配信内容〔ゲーム実況〕
【第二回】お前ら、一スレ行こうぜ!【Vtuo】
16,766人が待機中・10分前に配信開始
【紅雨 輪廻】【チャンネル登録者数】18,982人
───
──
─
『おはりん!よぉ、お前ら元気か?今日は前の配信でも言ってたモンスタースレイバー、通称モンスレ!やっていくぞ!』
能力検証をした日から二日経った。
今日は初めてゲーム実況をする日である。
まぁ、“初めて”とは言っても、初配信程の緊張はない。
ゲーム・・・それも俺の好きなモンスレだ。
ワクワクはあれど、緊張なんてあるはずがない。
【おはりん!】
【つよつよ姉御期待してる】
【何使い?】
【リアル音ゲー(モンスレ)の世界へようこそ・・・】
【ふっ、ランスこそ最強ぞ・・・】
【全裸待機してました】
【↑お前、わかってるよな?】
【太刀が最強に決まってんだロォぉン!?】
『お前ら早速とばしてんなぁ・・・まぁいいか。なんとな?今回挑んでいくモンスターは・・・驚くなよ?───“レイグカレノル”だ!まぁ、短縮して“レカル”なんて呼び方もするが』
初配信の時と全く変わらない舎弟達を尻目に、今回倒していくモンスターを紹介する。
ぶっちゃけ、このモンスターを作った奴はイカれてると思う。
【・・・ま?】
【プロスレイヤーでも討伐難しいぞ・・・】
【思いだしただけで吐き気がすごい】
【え、そんなに難しいんか?】
【↑これは舐めたらアカンレベルでアカン】
【↑ぼくのかんがえたさいきょうのもんすたぁって言ったら強さが分かるよな】
【こいつは生き物じゃねぇ】
【ゴミ行動・・・鬼畜攻撃・・・糞肉質・・・うっ、頭が!?】
【レカル、お前だけは絶対に許さん】
【コイツ倒すために二年は費やした(遠い目】
【これ作った奴の顔面殴りたい(切実)】
ふはは、そうだろう!こいつは一撃必殺を休む暇なく打つあり得ない攻撃速度と、画面端にいても“何故か”当たる範囲広すぎ攻撃に、制限時間もたった二十分しかないというあり得ない超短期決戦かつ、体力も肉質もアタオカなバケモンスター。
前世の俺はこいつを倒すために一体何ヵ月頑張ったことか・・・。
毒の状態異常を付与できる太刀を担いで、状態異常で数秒ごとに一定ダメージを与えつつ、上手いこと敵を誘導してHPを削ったとしても、時間制限ギリギリでようやく倒せるレベルだ。
何度倒せずに発狂したことか・・・。
『まぁ、なんたって伊達に俺はこのモンスレを10年やり続けたおと・・・女じゃないからな!』
自慢じゃないが、やっている年月だけで言えば、俺はかなり古参に入るだろう。
つまりお前らとはやっている年月が違うのだよ!ハハハ!
───おっと危ない、キャラがぶれるところだった。
【ほーん、やるやん(ガクプル】
【余裕だろ(白目)】
【俺、姉御がレカルが倒せたら、あの人に告白するんだ・・・】
【これ倒せたら、校庭裸で一周します(夢の中で)】
【なら勝てるわ(震え声】
【勝ったな風呂入ってくる】
【もろたで駆動状態だな(フラグ】
『おうおう、フラグ立てまくりやがって・・・まぁ、任せろ!今回は絶対に勝つからな!あ、それと俺は太刀使いだ!同じ太刀使いは俺の立ち回りを見て、レカル攻略頑張ってくれよな!』
ふっふっふ、フラグブレイカーと呼ばれた俺に対してフラグを立てるとはいい度胸だな舎弟達よ!
だがまぁ、負けることなんてあり得ないがな!
