健汰から伝言
祝!君がスキ。2話!この作品は自分でも気に入ってます。
1週間後…
あたしはまだ返事を出来ないでいる。
というより、健汰と話をしてもいない。どうしよう〜
「美佐。」
あの、声がした。
あたしがふりかえると、健汰がいた。つかつかと健汰がこっちに来る。
「な、なに!?」
健汰は髪から手をはなした。
「いや…もうそろそろ返事くれてもいんじゃね?」
「ごめん…まだ決めらんない。」
「分かった。」健汰はそう言うと、歩いてどこかへ行ってしまった。
「見たよ、見たよぉ。」
教室から友達の真紀が出てきた。
「美佐、あんたもしかして、あの、健汰にこくられたの?」
あたしは、真紀に相談することにした。
「で、こくられたの?」
真紀は楽しそうに言う。
「こくられたよ。」
「ふぅーん。」
また、真紀は楽しそうに言う。あたしはため息をする。
「真紀、あのねぇ、あたしは真紀だから話してんの!」
「ごめん、ごめん。で、あんたはどうしたいの。」
「えっと…健汰は別にきらいじゃないし、でも、付き合うとなると…」
「美佐はさ、そう思ってるならなんでフラないの?」
「えっ!?」
「友達のままがいいとか、付き合いたいとか、はっきり言わなきゃ健汰がかわいそうだよ。」
そんなこと言われても…。やっぱり自分一人で考えるべき?他の友達にも相談するべき?
「あ、ひとつ言っとくけど、健汰ってもてるんだよ。早くしないとやばいかもね。」
「はいはい。」
まさか…あの健汰がもてるなんて…。
いままでただの友達だったからそんなこと思いもしなかった。先生が来た。
「あれ?今日は坂嶋休みか?」
坂嶋というのは健汰の名字。
「サボリじゃーん?」
男子が言う。
「坂嶋を探してくるからそれまで自習!」
先生は教室から出ていった。
あたしはふと思った。あたしが返事しないからって屋上から飛び降りたらどうしよう…。
ツンツン
真紀がシャーペンでつっついてきた。
「行かないの?」
「えっ!?」
「健汰、美佐を待ってるんだよ。」
「なんで分かるの?」
真紀は一枚の紙をあたしの前に差し出した。
「健汰から伝言」
『屋上にいる。美佐が来ないなら、美佐を諦める。来たら付き合うってこと。今日、一日待ってる。』あたしは教室から出た。走って屋上に向かう。