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Birthday of only one  作者: koyomi
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He is born

ぼちぼち書きます


一番初めに起こした奇跡は1歳の頃であったらしい。どうやら絶対に治らないとされた病気にかかったらしいが、次の日には何も起こらなかったような顔でスヤスヤと寝ていたという。

 次の奇跡は6歳の頃。通っていた幼稚園が火事にあい死亡者ならびに負傷者はかなりの数に上ったが、彼だけは全くの無傷。さらに彼の周りだけは焼けた痕が全くなかったらしい。

 周りが違和感を持つようになったのは小学3年の帰り道に起こったトラックの衝突事故。急に飛び出した自転車に驚き、制御を失ったトラックが交差点で信号待ちをしていた小学生の集団6人に突っ込み、二人が死亡、一人が重症。彼のそばにいた二人は飛んできたガラスの破片でかすり傷を負う軽傷であったが、やはり彼には何の被害もなかった。事故を起こしたトラックの運転手も死亡、さらには自転車にのっていた学生も担当した拍子に打ち所が悪かったらしく事件の2日後に死亡が確認された。

 言ってしまえばただの事件であるが、死亡した人たちの誕生日が彼と同じ日であったということが分かってから、違和感は加速する。

 噂は噂を呼ぶ

 その広がりは早い。人から人へ親から子へ。被害者の親が彼を責めるにつれ、彼に近づくものは少なくなっていく。

 彼が孤独に陥るのに時間はかからず、彼が人を信じれなくなってしまったのも当然の結果といえよう。

 その代わりに彼が得たものもある。世間一般ではGIFTと呼ばれるそれ。彼の力は強大なものであった。そのことを自覚できる年齢になったころ、彼にはすべてがあり、同時に失ってもいた。

 

 彼に残っているものはない

 彼に進む道はない。

 彼に生きる意味はない。


 この物語はそんな彼が、彼の中では最後の望みを叶えようとすることから始まる。

 

 

 

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