なにせ俺の体は今、『ぼくのかんがえたさいきょうのまおう』の体だし、未来だって見えちゃうから次の行動わかっちゃうし、指の動きなんて正確無比だし、そもそと動きなんて超スローに見えるから敵の攻撃なんてゆっくりにしか見えないし・・・。
前世の俺が聞いたら怒り狂って泣き叫びそうだなぁ・・・。
【太刀?タチ・・・あっ、ふーん?成る程ね?】
【あっ、すぅーーー・・・成る程ね?】
【姉御はタチ、異論は認めん】
【これは切り抜き確定】
【タチ?姉御がタチ?・・・アッ(昇天】
【あっ(察し)】
【自称プロスレのワイ、高みの見物】
【ふーん、えっちじゃん】
───
──
─
『おぉ、とぅっ!ていっ!って、アッブなぁ!?』
俺は『ちょうつよいまおう』だから大丈夫だろ、なんて思っていた時期が俺にもありました。
───けど気付いた。
そうじゃん、俺スキルで能力制限してんじゃん!?
なんなら今も全力全開のデバフ掛かってるじゃん!?
くっ、やはりチートは駄目だったのか・・・とは言っても、今も一般人より少し上程度の動体視力を駆使して、ギリギリでフレーム回避という結構高難易度の技を行っている。
フレーム回避というのは、操作されているスレイバーが回避行動を行う際に発生する0.2秒の無敵時間を利用して、モンスターの攻撃に合わせ回避するという技だ。
慣れてくれば簡単にはなるが、それもそろそろ限界だ。腕がプルプルと震えている。
くっそぉ!能力解除してぇッ!!!
ついでにこんなモンスター産み出した奴の顔面も殴りてぇっ!!
【危なっかしく見えるのに、フレーム回避決めてるしガンガン削ってんだよなぁ(遠い目)】
【エッグ過ぎだろ・・・】
【フレーム回避とは、モンスターの攻撃は攻撃判定が一瞬しか無かったり、尻尾回転のように高速で行われる物が多いため、この無敵時間(通常回避をすると0.2秒間だけ無敵時間が生じる)を利用することによって、攻撃をすり抜ける技術のこと】
【あれで、フレーム回避できるのかよ・・・】
【なんで連続でフレーム回避決めちゃうんですかねぇ(戦慄】
【裸で校庭一周ニキ息してる???】
【↑博識ニキ助かる】
【姉御『あ、この技フレーム回避出来るんだぜ?』】
【↑つよい(確信)】
コメントの流れる速度が尋常じゃないが、今はそっちに目を向けられない。
だってコイツ強いんだもん!
しかし、黙ってるわけにもいかないので、一応対処法と解説を入れておく。
『このフレーム回避のコツは敵が地面を引っ掻く動作をしてから直ぐにすれば回避できるぞ、まぁ、練習を重ねないと難しいがな』
なんなら練習しても難しいがな!
というかコイツを初見でクリアしたプロスレイヤーはいるのだろうか?
いや、断言しよう!絶対にいない!だって魔王の俺がこんなに苦戦してんだぞ!?
だがこれをもし本当に初見クリアしやがった奴は、神に愛されてる主人公みたいな奴に違いない。
くっ、主人公補正許すまじ・・・超簡単にチートなんか貰いやがって・・・。
【TA勢もびっくり】
【全部避ければいいんですよ(白目)】
【これには思わずプロスレもニッコリ】
【カウンターするとキモチエエよな】
【モンスターよりもスレイバーの方がモンスターな件】
【なんかハンターの動きが凄すぎて気持ち悪い】
『とぅッ!からのカウンタァァァッ!!』
レカルの攻撃に合わせ、カウンターを叩き込んでいく。
カウンターとは、敵の攻撃するタイミングに合わせて攻撃すると、カウンター判定になり、攻撃してきた敵にダメージが与えられる・・・というものなのだが、如何せんタイミングがシビアなのだ。
モンスレは音ゲーなんて言われてるのも、この所為だろうな。
【それは流石に卵過ぎる】
【↑どゆこと?w】
【なんでそこでカウンターを合わせられるか甚だ疑問なんだが?】
【(卵=エッグ)エグすぎる】
【しょーもないから晒し首】
【こ、これがチートか・・・くそがぁっ!!(血涙】
【なんでや!?】
【ま、まぁ姉御だから多少はね?(白目)】
【モンスレは音ゲー()】
『ちょっ、盛り上がってるところ悪いけどあともうちょっとでクリアだぞ!怯みの回数と、疲労回数とで、多分もう体力はほとんど残ってねぇはすだ!一気に畳み掛けるぞぉ!』
敵のサマーソルトをフレーム回避しながら、次の攻撃へ繋げていく。
伊達にプロスレはやっていない。攻撃した回数と、毒での減少量、怯んだ回数で残りのHPを計算するなんてわけない。
カチャカチャという操作音と共にペースを上げていく。
後もう少し───後もう少しだ!
