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星が照らす行先は  作者: 健健
一章 アルナイル
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 魔法の適性があっても必ず魔法が使えるという訳では無い。正しい知識と技量を持った者に教わらなければならない。

 ベナトは水と木の魔法が使えた。教える事も出来る。

更に他3種類の魔法についても、アルナイルを任せてもいいと思える実力を持った者に当てがある。

 ベナトはアルナイルに魔法を教えるに関して、良い環境と良い師を与えてやれる事が嬉しかった。


(・・・これも運命って奴なのかねぇ)


魔法の才があるアルナイルが魔法を使いたいと思うのは、ある意味当然なのかもしれない。

 窓から空を眺めながらベナトはそう思った。


 今はもう日が暮れ星が出始めている。アルナイルはまだ仕事から帰ってきていない。

明日からのアルナイルに魔法を教える日々を想像する。無意識に上がっている口角は誰も、本人でさえも気付く事は無かった。


 初めはベナトが使える水と木の魔法を教わった。

ベナトの仕事を手伝っていたお陰で基本的な知識は持っていた。

魔法とは自身の魔力をそれぞれの属性に変換して起こす事象、自然のエネルギーを作り出す力だと。


「魔法を教えるというよりは、各属性の力を教えるっていうのが正しい言い方かねぇ」

「どうしてですか?」

「魔法っていうのは個性がでるのさ。人はみんな性格が違うだろ?それとおんなじで同じ属性の魔法使いでも使う魔法に違いがあるのさ」

「たとえば?」

「変換した魔力を放出して使う者もいれば、身に纏って使う奴もいる。他にも自身に魔力を流して身体能力を上げる奴もいたねぇ」

「そういうのは何で決まるんですか?」

「これっていうものはないね。その人が一番自分に合っている魔力の使い方を身体が覚えたらに自然にそうなっていくんだ」


そういってベナトはアルナイルの手を握る。


「取り合えず木と水の魔力を流すから感じてごらん」

すると握られた手から何かが流れてくる感覚がはっきりと感じ取れた。

「これが・・・!」

「今の感覚を忘れるんじゃないよ、取り合えず今感じた魔力を自分で出せるようになりな」

「わかりました」


 それからアルナイルは毎日練習した。

昼間は仕事があるのでは早めに起きて練習し、夜は寝る間も惜しんで魔力を練った。

ベナトに魔法を学ぶには遅い年齢だと言われたが、むしろやる気が出てきてなぜだか知らないが気持ちが高ぶっている自分がおかしかった。


(あの魔力の感覚はこんな感じだったかな?)


アルナイルはベナトに教えてもらった感覚を頼りに初めに水属性の魔力を練習した。 

 一週間かけてようやくベナトに教えてもらった感覚を自分でも出せるようになった。さらに一週間かけてより強く水属性の魔力を出せるようになった。


(二週間かかったけど・・・やった!)


 次に木属性の魔力に取り掛かった。木属性の方は三日で水属性と同じ強さの魔力を出せた。


ベナトは嬉しくてすぐにでもベナトに知らせたかったがもう日が暮れて随分と時間が過ぎている。今日はもう寝て明日朝一に報告する事にした。


(楽しみだな~!)


 その日はなかなか眠れなかった


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