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彼女が言葉に出会った時

想えばそれが全ての始まりだったのかもしれない


言葉は彼女にとってただの言語というだけではなく

確かな手触りと温もり そして彩りを伴って胸に迫り来るものだった


ゆえに喜びは眩く しかし悲しみは痛むほどに胸を覆った

しかしその感覚は他人と分かり合えるようなものではなかった


ずれは年を重ねる程に明らかになっていく

そういう意味では彼女は言葉を知り―操れる頃から孤独だった


そのきっかけを彼女は覚えていない

ある時彼女の心が何かで溢れた―それは突然にして

圧倒的な現象だった


鳥が羽ばたくように 魚が泳ぐように

呼吸や鼓動が自然なように それは心に産み落とされた


夜が明けて太陽が昇るように

あるいは陽が沈んで星が満ちるように


言葉が心の中で確かな実感となって

自らの世界を彩るその創造に

彼女は魅せられた


それらは一列なりで描かれた境目無き空と海のように

あるいは境界無き水彩絵画のように

それは心に描き出した世界そのものだった


その時彼女は知る

出逢いの高揚や喜びだけではなく

痛みや悲しみさえも その闇をもって輝きを放つことを

言葉が心の中で確かな実感となって自らの内なる世界を彩る


―それが彼女にとって詩の始まりだった

それは孤独から伸べた手のように

より光へと近づいていくための歩みのはずだった

しかしそれは―頂のない彼方を歩む道でもあった



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