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 舞ちゃんは、女の子に近づくと声を掛けた。


「由崎さんだったかな? 大丈夫?」


「は、はい!」


 すると声を掛けられた女の子は吃驚しながら振り返った。由崎さんと言われた女の子は少し薄い黒髪セミロングの女の子だった。顔はあどけない感じので、かなり小柄なようで、小学生って言っても大丈夫そうな感じかな? 流石に小学生というのは失礼かと思いながらこれから一緒に行動することになるから簡単に自己紹介をした。


「私、夜桜真奈美、真奈美って呼んで」


「は、はい。わ、私は、由崎真琴と言います」


 そう言って由崎さんは頭を下げた。


「私は、夜叉神舞華、舞って呼んで」


「わ、分かりました。わ、私のことはお好きに呼んでください」


「それなら、まこちゃんって、呼んでもいい?」


「は、はい」


 それにしても緊張しているのかさっきからずっと声が上擦っているけど大丈夫かな? と思った。もしかしたら先ほどのことがあってそうなっている可能性もあるけど……。


「とりあえず、移動できる準備をしよっか? すぐに城を追い出されることになると思うし」


「それもそうだね。もし手間取ったら面倒なことになりそうだし」


「は、はい。少し待っていてください」


 彼女はそう言うと、落ちていた鞄とリュックを持って私達のところに戻ってきた。


「お、お待たせしました」


「そんなに硬く話さなくてもいいよ? これからは一緒に生活をしていくことになるから」


「で、でも……」


「気にしなくても大丈夫だから、ほら、もっと楽に話すようにして?」


「わ、分かりました」


 う~ん。本当に大丈夫なのかな? とそんなことを思いながら待っていると男性が1人戻ってきた。手には3つの袋を持っているからこれが渡される生活費なのかな?


「これが、生活費となります。それぞれ金貨30枚となっています」


 そう言って袋を渡されたので各々受け取った。


「それでは、荷物を持ってついて来てください」


 そう言われてついていくと城の外へと出た。すると近くを通りがかった騎士に話しかけた。


「おい、そこのお前、彼女を城下町付近まで送ってこい」


「わ、分かりました」


「お前達は彼についていくように」


 そして、城の外まで案内をした男性は城の中へと戻って行った。


「え、えっと、とりあえず、城下町まで案内しますね」


 そう言った騎士の人にやや困惑した様子だったが思っていたより丁寧に話しかけられたことに少し驚きながら彼についていった。


 彼の後をついて行くと最初の方は大きな建物が建っていた道を歩いていたけど、だんだん建物の大きさが小さくなっていき、人が密集しているところでは商店街のような街並みへと変貌していった。


「この辺りが城下町になります。それでは、私は仕事があるのでここで失礼します」


「ありがとうございます」


 私がそうお礼を言うと、舞ちゃんとまこちゃんが私に続いてお礼を言った。


「ありがとうございます」


「あ、ありがとうございます」


「仕事ですので気になさらないでください。それでは失礼します」


 騎士はやや苦笑いをしながらそう言って敬礼をしてから去って行った。


「……とりあえず、邪魔にならないところでこれからについて少し話そうか?」


「そうだね」


「は、はい」


 そうして私達は道の端の方へと移動した。




「とりあえずこれからどうする?」


「う~ん。町の外には魔物とかもいるみたいだから武器とかを揃えた方がいいんじゃないかな?」


「わ、私は今日の宿を探した方がいいと思います」


 確かにどっちも必要だよね……。とりあえず生活費はそれなりにあるから宿を先に探した方がいいのかな? でも、いい宿とか分からないから探すのがなぁ……。


「ラノベとかゲームだとギルドとかで聞けばいろいろ教えてくれたのにね……」


「そうだね。……もしかしたら異世界だから存在したりしない?」


「……そう言われとそうだね」


「町の人に聞いてみる?」


「とりあえずそうしようか」


「じゃあ、ちょっと聞いてくるよ」


 舞ちゃんはそう言うと近くの屋台のおじさんに話しかけてしばらくすると戻ってきた。


「聞いてきたよ。この先を真っすぐ進んでいくと大きな建物があってそこに冒険者ギルドと書いてあるらしいわ」


「やっぱり存在するんだ……。とりあえず、その冒険者ギルドに行って冒険者登録をしてこようか? それから、この世界についていろいろ聞いてみない?」


「そうだね。分からないことも多いからその方がいいかも?」


「わ、私もそれで大丈夫です」


「よし、それじゃあ決まりね。それじゃあ、さっそく出発しよっか?」


 そう言うとみんな頷いたので私達は冒険者ギルドを目指して歩き始めた。



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