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魔力ゼロの探索者~魔力ゼロは無才ではなく異才だった~  作者: 北杜
四章 複雑な経歴を持つ異才の持ち主
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希望

 現道優の葬式から数日が経った。

 未だに無気力な山田市太郎。親友である優が亡くなった事に立ち直れていなかった。


「山田さん!」


 無気力な山田に声をかける日和。日和は優の死を受け入れて立ち直った様だ。


「お願いします! 優先生と同じ特殊探索者として私を鍛えてください! 私が先生の後を継ぎます!」


 日和も無気力に数日を過ごしていたが、優と一緒に特殊ダンジョンの探索した時の夢を見た。そして夢から覚める前に優が日和に「特殊探索者になって僕の後を継いでくれ」と日和に頼んだ。

 夢から覚めた日和。優の夢の言葉に思い出すと涙が出た。

 数日前の幸せな時間を思い出す。そして優の後を継ぐ決意をした日和は、山田市太郎に教えてもらう事にした。

 立ち直れていない山田は日和に「後日教える」と言ってその場から逃げた。

 その日の夜、山田が飲めない酒を飲んでいた。優の意志を継ぐと言った日和の言葉が頭に響き、酒の力を借りないと寝る事が出来そうになかったからだ。

 泥酔状態に陥る山田。意識が朦朧となって寝る事が出来そうだった。目を瞑ろうとしたときに、現道優の幻を見た!

 一瞬で眠気が覚めて、意識が覚醒した。

 優は山田に伝えようとしていた。泣きながら山田が手を伸ばすと、優が微笑みながら手をとった。

 山田の手を握った優は最後の頼みを告げた。その頼みを聞いた山田は承諾すると意識がなくなった。

 目が覚めたときは朝で、昨晩の事を思い出す。 優が市太郎に会いに来てくれた。そして「日和を頼んだ」と告げた。優が伝える事が出来なかった遺言だと確信した。

 優の遺言を果たす為に立ち直った山田市太郎。優の遺言通りに日和に自身の知る全ての知識と、特殊探索者の技術を教え込んだ。

 そしてダンジョン探索中に日和の直観力が現れた。優と同じ『危険を回避する直観力』だった。

 日和には直観力が備わってなかったが、亡くなった優と輝美が日和に直感力を与えたと非科学的な考えが過った山田。日和の直観力が開花した訳は二人の死がショックではないかと考えた山田だが、弟子に直観力を与えた非現実的な説明の方が真実であると思った山田だった。

 ……山田も優の幻を見て立ち直ったのだから。幻の優と手を握った感触も覚えている。


 三年後、二十歳になった日和千佳は一人前の特殊探索者となった。優から与えられた直観力で世界中の特殊ダンジョン探索に成果を出している。

 山田も日和を手助けしつつ、忙しい日々をこなしていた。

 そして今日は優と輝美の月命日で、墓参り中の山田市太郎。彼は毎月二人に会っていた。


「久しぶりだね、優君、輝美君。今月も大変だったよ」


 日和が起こした騒動を説明する山田。二十歳になってもトラブルを起こす日和。墓に向かって愚痴を言う山田だった。


「それから子供が生まれてね。前に報告した通り男女の双子だったよ」


 市太郎も一年前に結婚して数日前に双子の子供が生まれた。


「君たちの名前をとって『優市』と『輝乃』と命名したよ」


 幸せだと感じる市太郎。しかし優達が生きていたらもっと幸せだったと感じている。


「そして日和君が子供達に遊びで魔石に握らせると、魔石が消え去った。二人ともアンチマジック能力者だったよ」


 さすがに双子のアンチマジック能力者には驚いた。世界初になるだろう。


「日和君は二人の先生になるって言ってね。将来が騒がしくなりそうだよ」


 毎月のように起こった出来事を話して、墓に向かって「また来月来るよ」と言って立ち去る。

 山田は管理省に戻る途中に、対向車の大型トラックに襲われて意識を失った。



誤字脱字、文面におかしな所があればアドバイスをお願いします。

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