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今回とても短いです。
また、乙女ゲーム要素、百合要素あり
「おっ姉様ー!今日は一緒に登校しませんか?」
「…お誘いは嬉しいけど、また今度でお願いします。」
「そんなー、もうつれないんですからっ!うふふ。」
怖い、うん。普通に怖い。
どうしよう、妹のテンションがここ最近おかしいのだ。
いきなり抱きついてきたり、目が合うと変な声をあげながら涎をだしていたり…
前に説教もどきをされたのがショックでおかしくなってしまったのだろうか。
とりあえず、逃げよう。
お断りしたはずなのに「うふふ」と奇妙な笑い声をあげてついてくるランを横目に、私は全力疾走で馬車まで駆け込んだ。
「出してください!」
「えっダリアお嬢様!?いや、でもまだランお嬢様が…」
「いいから出してくださいぃぃ!」
「はっはいぃぃ!」
遠くでランが「あー、お姉様ったら酷いですー!」とか何とかニヤニヤしながら叫んでたが聞こえないふりをした。
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席に着くと、隣にいるナギがイヤに上機嫌だった。
「はよー、リア。知ってるか?今日転入生が来るらしいぜ。」
「おはよう、ナギ。こんな時期に?」
「んー、噂によると可愛い女の子だってさ。」
「あーハイハイ。良かったねー。」
「まぁどうせ他のご令嬢方みたいにリアのこと黄色い声で『お姉様ー!!』って呼ぶだけで俺たちは相手にされないんだろうけど。」
「あっ『お姉様』で思い出したんだけど…ランの様子が何かおかしい。」
「大丈夫だ。あいつが大丈夫じゃなかった時の方がない。」
談笑していると、担任のエリカ先生が教室に入ってきた。
「皆さんおはようございます。突然ですが、このクラスに新しく転入生が来ました。さぁ、入って。」
先生の後を入ってきたのは薄紅色の髪と若草色の瞳が印象的な、可愛らしい少女だった。
「アイビー・ローダンセです!皆さんアイって呼んでください。これからよろしくお願いします!!」
「ローダンセは平民ですが、魔法・学力ともに認められてこの学園に入学してきました。皆さん仲良くして下さいね。」
ナギは隣で「へぇ、平民なのに魔法使えんのか…手合わせしてみたいな」とか脳筋チックな発言をしてる。
普通ここはあまりの可愛さに見とれる…とかだろ。
手合わせはないわ…
視線をナギからアイビー嬢に戻すと、目があった。
ーー何だか嫌な予感がする。
具体的にいうと最近のランみたいな雰囲気があるのだ。
私は即刻目を逸らした。
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6限目が終わった。
よし、帰ろう!
直ちに帰ろう!
ランに見つかる前に!
私はナギに挨拶をし、階段へと向かった。
すると階段の下の方に見覚えのある薄紅色の髪が見えた。
彼女は確か5時限目辺りに体調が悪いと言って保健室に行ったはずだったが…
「…ぁ、もう!…んと…じらんない!!」
何かボソボソと言っているのがきこえる。
「何よこの世界っ!ホンットに信じらんないんですけど!」
見ていただきありがとうございましたァァァ!