プロローグ
初投稿です。不定期更新になってしまうと思います。
誤字の指摘や読みにくいなどの意見、お待ちしています。
それはまるで子供向け番組に出てくる、ビー玉を転がす大そうな装置のごとく
不運が重なった結果だったらしい。
僕は小野陽色。どこにでもいるような普通の17歳。
だったはずなのですが僕は今、一面真っ白な現実味のない空間にいます。
「ンゥンっ、ゴホ・・・よく来たのぅ」
「・・・っ!?」
驚いて振り向くと、妙にファンキーな恰好をしたお爺さんがいた。
「ワシはヴァイシュ・クルス。この神界で創世神をやっとる」
え、ちょっと待ってください理解が追いついてないです!?
確か創世神って一番偉い神様ですよねえ!?
「混乱しておるようじゃが、安心せい。ゆっくりと説明してやるわい」
その胡散臭い恰好の神様が言うには――――――――――――
1、当初の目的は僕を含めてひとクラスの生徒を丸ごと【転移】させること。
よくあるライトノベルのような、支配を企む魔王を倒すためらしい。
2、その転移のための準備の途中、見習いの天使がミスをやらかしたそうだ。
転移を行う用に溜めた神力・・・とかなんとかという力をうっかり
その天使が解き放ってしまい、こちらの世界にほんの僅かだが神力が落ちた。
3、僅かな神力は、学校近くの公園で親子が遊んでいたボールに当たって消えた。
転がったボールを拾いに向かった父親が、自転車とぶつかってしまい転倒。
4、倒れた父親を避けようとしたトラックが、ハンドルをきり損ねて電柱に衝突。
その衝撃で壊れた何かの部品が近くの線路まで飛び、そこを電車が通り脱線した。
5、脱線した電車はものすごい勢いで、僕や他の生徒のいた教室へ突っ込んだ。
6、神力の力なのかわからないが、死亡したのはそのクラスの生徒のみだった。
これ幸いと【転移】の準備を【転生】に切り替え・・・―――――――――――
「この神界に魂を召喚した。ぁー・・・どうじゃ?理解できたかのぅ?」
と、苦笑いを浮かべる神様。そうかぁ・・・クラス転生・・・って、あれ?
ふと、周りを見渡すがお爺さんと僕以外に、ここには誰もいなかった。
「ぁっ、あの・・・他の人は・・・」
「あぁ・・・うむ、おまいさんなぁ。左腕は骨折、右脚は車体の下でつぶれ、
折れたイスのパイプが腹に刺さっとったのに・・・よくもまあ瓦礫の中から
抜け出て外に向かおうとしたのぅ」
えーと・・・まあ、死にたくなかったから・・・ですかね。
同じ部活の女の子にラブレターを出してたので気になってしまって・・・。
「まあ、そうしておまいさんが足掻いていた結果、死ぬのが一番遅くてなぁ。
おまいさんの魂が来たのは、他の者達の魂を転生させた後だったんじゃよ」
わあ、僕って意外とタフなんだ・・・って神様?どうして土下座の体制を?
え、何・・・すごい不安。神様が土下座ってすごい不安感だよ!?
「だから・・・という訳ではないがその、すまん!用意しておいた転生者用の
種族リストや低階位のチート、他の神の加護までなーんも残っておらんのじゃ」
・・・え?本気で言ってます?