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○の思いは今まで通じなかったが、もしや、わずかな希望が芽生えたか

思い付いた分だけ追加です。

○は自らの身体に憑依している者の記憶を見るのが怖くて一刻も逡巡していたが、さすがにいつまでも泣き止まない相手に苛立っていた。


『本当にもう、泣き止みなさいったら!』


絶望や悲観に暮れる異世界の記憶を見るかもしれない不安と恐怖心よりも、この異世界人が泣き続ける理由がわからない事の方が不安になってきた○は、憑依者には通じないとわかっていながら泣き止むように強く願った。


「わあぁぁぁん。クッ、ぐすん。ヒック、ヒック」


『いい加減になさいまし!悲嘆にくれてもどうにもならないんですのよ!泣くのはお止めなさいな』


「ん? ヒック、ヒッ、ヒッ。何? 誰か居るの?」


『あなた、わたくしの言葉が通じるの? なら、泣くのはお止めなさい。お水ならサイドテーブルに水差しとコップがあるから、お飲みなさいな。そんなに泣いたら、のどが渇いているでしょう。まずは落ち着いて』


「ヒック、ふっ、やだ、気のせい? でも、なんだかのど渇いちゃったし、お水があるなら貰おうかな…。って、なんで私そこにお水あるの知ってるの? やぁだ、うわぁああん」


また泣き出した憑依者に苛立って、声が出るならきっと怒鳴っている位の気持ちで、○は意識の底で怒りをぶつけた。


『あなたね! いい加減にしなさいよ。水があるって今わたくしが教えて差し上げたでしょう!』


「うわぁああっ! 誰? 何なの?ちょっと、怖いんだけど!」


『あなたに憑依された身体の持ち主よ。あなた、わたくしの言葉が聞こえているのね。やっと声が届いたのね』


○が初めて憑依者と意思の疎通が出来た瞬間だった。


○の言葉が、気持ちが通じたけど、憑依してるお嬢さんが泣き止まなかった理由って何でしょうね?

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