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44話 束の間の休息を

封印の洞窟とは暗示なだけであった。

暗示の力が、ここまでリアリティを

持って作用するのが魂の世界。


まんまと、魔将軍アスタロットの

策略に踊らされていた。


ハデルはサマンサに問う。


何故、古代語の封印呪文が使えたのか?


古代語の封印呪文とは、

聖騎士ハデルが邪神アドヴァンの欠片である

大魔司教ガリウスとの一戦で使った

対邪神用の魔法である。


まさか?!


ハデルは思った。

蹂躙され壊滅したトッポイ国の

首都エギョマの王女が行方不明だと聞いていた。


もしや?!と思った。


サマンサは、答える。


『私はトッポイ国の王女ミーシャです。

我が国は、邪神へ唯一対抗出来る 

封印呪文を継承する一族です。


よって魔王軍に、攻め込まれたのです。』


ミーシャ王女は腹心ドーマと共に落ち延び、やがてドーマが亡くなった後に剣士サマンサとして生きてきたのだった。


「何はともあれ皆無事で良かった。」

ハサンは労いの言葉をかける。


心底今回の戦いは、ギリギリの勝負だった。


そうだ!シローヌは?!

あの言葉が無ければ我々は全滅していた!


シローヌを、探す。

しかし、シローヌは影も形も見えなくなっていた。


いつか、しっかりお礼を言おう。

そして魔王を邪神を倒すのだと

心に誓うハサン。


ハナカサ村に辿り着き、

久方振りの温泉に浸かり、


そして夜は泥のように眠る

ハサンたちであった。


※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※

「疲れは直ぐに取れない。

だから、しばらく10日程休養日にしようと思う。各人先ずは体を休ませ、

しっかり休息するように」


ハサンは朝食を食べ終わると、

皆に伝える。


ハサンとハデル一行は、別ルートで

シッポリ国の首都シケコムへ、向かう方針でいたが、休養が必要と言う点が一致した。


その間に、ハデルとハサンは召喚前の日本のことや、同じカブラギ姓であると言う事実に大変驚いた。


メリーは、呪文や薬草の採取と研究に、

ジンタンは瞑想と剣技の鍛錬に、

シマジも自らの拳の修行に、

セシアはハサンとこれからの事について


各人のハナカサ村での過ごし方が始まる。


ハナカサ村は、聖騎士が二人宿泊している希有な村だと近隣の噂になった。


数百年続く聖騎士対魔王の戦い、

本当に終止符が打てるのか?


新しい時代が来るのではないのか?!

とマーラの人々の期待も弾む。


かつて聖騎士は魔王を倒した者もいた。

ところが、魔王スマターは数年後には復活するのである。


聖騎士以外にも討伐隊が組まれたが、

生きて帰ってくる者は当然いなかった。


人の力では、超えられぬ人知の力を超えた魔王軍は圧倒的な力で討伐隊を、時には歴代の聖騎士を、退けたのである。


しかし、魔王スマターはどこにいるのか?


ヒントすら掴めていない状態。


ハサンは悩む。

本当に一体どこに奴はいるのか?


そして、邪神の存在。

邪神の欠片=邪神の分霊はマーラの世界に、溶け込んで入る。


魔王を倒すとの、邪神を倒すのを並行して行わなければならない。


骨が折れる作業である。


「ハデル。お前は何か掴んでるか?

邪神や魔王の居場所は。」


ハサンはハデルに問う。


ハデルは言う。

「旧トッポイ国の首都エギョマの跡地に、何か手がかりがあると思う」


確かに。王都の城跡には何か文献などが残っているかもしれない。


先ずは予定通りではあるが、

エギョマ跡地に向かう。


そして、邪神や魔王を倒すヒントを得るのだ。

行先は決まった。


先ずはゆっくりと温泉に浸かって

色んなこと忘れようっと!


束の間の休息を楽しむ

ハサン達であった。


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