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JEST  作者: 桜風瑠那
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4

爺閣下「作戦会議を開くぞなもし!」

爺閣下の提案により、パンダを捕まえる為、作戦会議を開く事にした3人。

お嬢「静かなトコの方がいーから、宿屋にでも行く?」

那月「賛成でちゅ!」

…なわけで3人は、隣町の宿屋に入ったのだった。

なおこ「いらっしゃいまし~」

那月「あんたはやんちゃ町のっ!? なんでここにいるんでちゅか?」

そう、宿屋にいたのはあの、やんちゃ町の宿屋にいたなおこであった。

なおこ「お引っ越ししたんですよ~」

お嬢「あらなおこ、久しぶりだね~」

那月「お嬢…会ったばっかじゃないでちゅか」

お嬢「あら、そうだっけ~?」

爺閣下「…惚れたぞな」

今まで黙っていた爺閣下が、ボソッと言った。

なおこ「はい?」

那月「爺ぃ、なんか言いまちたか?」

爺閣下「惚れたぞなぁ───っ! なおこちゃん、俺っちと付き合っ…」

なおこ「嫌です」

…なおこは笑顔できっぱり断った。

───爺閣下は石化した。

結構純情だったらしい。

那月「作戦会議はどーちたんでちゅか?」

お嬢「あ、すっかり忘れてたよ。なおこ、部屋借りるよっ」

なおこ「じゃあ、ご案内しま…」

那月「自分で行くからいーでちゅっ」

那月は慌てて言ったのだった。

部屋に入った2人は、作戦会議を始めた。

那月「さて、どーちたものでちゅかね?」

お嬢「肉で誘き寄せるってのは?」

那月「…却下でちゅ…パンダが来る前にお嬢が食べちゃいそうな気がするでちゅ」

お嬢「うーん…ありえるかもなぁ」

那月「………」

その時、叫び声が聞こえた。

なおこ「キャ───ッ!?」

那月「なおこの声でちゅっ」

お嬢「あら、どーしたんだろーねぇ?」

那月「まさか爺閣下が!?」

お嬢「駄目よそんなぁっ…」

…那月はお嬢をおいてなおこの元に走った。



那月「なおこっ!大丈夫でちゅかっ!?」

───なおこの元に辿り着いた那月が目にしたのは、ゴキブリをスリッパで叩き潰したなおこの姿だった。

なおこ「あら那月ちゃん、どーしたの?」

那月「悲鳴が聞こえたから駆けつけたんでちゅよっ」

なおこ「あら、私悲鳴なんてあげてましたぁ?」

どーやらなおこは自分が悲鳴をあげた事を忘れているらしい…。

那月「あ、そーいえば爺閣下は?」

なおこ「爺閣下さんなら、ちょっと邪魔な位置で固まってらしたので、角の方によけてありますよ」

『一体どーやって石になった爺ぃを移動したんでちゅか?』

聞くのが恐ろしかったのか、那月はその言葉を飲み込んだ。

その時お嬢が降りて来た。

無事らしいなおこを見てお嬢は思った。

『なーんだ…期待してたのに…』

一体何を期待してたというのだろう?

