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第31話 軍荼利明王

魔王城……。


魔将軍アスタロットは、

魔王スマターに報告する。


「今、聖騎士が邪神と戦闘中です」と。


魔王スマターは元聖騎士である。

しかし、冠城武文かぶらぎ たけふみとしての記憶は消えている。


聖騎士同士の繋がりであれば、

場所の共有や、瞬間転移、念話が可能なのだが、

魔王へとの転生した為、

それは使えなかった。


邪神アドヴァンめ、

早々に聖騎士に目をつけたか。


しかし、何故だ?

何故こうも焦る?

何故、聖騎士をこうまで始末したがるのか?


邪神を滅ぼす唯一の鍵が、

どうやらそこにあるらしい。


聖騎士共よ。

先ずはお手並み拝見といくか。


魔王城から、事の成り行きを静観する魔王であった。

 

その動向をつぶさに観察する者がいた。

魔将軍ダロムである。


ダロムは、独り言のように呟く。

「スマターは動かず」。


※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※

ジンタンは焦っていた。

レンタン流剣殺法が、

ことごとく返される。


「レンタン流剣殺法 いかずち

「レンタン流剣殺法 ながれ


ば、馬鹿な!!


見せのフェイント『雷』から、

本命の二の太刀『流』まで

奴は受けきった!


しかも二の太刀は小太刀で。


何という技の使い手。


焦っていたのは、メイも同様だった。

減速の魔法や、幻術の魔法、

更には炎の魔法や風の魔法まで

効果を打ち消してしまうのだ。


シローヌに魔法は効かない。


挙げ句には、ジンタンに倍速の魔法と、

スタミナ増加の魔法を駆使し、

エンチャントしながら後方支援してるにも関わらず、シローヌが推しているのだ。


つ、強い!


だが、ここで負けるわけにはいかない!

メイは、大型呪文『大地震ビッグマグニチュード』を発動すべく詠唱を続ける。


ジンタンさん、もう少し、

あともう少し踏ん張って!



※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※

一方ハサンは印を組み、

化身の術を発動する。


『ノウマクサーマンダーバーザラダーセンダーソワタヤウンタラターカンマン!

いでよ!軍荼利ぐんだり明王!

邪神を滅せよ!祓えよ!』


軍荼利明王に化身し、三鈷剣を構える。

紅蓮の炎を身に纏い、軍荼利明王は

真言を唱えると、真一文字に剣を構えて

邪神アドヴァンに振り抜いた。


軍荼利明王大烈斬ぐんだりみょうおうだいれつざん!!』


アドヴァンの半身は裂かれ、

燃え盛る。


「グォェェーーーッ」

断末魔を放ち、アドヴァンは消滅する。


誰しもが、ハサンの勝利と思った。

その時、『なんてね。』


女だてら新進同盟かよ!

なんて突っ込みを入れる間もなく

アドヴァンは復活を遂げる。


『その程度か聖騎士は』


化身の術は解け、その場にへたり込むハサン。


まじか!ガス欠だ……。

無念。


軍荼利明王出たよ。

しかし、邪神には通じず!

さあ、この先どうしようかな。

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