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――それは
まるで眠るように死んでいく――夢
まるで夢の中に還っていくような――眠り
それは無数の流れ星のように瞬く走馬燈のよう
我が子を抱き
未亡人となり
その背中を見送り
孤独で生活を真摯に護り続け
無常の中に守った日常を最期に
仰ぐ星の彼方 空のような無音の足音を残し
森のような深淵の沈黙に眠る
その表情は―まるで夢の中に還っていくかのようで
日常に何も残す物が無かったかのように淡く
そして瞬く星空のように安らかで
そして永遠の青空のように清らかだった
その傍らに――娘だろうか
涙を溜めて 微笑みを湛え
そして穏やかな時に包まれた姿があった
それはまるで…一つの絵画のような静謐さを湛え
しかし果てしない空のように―どこまでも美しく
まるで死さえも優しく舞い降りるかのようだった
彼はいくつかの場面から一つの想いを選び取る
それは彼女が我が娘を抱きしめた姿でも
孤高に生きた姿でも
あるいは気高き眼差しでもなかった
それは死に際に両手を温かく包み込まれ
幸せそうに目を細めた―彼女の刻だった