一、エロについて
「エロを実用的に描くのがポルノ小説、エロをサービスで描くのがエンターテイメント小説」
ヘッドギアを被ったまま、洛美原先輩は言い切った。
「そしてエロをそのまんま何も隠すことなく描くのが純文学だ」
洛美原先輩の逞しい胸の筋肉がことばとともにピクンと上気する。赤い汗で覆われた彼の裸体はまるでむきだしの人間だ。
「芸術だと言い張れば、おれが『ちんぽ』とかはっきりと口にして良いんだ」
洛美原先輩がボクサーパンツを下ろす。
「いや、いやらしく高尚ぶるなら『ちんぽ』はマズいかな。『ペニス』にしよう。そしてこれをおまえが今、舐めればただのゲイ小説となり、握るなり引き抜けばホラー小説となるだろう」
「先輩……。俺、どうすれば……?」
私はここで初めて声を出した。
二人きりの誰もいないアメフト部の部室で、これから何が起きるというのだろう?
洛美原春樹先輩は、冷たい床に熱いボクサーパンツを脱ぎ捨てると、情熱的な強い眼差しで俺を捉え、そしてまた、その頼もしいほどに強い唇で、言い切った。
「何も起こらないのが純文学だ」
『純文学ってなんだ? 企画』参加作品ですが、何も書けないので、とりあえず書きながら構想していきます。
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