第95話 魔王軍の襲撃
ゴゴゴゴ……。
ボボッボボッ………
豪炎?炎?
燃えている。
みわたす限り火の海。
どこだ?!
見覚えのある風景。
ん?!
あ!
東京タワーが、
スカイツリーが炎上している。
新宿都庁に隕石が、落ちる!
な、何だ!
東京が、かつて知ったる東京の首都が火の海に包まれている。
俺は空を飛んでいる。
そして斜向かいに佇む巨大な影があった。
「はっ!」
夢だ。なんて夢。
寝汗でぐっしょりとなる。
魔王スマター!いや、邪神アドヴァン。
どちらだ?どちらにせよ、必ず倒す!
外は雨。サー……静かな雨足が、
窓のガラスを叩く。
おー。気付かなかった。
ここの宿はガラスなんだ。
オークキングのブブキの計らいでブブキ村で休むハサン一向。
正夢なのか、魔王からの挑発なのか
最近同じ夢を見る。
見ると、ジンタンは腹を出して布団を這いで寝ている。
しょうがねーなー。
お腹のシャツを入れて布団を掛けてやる。
よく長男と長女にも布団を掛けてあげた。
あの夢が正夢なら、俺は東京に戻れるのか?
まだもう一寝入りしよう。
今日もやる事は多い。
※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
「ハサン!ハサン!起きて!」
セシアがベッドにダイブしてくる。
あー柔らけー。
胸に顔を埋めながら、脇をぷにぷにする。
「脇腹をぷにぷにすなぁー!」
朝からドテチンに、突進される私(笑)。
そこかよ!胸に触るな!
ハサンのエッチ!
じゃないのね。
「ハサン。魔王軍よ!」
・・・・・っ!!
先程迄の和やかな雰囲気は一転
緊張が走る。
早すぎる!
魔王騎馬軍団、アヤカシの大群が
ブブキの村に攻めてきている。
装具に身を固めて倶利伽羅剣を取る。
「村の非戦闘員を隔離せよ。
後方はブブキ、幽鬼愚連隊に任せる!
総力特集だ!ジンタン、メイ、フィット、セシアは俺と来てくれ!
ブブキ後払い任せたぞ」
「おう!恩に着る!聖騎士殿!
さあ!村の男共は後方支援!
村には猫一匹入れるな!」
かつてない魔王軍の脅威が迫る!
※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
魔王軍に先回りして転移する
俺とメイとジンタンとセシア。
メイが瞬時に極大魔法【大地震】を仕掛けると、
ドゴゴ・・・・・・・!!!
大地が裂けて、巨大地震が起こる。
そるだけじゃなかった。
【大地震狂想曲】の名の下に、
裂けた大地から燃え盛るマグマのカーテンが地中から上空に突上がる。
「ギャーーー!」
「あ、アヅイーー!」
「ウガーーー!」
甲冑を付けた魔兵騎馬軍団は、
馬諸共、大業火に包まれる。
マグマの火で肉まで焦げ燃え尽きる。
それでも突っ込んでくる魔兵騎馬軍団に、
ヒババンゴとレオナルドが重い一撃を見舞う。
ドッゴーン!
ボッゴーン!
ヒババンゴとレオナルドの一撃の度に、
騎馬軍団が吹っ飛ばされる。
挙げ句には、ウルフィーの王=ガンウルフが光球と化して、
【天狼罰当牙牙】を仕掛ける!
ドッカーーン!
ボッカーーン!!
「よし!皆どけ!」
配下の者共だけにいい思いはさせないぜ!
取って置きをお見舞いしてやる!
ハァァァァ!!!
俺は倶利伽羅剣に最大の想いを込める!
「倶利伽羅剣!秘奥義!大地讃頌!!!」
母なる大地をァァァ!!!
とてつもない大きな、
それはもう!
とてつもない大きな、
倶利伽羅龍王の光となり、
やがて畝りは波のように、
そして津波のように巨大な波動として、
騎馬軍団を飲み込んでいく。
「あぁ……なんて」
「心地良いのだ……」
「ありがとう……」
「ありがとう……」
飲み込まれた大多数の騎馬軍団は
感謝を述べて金の粒子となり消えていく。
「俺は赦す!聖騎士ハサンだぁ!」
ついち魔王軍が動いた。
何故執拗にブブキを襲うのか?
謎が次第に明らかに?!




