表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
39/106

第38話 人狼の正体

人狼は付近の洞窟に住むと言う。


民を不安に陥れる魔性め。

このハサンが退治してくれる。


人狼とは獣人のことで、

半身半獣の存在、


セシアそうだよね?


ハサンは一応セシアに尋ねる。


獣人と人狼は違うの?

と質問するとセシアも

「アタイよく分かんない」だって。


なんで人狼は、人を襲うのか?


そもそもこの国は亜人の国でしょ。

少し聞き込みからしていくか。


風の噂では、シマジと言う10代の男の獣人が

聖騎士の弟子になりたいと里を出た

と言う情報を幾人からか聞いた。


しかし、消息はそこから途絶えているという。


情報を頼りに、シマジの動向を探っていると

彼は『ポックントン拳』の

プロットと言う拳士の弟子になったという。


しかしプロット老は既に亡くなっており、そこからシマジの行方は知られてないようである。


宿を借りた里長や里の人々に礼を述べ、

里を後にする。


里長は「ニヤリ」と不敵な笑みを浮かべる。

ハサンが里から見えなくなると里は

霧のように消えるのであった。


一度ハナカサの村と言う村に着く。

村では村長を始め聖騎士一行の到着を

歓迎してくれる。


「さあ、今日は聖騎士様に宴を用意しました。

ゆっくりとお寛ぎ下さいませ」


人狼はシマジと言う獣人族の少年なのか?


疑問がよぎる。

ま、いいか。

そんなこと。


ヤマゲータ地方は温泉地である。

例に漏れず、ハナカサ村も温泉で有名だ。


ヒノキの風呂に竹筒に酒をついで

『はぁ〜』と一息。


今宵は満月。冬の月はなんて美しいのか。

マーラの月は人の世界と比べて白光して斑である。


しかし、それが何ともまた『をかし』

なのである。


料理も旨かった。

ヤマゲータ地方で取れた牛

モゲミ牛と言うらしいが、

これが脂が乗っていて旨かった。


村一番の調理人が、

ステーキにして出してくれたのだ。


後はジビエ料理と言うのか、普段食べているマシカの肉、ドテチンとキノコ、山菜をふんだんに入れて、昨日取れたばかりの鳥型のアヤカシ=マキジ(キジみたいな鶏)を鍋にしてくれた。


『マキジは貴重でなかなか取れないんですよ』

と村人は言う。


ほろろと肉は柔らかく、

出汁もしっかり出て味噌がまた旨い。


お酒進んじゃうよね。

俺弱いのよ。


そう云えば、自衛官の頃初めての演習で、

防護マスクに寝ゲロしたのを思い出した。


班長から殴られて、

『マーライオン!』と言われたな。

そんな事思い出しながら

お酒をチビチビたしなむ。


ここのお酒は『どぶろく』近い。

コクがあり深くて甘口なんだ。

グイグイいっちゃう。 

 

ノボセちゃうな。


あいつらは何してんだ? 


ふと垣根の外を見ると、

セシアとメイとジンタンは

宿屋の裏手で雪合戦してる。


若いっていいよね。

もう、この年だと交じろうなんて思わないけどね。


さあ、明日出来ることは明日考えよう。


見も心も暖かくなりながら、

人狼対策を考えるのであった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