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第20話 三鈷剣を追え

な、ない!!


アタイ絶対埋めたはず!

なーーーーい!


セシアは、愕然とした。

埋めた筈の三鈷剣が無くなっていた。


墓荒らしである。

聖騎士の遺品なんて、高く売れるもんだから、

盗まれたのである。


三鈷剣に、祝詞である

『トホカミエミタメ』を唱えれば、

ハサンは生き返ると言うのを、

当のハサン本人(霊体)から聞いた矢先、

三鈷剣が無くなっているとは。


ど、どうしよー。

アタイは本当にドジっ子だわ。

そうだ。困ったときは村長よ。


セシアは取り急ぎ村長に相談することにした。


村長は、うーんと考えながら

「取り敢えず領主ウェーダー様にお会いなさい。

あの人は元々は高名な祈祷師でした。

何か力になれるかも」とセシアに話す。


セシアはオーサキ村を出て、

マヨールの街に向かうことにした。

領主ウェーダーは、そこにいる。


マヨールの街への街道は

セシアにとってトラウマである。


いきなり現れた魔将軍ザンが

ハサンを瞬殺してしまったからである。


爆殺と言ってもいい。

ハサンが吹っ飛ぶのを目の当たりに

してから、食欲が大分無くなった。


最近、ようやく食べれるように、なったが

生肉が凝視出来なくなった。


魔将軍ザンの光景と、

遠いあの頃に見たあの光景が重なるからだ。


正直思い出したくないが、

意を決してマヨールの街に向かう。


この頃には、セシアも攻撃魔法である風の魔法ウインドスラッシュを覚えていた。


アヤカシをウインドスラッシュで切り裂きながら無事にマヨールの街に辿り着いた。


父が生きていた時には、何度か来たことがある。

炭を売りに足を運び、帰りには薬や食料、そして村にはないアイテムを買って家路に向かうのが楽しみだった。


家では母が手料理を振る舞う。

思えば、あの時が一番幸せだったかも。


そういえば、三鈷剣は我が家の家宝でもあった。


いつも仰々しく奥の祭壇に飾られていた。

剣の掃除は私の担当で、いつも手入れしてたな。


家族との団らん、イベント、傍らには三鈷剣があった。


でも幸せは、永くは続かなかった。

近くの山へ薬草を取りに母と向かった。


その時アヤカシに襲われたのだ。


セシアの母サリナスは、セシアを庇い

「早く逃げなさい!」とセシアを突き飛ばす。


母はアリ型のアヤカシ

アリブンタの大群に生きながら喰われた。


動けない、動けないよ、お母さん。


もうだめだと思った瞬間に、

炎の柱がアリブンタを焼いた。


セシアは、たまたま通りかかった

名もなき冒険者により命を救われた。


それからセシアはアリブンタを、見ると動けなくなる。


あの光景を思い出すからだ。


元来、マーラの民は魂の存在。

だから死ねば次のステージ、

5次元の世界に昇華する。


だが、アヤカシに殺されてしまうと

魂は昇華されず、アヤカシとして

転生されるのだ。


母サリナスは、きっとアヤカシだろう。

アヤカシの呪いを断ち切らなくては。

早く母さんを楽にしてあげたい。


そう思うのだ。


先ずはハサンを復活させるのに、

領主ウェーダーに会わなければ。



この時、まだセシアは

聖騎士と召喚士の秘密に気付いていない。


「領主ウェーダーにお目通りを。

わが名はセシア。聖騎士の従者である」


【登場人物】

《聖騎士》

■鏑木 凝流=ハサン

主人公


■セシア

ハナナガ族の娘


■冠城 武徳=ハデル

第二の聖騎士


■メリー

首長族の娘


《センダー国》

■カンデンブルグ8世

王都センダーの王様。


■マーデリン

センダー国宰相


■シローネ

王様の影


《カントン国》

シンセイ地方

カセイ地方

からなる国


■シンセイ地方

カントン国の一地方


《魔王軍》

■スマター

魔物であるアヤカシの王。


■魔将軍ザン

強者


【世界】

■マーラ

四次元の世界


■ミャーギ地方

長閑な田舎


■オーサキ村

ミャーギ地方の村


《アヤカシ》

魔物

■ベロンヌ

スライムのようなアヤカシ


■バットン

コウモリのようなアヤカシ


■ドテチン

イノシシのようなアヤカシ

仲間になる。


《ミャーギ地方》

■マヨールの街

ミャーギ地方の街


■ウェーダー

ミャーギ地方領主


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