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百合要素注意です。
あと、異世界転生の要素も出てきます。
ちなみにリアは究極的なご不憫さんです。
「あぁっもう!大体おかしいのよ…腹黒王子は俺様で阿呆な感じになってるし、遊び人なはずのヤナギたんは真面目な感じになってるし…ゲームと全然設定が違うじゃないっ!」
げえむ?せってい?彼女は何を言っているのだろうか。
とりあえず関わらない方が良さそうなのは私の思い違いではないだろう。
そう考えてるうちも彼女は話続ける。
「なんの為に『ツンデレ天国〜ツン99%デレ1%最高のツンデレをあなたに〜』を買ったと思ってるのよ…あんな最初から誰にでも優しいみたいなキャラお呼びじゃない…もっと初見でいきなり罵ってくる悪役令嬢、そう!ダリアみたいなのを期待してたのに!!」
名前が呼ばれた気がしてつい振り返ってしまった。
すると、大きな溜息をつきこちらに目を向けた彼女と目が合う。
「…た。」
「えっ?」
「いたぁぁぁあ!そうよ!ダリアだったら綺麗な顔してるし、私に優しい態度なんて絶対取らないしちょうどいいわ!!」
私には転入生にいきなり呼び捨てにされる理由も同意もないのだが…
よく分からないけど、逃げておこう。
「ねぇ、待って!逃げないでよ!!話だけでもきいてっ!!」
「ごめんなさい!よく分からないけどあなたはランと同じにおいがするので逃げなきゃいけない気がするんですっ!」
「…ランって確かもう1人のヒロインでダリアのこと大好きだけど、嫌われてる不憫な子だっけ…まぁ、どうでもいいわ!とりあえずお話しましょー!?」
やばい、やばい。
涎を垂らしながら追いかけてくる。
後ろを向きながら走っていると、思いっきり誰かにぶつかってしまった。
「っ!ごめんなさい!大丈夫ですか?」
「ん?リアじゃないか。どうしたんだ?突進してくるだなんて…随分と積極的じゃないか!!」
何でここで殿下と遭遇するんだ!!
これで前にも後ろにも逃げ道はない。
だったら横に逃げるしか…
「あぁ、お姉様ー!奇遇ですね、一緒に帰りませんか?」
…ややこしい人がまた増えてしまった。
「はぁはぁ、やっと追いついたわよっ!」
「…なんだお前は。俺の婚約者に何か用か。」
「はぁ?もう婚約は解消されたのですから、未練がましくお姉様のことを婚約者だなんて呼ばないでいただけますか。」
…絶対に引き合わせてはいけない人達を集めてしまった気がする。
「ねぇ、ダリア。もし、よかったらなんだけど…私のことを1回罵ってもらえないかしら!?」
「はぁ!?何を言っているのですか、あなた!!…お姉様、是非私にも。」
「おい、お前こそ何を言っているんだ。リアが罵るのも褒めるのも、いや、話すのは俺だけでいいんだよ。」
…人の周りで好き勝手に話さないで欲しい。
頭がガンガンする。
「あの…とりあえず皆さん移動しませんか。」
そう、私が言うと皆さんようやく周りの様子に気がついたようだった。
今、私達は大量の生徒に囲まれ見世物状態になっている。
そして彼らにはこう見えているのだろう。
王子を取り合う元婚約者の姉とその妹、そして転入生。
根も葉もない噂をたてられるのは言うまでもない…
読んでくださりありがとうございました!
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ちなみに出てくる乙女ゲームのタイトルが壊滅的なセンスなのは私のネーミングセンスが皆無だからです。