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よろしくお願いしますm(*_ _)m
「何でこのくらいの事が出来ないんだ。リアだったら出来るはずだろう?」
「何そんなに怒ってんの?俺が本当に愛してるのはリアだけだって言ってるだろ。」
「やはり姉様は凄いですね!その…こっちもお願いできますか…?」
この人たちが私に持っているのはどんな感情なのだろう。
『期待』?『信頼』?『尊敬』?
いや、そんなものじゃない。
彼らにとって私は。
ーただの『都合のいい存在』だ。ー
こんな事のために私は今まで頑張ってきたのだろうか。
馬鹿みたいじゃないか。いや、馬鹿だ私は。
もう終わりにしよう。
これからもう周りに気を使わず好き勝手に生きさせてもらう!!
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「…殿下、目の前に婚約者がいるというのにほかの女性と腕を組むのはどうかと思いますが。」
「ん?今更そんなこと言ってどうしたんだ。綺麗な女性がいたら声をかけるのは男として当たり前だろう。」
今までの私ならここで引き下がっていただろう、だが。
「そうですか、私と殿下では価値観に決定的な違いがあるようですね。こんなことでは結婚など出来ません、婚約は解消いたしましょう。」
「そうそう、最初から無駄な…って、えっ!?婚約解消!?」
「はい、そうです。では陛下のもとへ報告に参りましょう。早く伝えた方が良いでしょうし。」
「いやいやいや、ちょっと待て。今日のお前は何かおかしいぞ。俺が悪かったから、婚約破棄は考えなおせよ。俺が本当に愛してるのはリアだけなんだって!」
「『俺が本当に愛してるのはリアだけ』ですか…」
「あぁ、その通りだよ。」
「その言葉、今月だけでもう16回目なこと気づいていらっしゃいます?」
「っ!いや、それは…」
私は殿下の方を向き、自分が1番美しく見える角度で微笑んだ。
「殿下、私自分でも器量は良い方だって思ってるんです。」
「!!あぁ、その通りだ!俺はお前ほど美しい女を見たことがない。だから…」
「だから、『私しかいない』殿下と違って、探そうと思えば相手は沢山いるんです。」
「ちょ、待て!俺はお前を愛してるんだって!俺の事を見捨てる気か?」
「さっきから『愛してる』って何回言えば気が済むんです?殿下はもう少し語彙を増やした方が良いと思いますよ。まぁ、どうでもいいので早く報告へ参りましょう。」
「なっお前…」
「驚き方まで少なくて、本当につまらない方ですね。殿下が陛下のもとへ行く気がないようなので、私は1人で言ってきます。殿下は先程から放っておかれてお可哀想なその女性と新しく婚約でもなされたらいかがでしょう。」
私は放心状態の殿下を放っておき、陛下のもとへ向かった。
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