【アイエェェェ!?フレーム回避なんでなんで!?】
【速報:姉御ガチのプロスレだった件】
【当たり前だよなぁ?】
【は?動きどうなってんの?は?】
【つよつよ姉御】
【怯み値計算とか・・・姉御ガチの方じゃないですかヤダー】
【つよつよってレベルじゃない件】
【自称プロスレのワイ、驚きでチビりそうになる】
ふ、ふふ、そうだろう!そうだろうッ!
伊達に10年以上やっている訳じゃないからなぁ!
『おし!最後だ!喰らえデュアルバーストォ!』
敵の不規則な攻撃をカウンターし、敵の攻撃を跳ね返しながら、最後の一撃を決める。
や、やったか!?
なんてフラグをたてつつ、ムービー演出と、聞きなれた音楽が流れ、レイグカノレルがゆっくりと巨体を地面に伏せる。
〔正眼の極龍:レイグカレノル討伐完了!〕
『よ、よっしゃあ!決まったぁ!!』
クリアタイムは18分38秒。
・・・なかなか早い──がもう少し短縮できたかもな。
だが、今はそんなことどうでもいい!
超!嬉しい!
今なら裸で踊れる気がする!
まさかまたレカルを討伐、しかも魔王としての力を欠片も使わず、だ。
喜ばずにはいられないッ!
やったぞ!俺やったぞ舎弟達よぉ!
【うおぉぉぉ!!】
【すげぇえ!?】
【888888】
【88888888888】
【結局最後の最後まで卵だった】
【モンスター「ヒェェッ!」】
【モンスター・・・姉御・・・閃いた!】
【モンスターが狩られる側なんだよなぁ・・・】
【18分クリアとか、TOPプロスレ層でもなかなか出来ないのに・・・スゲェッす】
【凄すぎて参考にならん】
【ヤバスギィッ!!】
チャット欄には称賛のコメントが数多く映る。
ふっ、もっと褒め称えてもいいんだぞ?
───いや、まぁ謙虚にいくんだがな?
『モンスレ、どうだった?俺は楽しかったかな!お前らは楽しんでくれたか?』
【楽しかった!】
【上手すぎて参考にならなかったんですがそれは】
【次はエルフォースを頼む】
【ふっ、余裕で参考にならなかった】
【このくらい俺だって(白目)】
【姉御のコントローラーに生まれ変わりたい人生だった・・・】
ふむふむ、なかなか好評みたいだな。それに、結構なプレーも魅せられたし、自分的には満足のいく結果になった。
初ゲーム実況としては大成功──かな?
『ふっふっふ、お前らが楽しんでくれたなら何よりだ・・・ってエ、エルフォースかぁ・・・それじゃあ次の配信で挑戦しようか。取り敢えず、今回の配信はこれで終わりだ!また来いよ!』
【また来る】
【姉御ボイス聞けてよかった】
【我が人生に一片の悔いな・・・いや、姉御ヴォイス聞けないなら悔いありまくりじゃねぇか(悟り】
【楽しかった】
【神回】
【おつおつぅ~】
【初見です!楽しく拝見させて貰いました!応援してます!】
【姉御が凄かったところしか記憶にない・・・】
───
──
─
【第二回】お前ら、一スレ行こうぜ!【Vtuo】
20,638人が視聴中・1分前に配信終了
【紅雨 輪廻】【チャンネル登録者数】23,241人