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第92話 恋の模様

オークキングのブブキか。

取り敢えず、情報が必要だな。


「ジンタン。すまない。

フィットと一緒にブブキの情報を集めてきてくれ。又斥候として頼む!」


「御意!」

「やったぁ〜ジンタンと一緒!」


その報告を聞いてメイは

ぷくぅ〜っと頬をふくらませる。


「不貞腐れるな。仕事だよ。」(小声)

と俺。


「分かってますよ!」

とメイ。


女心は切ないね〜。


ジンタンとフィットの両名は直ぐに旅立った。


よし!待ってる間に我々は、領主サリンに会ってこようか。


「頼む!ハサン!いやハサン様!

俺を旅に同行させてくれ!」

冒険者タブンが一緒に着いて行きたいと直訴してくる。


「分かった。明日領主サリン卿に会う。

お前が案内せよ」



☆★☆★☆★☆★☆★★☆


明くる日、領主サリン卿へと御目通りを願う。


最初は、文字通りタブンが先導していたのだが、「門番に領主に会いたい!」

と面会を願ったところ


「お前みたいな汚い冒険者が来るところではない。帰れ!」

と門前払いになりかかるところだった。


「馬鹿!こちらにいるのは聖騎士ハサン様だ!」

タブンは、お前らみたいな衛兵じゃ話にならん!と喚き立てると、


奥の方から扉が開き、執事長のような見た目の男が現れる。


「聖騎士ハサン様ですね。

これは衛兵が失礼を致しました。

サリン様がお会いになるそうです」



☆★☆★☆★☆★☆★★☆

「これは、これは遠路はるばるサシマ国までようこそ、おいで下さいました。

この度はどのような趣きですかな?」


俺は邪神と魔王の痕跡が、サシマ国にある可能性と、オークキングのブブキ討伐について語る。


「話は相分かりました。

しかし、まさかとは思いますが、聖騎士様ともあろう者が『そのような下賤の者』と一緒にいるとは。」


下賤の者=タブンであることは、明白。

タブンをチラッと横目で見ると、

うつむき加減に下唇を噛んでいる。


「どうであろうか。オークキングのブブキを倒したら、ソマンとタブンの婚約を認めてあげたらどうだろうか?」


ハハ……と力無く笑うサリン卿。


「入れ!ソマン」

サリン卿は、愛娘ソマンを呼ぶ。


「ソマンです。お初にお目にかかります」



☆★☆★☆★☆★☆★★☆


「二人は愛しあってるんですよね?

ならば、オークキング討伐の暁には、二人の交際を是非認めてあげてください!」


俺はサリン卿へ熱弁を、振るう。


「ハサン様。御無礼とは存じますが、

私はこんな下賤の者と契を交わすことはおろか、一時いっときも一緒に居たいとは思いませぬ!」


えぇ?!


どういう事?

マーラ版『ロミオとジュリエット』じゃないの?


「お、おい!どういう事?」

「ちょっと!タブン!説明しなさいよ!」

俺とセシアはタブンに詰め寄る。


タブンは激白した。

どうやら一方的な片恋慕らしい。


狩り場で、たまたま追従していた娘ソマンの姿に一目惚れしちゃったんだそうだ。


おいおい。恋は盲目か。


「サリン卿。本当にすいませんでした。私の早合点でした。どちらにせよ、魔王の手先であるオークキングは討伐して見せます」


額に汗をかきながら、弁明する。


はぁ〜。飛んだ茶番だったな。


領主の館を出ながらタブンに忠告する。

「お前なー。もう少し状況をちゃんと説明せぇよ!」


「だって旦那が、勝手にストーリーを脳内で描いたんじゃないですかい!」


そりゃそうだ!

ごめんよ、ごめんよ〜。


まあ、取り敢えず斥候の到着を待とう。




☆★☆★☆★☆★☆★★☆

一方、斥候に出たジンタンとフィット。


「今日は野営だよ」

「えー!ジンタンと一緒に?!

テントで……!」


フィットはジンタンにスリスリと擦り寄ってくる。


「こら〜!斥候は仕事だよ!

それにアヤカシが出ないか交互に見張りしないと!」


と言いつつ、若いジンタンはBinBinでしたとさ。

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