは自分のリュックからおにぎりを取り出し、一つ渡した。

その少女はおにぎりを持つとジロジロと見て、匂いを嗅ぎはじめた。


「これ…食べれるの…?」


「もしかして、あなたおにぎり知らないの?」


「おに…ぎり…?」


首を傾げ、警戒しながら、一口食べると少女に電撃が走り、目をキラキラしながらむしゃむしゃと勢いよく食べはじめた。


「それで、お前の名前はなんだ?」


「(ゴックン)私は…ティーゼ…」


「そうか、それでこのカマなんだ?」


イルゼがカマを触ると、男の声が聞こえた。


「おいお前!!私に触るな!私に触っていいのは姫だけだ!!」


「今、どこから男の人が声が!?」


「おい、ダメ騎士!いい加減分かれ、今喋ったのこのカマだ。おい、カマ!!お前の名前は?」


「貴様、随分と上からだな!それにまず相手の名を聞くときは自分から名乗るものだろ。」


両手でカマを握り、思いっきり振りかぶり地面に思いっきり叩きつけようとすると、カマは謝りながら自分の名を名乗った。


「わ、私は…ブラックと言う…」


「それで、何故お前は、ティーゼのことを姫と呼ぶ?」


「それは当たり前だろ!姫は私にとっての姫だからな!姫と呼ぶのは当たり前だろ!!」


「そうか、それでお前はカマの姿のままなのか?小さくなれないのか?」


「そんなことか、そんなことは簡単だ!」


そうゆうと、ブラックはブレスレットに姿を変え、ティーゼの右腕に巻き付いた。

それを見たイルゼは顎に手を当て、考えごとを始めた。


「イルゼさん?どうかしたんですか?」


「うるさい。おい、ティーゼ、ブラックお前ら俺と一緒に来い!!」


「何故私たちがお前と一緒に!?」


「私は付いていく、ここを出ても行く当てない…それに、おにぎりもっと食べたい!」


「決まりだ!帰るぞ!!」


イルゼたちは来た道を戻り、出口へと足を進めた。

途中、最初のモンスターと戦った場所を通ったが、モンスターの死骸はどこにもなかった。イルゼいわく、宝を守っているモンスターは魔力でできており、一度死んでも数時間すればまた生き返るらしい。


洞窟を出ると、夕陽が落ちかけており、少し暗くなっていた。

国に戻ると、イルゼたちは再び、冒険者ギルドに向かった。中に入ると、イルゼはある人物への面会を求めた。少し待っていると、ある部屋に呼ばれ、中に入ると1人の女が椅子に座りながら待っていた。


「久しぶりだな、バルミ」


「お、おう…久しぶりだな…イルゼ…何の用だ…?」


「あのイルゼさん、この方は?なんかさっきからオドオドしているんですけど」


彼女の名はバルミ・ロルガス、この冒険者ギルドのギルド長ですごい人なのだが、バルミは人見知りで、引きこもりである。

5人はソファに座ると、イルゼはミルバートに渡した宝の剣をバルミに見せた。


「これが今日手に入れた宝だ。いつも通り頼む」


席から立ち上がり、その剣を手に持ち、剣のあちこちを触り、何かを計り始め、一通り終わると宝を右手に持ち、部屋に数十本ある木刀を一つ左手で持つと、「コピー」っと小声で発すると、左手で持っている木刀が見る見ると右手で持っている宝と同じ形へと姿を変えた。


「あ、あ、宝が!!増えた!?どうゆうことですか!?」


「バルミは触った物の形、重さ、長さなど全て把握するこどそれをコピーする魔法を持っているんだよ。それに、これは必要なことだ!」


宝の中でも剣は鞘がなく、刃が出てる状態であることが多く、そのままだと力を制御できない宝があるため特殊な鞘が必要となるため、こうやってバルミがコピーをし、これに合わして力を抑えるための魔法が付与してある鞘を作るのだ。

宝を返すとイルゼに3日後、来るように伝えると、バルミはイルゼ以外の者を部屋から出し、2人きりになった。


「イルゼ…あの少女はなんだ…」


「拾った。ただそれだけっと言いたいとこだが、違う。あの少女はおそらくロストに関係があり、おそらくティーナとも関係がある。」


そう言うと、真っ黒の魔法石をバルミに投げ渡した。その魔法石はティーゼがいた場所にあった魔法石だった。


「世話を掛けるようだが、いつものよう頼む」


イルゼは部屋を出ていき、4人を連れ、帰っていた。


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