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JEST  作者: 桜風瑠那
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那月「夜の街って、気持ちがいーでちゅ!」

那月は、家のすぐ前を歩いていた…。

那月「まずは仲間を集めなきゃでちゅよね。 その辺の人に声を掛けてみるでちゅ」

一家の暮らす[やんちゃ町]では、夜中でも人が歩いていた。

那月「そこのおばちゃん! 仲間になって欲ちいでちゅ!」

おばさん「おばちゃんとは失礼ね! 私まだ46よっ」

おばさんは、行ってしまった。

那月「ケチなおばちゃんでちね。 あ、おじちゃん! 仲間になって下ちゃいでちゅ!…」

…その後も何人かに声を掛けたが、誰も仲間になろうとはしなかった…。

那月「ケチばっかでちゅね! あ!でちゅっ! 酒場に行ってみるでちゅ!」

冒険の基本は酒場という、変な固定観念を那月は持っていた。


バーテン「いらっしゃいませ!」

那月「しけた酒場でちゅね。 人が殆どいないでちゅ」

酒場に入ると、那月は周りを見渡して言った。

バーテンは引きつった。

那月「こんなトコに用はないでちゅ!」

那月はそう言い残して酒場を出て行った。


那月「でも困りまちたね仲間がいないとやっぱり大変でちゅ」

始めから行き詰まる那月。

どーしたものかと考え込み、そして思い付いたのだった…。

那月「バニーちゃんを仲間に引きずり込むでち! あたちって、頭がいいでちゅっ!」

しょせんは赤ちゃんである。

バニーちゃんに見つからないように家を抜け出したというのに、那月はまた家に戻る事にしたのだった。


那月「ただいまっ!でちゅ」

抜け出したという事など忘れて、那月は玄関から家に入って行った。

那月「…アレ?でち…」

家の中には、バニーちゃんの姿はなかった。

バニーちゃんは那月が家にいない事に気付き、探しに出ていたのだった。

那月「お手伝いの仕事ほっぽりだして、何処に行っちゃったんでちゅかね?」

那月は勝手な事を言っている。

那月「まぁいいでちゅ。 今日はもう寝るでちゅ!」

そうして那月は、自分の布団に入って寝てしまったのだった。


───朝。

バニーちゃんは、まだ家に帰ってはいなかった。

那月「おかちいでちゅね…。 バニーちゃん、何処に行ったんでちゅ?」

那月はさすがに心配になった。

まさかバニーちゃんもさらわれたというのか?

那月は、町に情報収集に出かける事にした。



那月「バニーちゃんを見まちぇんでちたか?」

那月は街の人々に話を聞いて歩いた。

そして、ある情報を手に入れたのだった。

老人「最近、この辺りで人さらいが出ていますのじゃ。何でも魔の森に人さらいが住んでおるとの噂じゃが」

那月は魔の森に行く事にした。

那月「やっぱりRPGはこーでないといけないでちゅよね!」


1人で魔の森を進む那月。

当然ながら、敵さんのモンスター出現、である。

───スライムが現れた!

那月「やっとお出ましでちゅねっ!かかって来るでちゅっ!」

───スライムの攻撃。

那月はヌルッとした感触に酔いしれた。

那月は身震いしている。

そこへ、1人の女が乱入(つまり、戦闘に加わった)してきた。

謎の女「大丈夫かい?お嬢ちゃん」

那月は女に見惚れた。

那月「かっこいいでちゅ…」

謎の女は強かった。

一撃でスライムを倒してしまう。

───スライムを倒した。


那月「ありがとうございまちた。 助かったでちゅ!」

謎の女「え? いやとーぜんでしょう!あたい強いしっ!」

那月(心の声)『? 何かさっきと感じが違うでちゅ…』

謎の女「あたいはお嬢! 仲間になってやるよ!」

那月が何も言わない内に、お嬢と名乗ったその女は、仲間になる事になったのであった…。



魔の森を進む、那月とお嬢。

当然ながら、モンスターはお嬢が片付けていく。

そして2人は、魔の森の奥へと辿り着いたのだった。

バニーちゃんや、他にさらわれたであろう人逹がそこにはいた。

バニーちゃんが那月に気付く。

バニーちゃん「あら那月ちゃん、捜したのよ」

那月「捜したのはこっちでちゅ。バニーちゃん大丈夫でちゅか?」

バニーちゃん「アラ、そうだったの?」

おとぼけキャラである。

その時お嬢は気付いた。

お嬢「アラァ?こういう話につきものの中ボスちゃんはぁ?」

確かに…バニーちゃん逹をさらったハズの敵さんの姿がない。

那月「今のうちにみんなで森を出るでちゅ!」

那月が言った。

が、何故かみんな動こうとはしなかった。

那月「?」

お嬢「御飯でも食べに行ってるのかしらねぇ?」

那月「………」

その時だった。

バニーちゃんが突然笑い出す。

お嬢「笑い茸でも食べたの?」

バニーちゃん「まだ気付かないの?人々をさらったのは私よ」

当然ながら驚く那月。

那月「…何でちゅって?」

バニーちゃん「だからぁ、この人逹をさらったのは、わ・た・し」

那月「お手伝いの仕事に飽きたからって早まらないで下ちゃいっ」

バニーちゃん「………」

お嬢「那月、さっさと殺しちゃいましょう?」

那月「…何て事言うんでちゅか」

お嬢「悪者は殺すに限る!」

お嬢は1人で納得していた…。

───わけがわからないまま、戦闘開始である。

───お嬢の攻撃!

バニーちゃんに4のダメージ。

バニーちゃんは泣き出した。

那月はバニーちゃんをなだめている。

───バニーちゃんの攻撃!

那月に3のダメージ。

那月「バニーちゃん、泣きマネだったんでちゅね!酷いでちゅっ」

───那月の反撃。

必殺の一撃!

…は、何故かお嬢にあたった。

お嬢は5のダメージを受けた。

那月「あ…。ごめんなちゃいでちゅ」

那月は謝った。

お嬢が切れた!

───お嬢は持っていた剣を振り回した。

ミス!

誰もダメージを受けない。

───那月の攻撃!

バニーちゃんに2のダメージ。

那月の武器ほにゅうびんが割れてしまった。

那月は鞄から新しいほにゅうびんを出した。

───お嬢の攻撃!

バニーちゃんに4のダメージ。

───バニーちゃんはお化粧直しをしている。

───那月の攻撃!

バニーちゃんに3のダメージ。

バニーちゃんを倒した!


お嬢「中ボスのわりには弱くない?」

那月「倒せれば何でもいいでちゅ」

───こうして、那月とお嬢の活躍でさらわれた人逹は家に帰る事が出来たのだった…。


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