那月「あ、お嬢。爺ぃ石化したままなんでちゅけど、どーちまちゅ?」

お嬢「そーねぇ…邪魔だから砕いちゃおっか…」

お嬢の言葉が聞こえたのか、爺閣下の石化がとけた。

那月「あ、爺ぃが元に戻ったでちゅ」

爺閣下「早く部屋に行って作戦会議を始めるぞなもし」

結構立ち直りの早い人らしい。

かくて3人は、ようやく作戦会議を始めたのであった。


爺閣下「俺っちの魅力で、パンダちゃんを誘き寄せるっていうのはどうぞなもし?」

那月&お嬢「却下」

那月「食べ物で釣るっていうのも、お嬢が先に食べちゃいそうで出来ないでちゅよね…」

お嬢「パンダを食べる為なら我慢するわよぉっ」

那月「ダメでちゅっ!パンダちゃんはあたちのペットにするんでちゅよっ!」

爺閣下「パンダちゃんは美女に化けてもらって俺っちの彼女にするぞなもしっ!」


その頃パンダは、木の上でのんきに昼寝していた。



───那月達がまだ宿屋で作戦会議をしてる頃、木の上で昼寝していたパンダが目を覚ました。

何かに気づき、あたふたしている。

どうやら、手に持っていたお肉を落としたらしい。

フワッ…

木から降り、キョロキョロと回りを見る。

が、肉は見当たらない。

パンダはがっくり肩を落としたと思うと歩き出した…。


───那月「何だかここで作戦会議してても、らちがあかないでちゅね」

お嬢「そうね…爺ぃ、パンダが出現しそうな場所って、わからないの?」

爺閣下「知ってるぞなもし?」

爺閣下は当然のようにそう言った。

那月「直接捕まえに行った方が早いんじゃないでちゅか?」

お嬢「確かに…」

なわけで3人は、宿屋を出たのだった。


───パンダはフィールドにポツンと建っている、パチンコ店についた。

人間に変化へんげして店に入り、台に座る。

このパチンコ店には、景品の中に肉があった。

パンダはその肉を狙っているのである。

が、今日のパンダはツイていなかった。

玉がどんどん減っていく…。


───爺閣下「パンダちゃんは大抵木の上かカジノかパチンコ屋にいるぞなもし」

どこで調べたのか、どうして知っているのか等は、物語の進行上制作者が勝手に設定しただけなので、深く考えないでおこう…。

取り敢えず3人は、フィールドにポツンと建っているというパチンコ店に向かう事にした。

大当たりである。

が…予測しない事が起こる。

勿論制作者の意地悪なのだが、爺閣下は方向オンチだった…。

お嬢「爺ぃ…まだつかないの?」

那月「もう大分歩いてまちゅよっ」

2人は文句を言っている。

爺閣下「…迷ったぞなもし」

爺閣下がポツリと言った。

当然2人は大激怒…しかし、ちょうど良くそこに旅の商人が通りかかった。

3人は、旅商人に道を聞く事にした。

那月「商人の兄ちゃん、ここ何処でちゅか?」

お嬢と爺閣下は、軽くコケた。

お嬢「那月、あたいが聞くよ…」

お嬢が聞こうとした時、旅の商人は持っていたリュックから商品であるおにぎりを出していた。

お嬢は旅の商人の手からおにぎりを奪い取ると、あっという間に食べてしまった。

旅の商人「10Gだよ」

那月は10G支払った。

旅の商人「毎度あり~」

旅の商人がそう言って再び歩き出そうとするのを、爺閣下が止めた。

道を聞く前に去られては大変である。



旅の商人に道を聞かなければ、パチンコ店へは着かない。

しかし…

お嬢「食いもん、もっとないの?」

お嬢は全く違う事を聞き、

那月「迷子なんて嫌でちゅ───っ」

那月は泣き出し、

爺閣下「パチンコ店の場所を教えて欲しいぞなもし」

…まともに聞いているのは爺閣下だけであった。

が、さすが旅の商人とでもいうのか、旅の商人は食べ物をお嬢に渡し、那月を抱っこしてなだめながら、パチンコ店への道を教えてくれた。

旅の商人「教え賃1000Gだよ」

ピタッと泣きやむ那月、すごい勢いで食べるお嬢。

3人は一瞬顔を見合わせると、一斉に逃げだした!

旅の商人「おいっ」

3人を追う旅の商人、逃げる3人。

旅の商人「泥棒───っ」

爺閣下「盗賊と呼んで欲しいぞなもし?」

那月「お嬢食べすぎでちゅっ」

お嬢「食い足りな───い!」

───旅の商人が突然ピタッと止まった。

3人「?」

旅の商人は、リュックから何かを取り出した。

Hな本だ。

旅の商人「この太ももがたまりませんなぁ」

爺閣下がピクッと反応した。

那月「罠でちゅよっ」

那月が叫んだが、爺閣下は素早く旅の商人の所へ…いや、Hな本の所に行ってしまった。

───爺閣下は旅の商人に捕まった。

お嬢「…どうする?那月」

那月「爺閣下は置いていくでちゅ」

2人はスタスタと歩き出した。


一方、捕まった爺閣下は…Hな本がニセモノ(カバーだけかえてあった)だという事に気付き、さっさと逃げ出した。

お忘れだろうが、爺閣下は魔法使いであると同時に盗賊でもある。

逃げるのなんておちゃのこさいさいであった。


数十分後、3人はまた合流する事となり、パチンコ店を目指して歩いていたのだった。

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