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作者: ラナンキュラス



むくり、と布団から起き上がる。


まだ脳は覚醒していないらしく、モヤがかかったようにスッキリしない。


三月の朝はまだまだ寒い。

早くストーブに火を入れようと掛け布団をまくるが、冷えきった空気に身震いをする。


掛け布団と毛布をマントのように羽織り、フローリングをぺたぺたと歩いた。

灯油ストーブのボタンを押し、そのままキッチンに向かう。


コーヒーを淹れるために豆と水をコーヒーメーカーにセット。

少し古い機種のせいか、スイッチを入れた途端ガガガッとかなりの騒音を立てて稼働し始めるのだ。

豆を挽くところからするような本格的なものではないが、やはり淹れたてはおいしい。

毎日の朝の日課だ。


ストーブに火が入り、少し温もってきたので羽織っていた掛け布団をソファに放る。

さて、目玉焼きでも作るか。

食パンをトースターに二枚突っ込み、棚からフライパンを取り出す。

コンロの火を入れ、マーガリンを落とす。

そこにベーコンを二枚と、卵二つ。

ジュワッと心地よい音が鳴る。

同時にパンの焼ける良い香りが部屋の中に充満した。

目玉焼きには塩、粗挽き胡椒、バジルを振りかけ、水を入れて少し蒸す。

半熟が好みだ。

チン、と音が鳴って食パンが飛び出したので二枚とも取り、どちらもマーガリンを塗る。

サラダも食べたい。

そう思ったのでレタスをちぎって洗い、プチトマトも洗う。

フライパンから平皿にうまくサーブし、更にトースト二枚と、レタスを。

朝ごはんの出来上がりだ。


おっと、忘れてはいけない。

昨日のコンソメスープが残っているはずだ。

急いで鍋の中の冷えきったコンソメスープをマグカップに移し、電子レンジで二分。

料理が冷めるのは嫌なので、手を合わせてから食べ始める。


食パン一枚の半分食べ終わった瞬間、電子レンジがちょうど鳴ったので食パンを咥えたまま取りに行く。

電子レンジの扉を開けると、コンソメのいい香りが放たれる。

なんて、食欲をそそられる香りなんだろう。

ほかほかと湯気の立つマグカップを取り出し、スプーンで少し混ぜる。

すると、上だけ熱かったのが下の冷たい部分と混ざり、程よい温度になった。


温かいコンソメスープが喉を通り、胃に到達するのを感じる。

朝ごはんの時間にテレビの電源は入れないのがマイルールだ。

めいっぱい食事を楽しみたいからである。


卵が焼ける音も、コーヒーを淹れる音も、テレビの音があってはなんでもない音だ。

朝ごはんが終わり手を合わせて皿を片付ける。

ここでようやくテレビの電源を入れ、朝の占いを見る。


歯磨きも並行して行い、五分程で洗面所に流しに行く。

顔も洗い、寝癖を直して髪をセット。

時間を確認しながらスーツを着、家を出る。


これが、俺の朝だ。

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