詩: 青いビー玉は春の空のひとかけら
掲載日:2026/03/12
キッチンテーブルの上に
ふたを開けた小さなジュエルケースがあります
その中には
青いビー玉がひとつ そっと置かれています
小学校四年のときに拾ったビー玉は
掌にころんと転がすたび
春の空のひとかけらを
閉じ込めたように光りました
意地悪されて泣いた日
転んで膝をすりむいた日
そのたびにビー玉を光にかざして
青い光を浴びました
大人になって
落ち込むこともありますが
ビー玉の青はいつも静かに
わたしに問いかけてきます
「青い光は、まだ綺麗かい?」
だからわたしは
ときどき 青いビー玉を掌に転がし
春の空のひとかけらで
明日への道を照らしてみるのです




