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「陛下、突然の訪問、御無礼をお許しください。殿下のことでお話が。」
「えっあのバカ息子がまた何かやらかした?」
「このたび私と殿下には大きな価値観の相違が見られたので、このまま結婚しても円満な結婚生活を送れるとは思えません。つきましてはかねてから伺っておりました婚約解消を…」
「あぁぁーー!!あー!聞こえない、婚約解消なんて聞こえなーい!」
…陛下、お茶目なのは良いかと思いますが一国の王ともあろう方が大声で人の発言をさえぎるのは少しどうかと思いますが。
「陛下、殿下との婚約は解消させていただきます。」
「あー!って、あっ!言っちゃったよ…これから私からも言い聞かせておくからさ、解消はちょっと」
「…陛下。」
「…認めます。あーあ、もぉこれからどうしよ…」
するとひょいと後ろから美しい女性が顔を覗かせた。王妃様だ。
「どうしたのです、陛下。そんなに声を荒らげて」
「ダリア嬢とあのバカの婚約解消認めちったよ…」
「えーーーっ!」
王妃様は大きな瞳をこれでもかと見開き、驚いている。
「はっ、コホン。申し訳ありません、はしたない真似を…」
「いや、気持ちは分かるよ。ねぇダリア嬢、考え直す気は…」
「全くありませんね!」
「はぁ、わたくしリアちゃんと一緒にドレスとかアクセサリー選んだりお茶会するの楽しみにしてたのに…」
「私もあのバカの手綱を握れるのはダリア嬢だけだって期待してたのに…」
私は今までで1番の笑みを浮かべ、告げた。
「申し訳ありません、陛下、王妃様。私は皆さんが思うほど『良い子』ではないのです。」
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あぁぁー!スッキリしたぁ!!
これでもう「殿下が様々な女性と噂をお流しになられるのは婚約者に魅力が無いからだ」とか言われずに済む…
さようなら、今までの生活。
こんにちは、新しい私!
この調子でもう自由に生きよう!!