第1章 イルゼ・ブリティッシュライト その3
地面にはイルゼの額から流れる血がポタポタを垂れていた。
ミルバートとティーナがそばに来るとミルバートはリュックからポーションと止血するための布を取り出し、治療始めた。
「エドリバー、助かった…」
「私は何もしてない。それに今は喋らない方がいい。こんなとこで死なれたら困る、私を使えるのはイルゼ、お前しかいないから」
「それにしてもビックリしました。まさかエドリバーさんがお宝だったとは」
簡単な治療を終えたミルバートは倒れているモンスターのそばに行くと、リュックから紙とペンを取り出しモンスターの情報を書き出した。
倒れているモンスターはさっき倒したモンスターと似ていた。おそらく、さっきのモンスターを強化した物だと推測された。
頭に包帯を巻いたイルゼがミルバートの近くに行くと、紙を取り上げると、ビリビリに破り捨てた。
「ちょっと、何するですか!?」
「このモンスターに関するデータは俺が持ってる。だからお前が書く必要はない。」
「データってなんですか?」
この世界には7人の人間なざる者がまとめた本や巻物が存在しており、それも宝、同様隠してあり、その本や巻物には戦争のことや宝のことが書かれてある物があり、その中にモンスターのことが書かれてある本があり、その本はイルゼが所持している。
「お前にも後で見してやる。」
「いいんですか!?」
「仕方ないだろ。お前はこれから一緒に行動するんだ、ある程度は……ダメ騎士!!」
イルゼはミルバートのリュックを掴み後ろへと飛んだ。
すると、倒れていたはずのモンスターが首なしの状態で立ち上がるとドス黒いオーラを放ち、明らかにさっきより強くなり、4人に殴りかかってきた。首なしの状態だが、的確に4人に向け拳を放ってくる。
「ちょっとイルゼさん、どうゆうことですか!?」
「簡単なことだ、こいつは首を切っただけじゃ死なないってことだ。そしてこれは俺の推測だが、おそらくこの場所、もう一つ宝がある。それも結構やばい宝がある可能性がある。」
そう会話をしているうちにも拳を飛んでくる。
モンスターの拳は放てば放つほど速さと威力が上がる。
「チッ、もう一回やるしかないか…エドリバー頼む。」
「わかった。だが、これが最後だぞ。今のお前では後一回が限界だ。」
イルゼはもう一度、エドリバーを持つと一つ深呼吸をしてから今度は心臓部に一直線に飛び、心臓に剣突き刺すが、モンスターの肉は固く心臓までは届かず、エドリバーは人の姿に戻るとイルゼをお姫様抱っこして降りてきた。
「ダメか…行けると思ったんだが」
「ちょっと!!ダメかじゃないですよ!!どうするですか!?」
「仕方ない、ティーナできるか?」
「イルゼの命令であるならば…ホワイト、私に力を貸して!!」
「ヨッシャ!一発で決めるぞ、ティーナ!!」
ティーナが付けているブレスレットが白い光を帯びながらブレスレットから真っ白なカマへと姿を変え、カマを一振りするとモンスターの腕が切れ落ちると、攻撃をする隙を与えないスピードで次々とティーナは攻撃を繰り出した。ミルバートはその姿を捉えることが出来ない程のスピードで飛び回っており、そのスピードは壁を蹴る度に上がる。モンスターは苦し紛れに拳をあちこちに放つがティーナに当たることなく、岩が崩れ落ちると、一つ先へ繋がる穴が見えた。
「あれか…ティーナ、トドメをさせ!!おそらく弱点は心臓だ!」
「分かりました!ホワイト行くよ!!」
「あの、イルゼさん、彼女は一体?」
「分からん。だが、一つだけ言えるのはティーナは俺の大事な仲間だ。」
「さぁ、フィーナレだ!!一撃で決めるぞ!!ティーナ!!」
そうゆうと、ティーナは地面に降り立ち、数秒動きを止めると、次の瞬間、モンスターの心臓の辺りに飛び上がった。
「その命を神に返しなさい!!」
「ゴット・エルネストラ!!」
カマを上から下に振り落とすと白い光とともにモンスターは真っ二つになり、モンスターは完全に死んだ。
ティーナが地面に降りてくるとカマはすでにブレスレットに戻っていた。
「すごいですね!ティーナちゃん!!あんなに強いとは思いませんでした!!」
「あ、ありがとう。それと、あの、ティーナって呼んでほしいです。」
「私もエドリバーでいいよ。」
「皆さん、私を認めてくれたんで…ウェ!!」
バッコ、後からイルゼに頭を殴られた。
「調子に乗るな!!ダメ騎士が、先に行くぞ。」
「ちょっと痛いですよ!!」
4人は先空いた、穴へを進んで行き、ある場所に出るとそこには黒く光っている巨大な魔法石があちこちに生えており、そこだけ別世界のようだった。
4人は魔法石の間を通りにながら中心に向かって行くと、ミルバートは目を疑った。
そこには他とかでかさが違う、真っ黒な魔法石があり、そのすぐ前には黒いカマが刺さっており、魔法石の中にはティーナと同じぐらいの歳の少女が中で眠っていた。
「イルゼさん…これは…」
「おそらく、封印だ…」
「封印ってどうゆうことですか!?こんな少女が…」
「つまり、これは力が強い宝ってことだ!それに魔法石に封印されていることはここのままに…」
パシンっと、ミルバートがイルゼの頬にビンタをした。ミルバートの目には涙が浮かんでおり、その顔は「なんでそんな酷いことが言えるんだ」っと言わんばかりの顔をしていた。
「おいコラ、誰がこのままにするって言った?ダメ騎士、人の話は最後まで聞けよ。」
「へ?でも今、このままにって…」
「俺はトレジャーハンターだぞ、全ての宝を手にするのが俺の目標だからな」
イルゼはその魔法石に近寄り、手をかざし魔力を流し始めた。




