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拾って

気づいたら布団の上だった。体を洗ってもらいごはんも与えられ、私は自分の体の色を思い出すことが出来た。私は白く長毛の毛を持つ洋猫だった。最初は自分を捕まえた彼に一暴れしかみついたが、でもそんなに悪いひとではなさそうだ。動物の感だけど。


彼がこっちを見た。私は首をかしげる。彼が優しい声色で何か言った。

私は彼のまねをしてほほえもうとした。


それからしばらく、私と彼との共同生活は続いた。共同生活といっても彼はほぼ1日外出していて私は部屋にいて、会えるのは早朝と深夜のほんのわずかな時間だった。それでもごはんはしっかり与えてもらって、部屋もいつも暖かかった。

もう、昔を思い出すことは出来ない。私にはあなたがいて、世界の中心だ。この空っぽな家具の少ない部屋も、日当たりの悪い窓も、なにひとつ怖くはない。どんなことにだって感謝しよう。あなたと一緒にいられるから。


そのパステルカラーのような淡くほんのりとした生活はその後1ヶ月、私が死ぬまで続いた。


私は幸せだった。

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