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第0話 リトライ人生は初っ端からベリーハードッッ!?


初めての方もそうじゃない方もこんばんは‼︎ 島田莉音です‼︎

まさかの回避する‼︎シリーズ第四弾……‼︎


ぶっちゃけ……軍服+ハーフ手袋萌えが止まらなかったから、書こうと思いました(`・ω・´)

萌えは執筆のモチベーションです(笑)

まぁ、悲しいことにそれが出てくるのはかなり後だけどね‼︎


〜御礼の言葉〜

回避する‼︎シリーズの誤字脱字を教えてくださって、ありがとうございます‼︎ とても助かります‼︎

そして、読んでくださってる皆様ありがとうございます‼︎

今後も皆様に楽しんで頂けるように頑張ります‼︎


それでは、よろしくねっ☆

 








 前略、異世界のお父さん、お母さん。






 就職氷河期の所為でちゃんとした企業に就職できず。

 でも、生きるためにブラック企業に勤め、毎日残業残業残業残業、深夜帰宅は常日頃、もういっそ会社に住んでるんじゃねぇーの? というぐらいに働き続ける日々を過ごして過労で死んだ貴方がたの娘である私は……。




 どうやら異世界に転生したようです☆




 ついでに生まれて早々森に捨てら(育児放棄さ)れました☆






「だぁぁぁうぅぅぅぅぅぅぅぅうーーーーっ(ふざけんなぁぁぁぁぁぁぁぁあーーーーっ)!」



 バサバサバサバサッッ……!


「ぴゃうっ!」


 私の声に反応して何かが飛び立つ音が響く。

 ビビるわ、止めて欲しい。

 いや、私が大声出したのが悪いんだけどっ!

 でも、大声出してしまうのも仕方なくないっ!?

 倒れて意識を失ったと思ったら、目の前には金髪碧眼美男女がいて。

 え? 何事? 何が起きた?

 って現状把握する前に、私はここに置き去りにされて。

 身体は上手く動かないし、声を出そうとしたら「あう」とか「だう」とかだし。

 あ、これ……赤ちゃんになってる? さっきの美男女がここに連れて来た時、空飛んでたし……もしかして、テンプレ異世界転生じゃね?

 …………と思ったって後の祭り。

 いやぁ……完全に育児放棄だよね!

 おくるみに包まれたまま、森に捨てられてるよね!?

 なんで生まれてすぐに捨てたし!

 なんなん!? この世界には親(あの美男女は親だったのかなぁ……)は子を捨てる世界なの!?

 ベリーベリーハードワールドなのっっ!?

 私の命はここで終わるのぉぉぉぉぉおおっっっ!?


「………だぅ……だーだぅだー……(と……言ってみたが……)」


 いくら私が荒ぶろうが……結局、私にはどうしようもできないんだ。

 だって、赤ちゃんだし……何が起きてるかもちゃんと把握できてない。

 生活力もないし、こんな身体じゃサバイバルさえもできない。

 このまま餓死するか、動物にパックンチョされるのが関の山。

 …………なんなの、かなぁ……私の人生。



 生まれ変わったって……結局救われない。




『グルルルルルルッッ……』




 ビクリッ!

 唸るような音に身体が否応なしに硬直する。

 あぁ……あぁぁぁ……。

 のそり、のそりと近づいてくる大きな獣。

 狼に近いけど、狼なんかより何倍も大きい。

 ……………目がギラギラしてるし、大きな口からはボタボタと涎が垂れてるし。

 完全に餌を見る目だ。

 私を、餌として食べる気だ。

 …………最悪だよ……最悪すぎるよ……。

 なんで……なんでこんな目にっ……!

 涙が溢れるけど止まらない。

 いや、大人でも泣いてただろうけど……赤ちゃんだから余計に涙腺がぶっ壊れてる。

 狼の弧を描いた口元はもう目の前。



 私は、後数秒で死んでしまう。



「ぴっ……」


 ………多分、きっと。

 助けを呼んだって、意味がないって分かってる。



 でも。




「ふぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇんっっっ(誰か助けてぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇっっっ)!」




「ーーーーいいよ」




 ーーーーーーどうやら、世界は少しだけ私に優しかったらしい。




「邪魔だ」


 ドスッッッ!


『キャウンッ!?』


 目の前にあった狼の口が一瞬で消えて、私は固まる。

 ……エ? ナニガオキマシタ?


「大丈夫?」


 狼の口の代わりに現れたのは、それはもう息を飲むくらいの美青年。歳は十六〜十八歳くらいかな?

 艶めく漆黒の髪に、紅玉みたいに真っ赤な瞳。

 中性的な顔立ちは異常なぐらいに綺麗で……まさに魔性の美青年。

 …………心臓が、凄く煩い。

 多分、今の私は顔が真っ赤だと思う。

 なんか触れるのも烏滸おこがましく思えてくるのに……彼は普通に私を抱き上げて、ふわりと微笑んだ。


「どうしたの? ちゃんと助けたよ?」


 ピタリッ。

 彼の美貌に見惚れていた私は、その言葉で冷静にな(我に返)る。

 そして……恐る恐る、質問(伝わるかな……?)をした。


「だう……だうだー(もしかして……分かるの)?」

「勿論。良かったね。偶々、ボクがこの森にいて」


 ……つまり……偶々、私の声が分かる人が。

 偶々、この森にいて。

 偶々、助けてくれた……と。


 だばーーーーっ!


 私の目から滝のように涙が溢れて、目の前の青年が驚いたような顔をする。

 そして、「大丈夫?」と聞きながら、彼のブラウスの袖(……ハンカチ持ってなかったのね……)で目元を拭いてくれた。

 ……やだぁぁぁ、やーさーしーいぃぃぃぃぃぃぃ!

 ほんのちょっとの優しさが心に染みるぅぅぅう!


「君のお家は? 連れて帰ってあげるよ?」

「あうーっ! だうだうあーっ(無理ーっ! 捨てられたーっ)!」

「……捨てられ、た……?」

「あうぅぅぅぅー(そうぅぅぅー)!」

「…………ちょっと、ごめんね」


 青年君はそう言うと私の身体を触ったり、じっと見たりする。

 そして、その綺麗な顔に似合わない暗黒オーラを纏いながら……ドスの利いた声で呟いた。



「相っ変わらず……クズの集まりだな、エルフどもが……」



 ゾワリッ……!

 背筋がゾワっと冷たくなる。


「ぴぅっ!?」

「あ、ごめん……君に言ったんじゃないよ。怖がらせてごめんね」


 ぶるぶると震える私に、青年君は一瞬で柔らかな雰囲気に戻り、困ったような顔をする。

 いや……私に怒ったんじゃないって分かってても……怖かったんです……。

 背筋が寒くなったんです……。


「…………仕方ない、ね。君はボクが連れ帰るよ。いいかな?」

「あうっ(えっ)?」

「それともここに残りたい?」

「だあぁーーーっ(いやぁーーーっ)!」

「なら決まりだね」


 青年は私を落とさないように優しく抱っこしてくれる。

 ………お姫様抱っこですよ。赤ちゃんだけど。


「あぁ……そうだ。ボクの名前、言ってなかったね?」

「あう(名前?)」

「そう」


 青年君は柔らかく笑う。

 そして……私の頬を撫でながら、名前を告げた。





「ボクの名前はルイ。よろしくね?」






 この時の私は知らなかったんだ。




 このルイ君との出会いが……私の運命を大きく変えたってことをーーーー。








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