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もう陽が沈んでいってしまう―
あの雲の形も移ろい全く違う形となっていく―
―なんて…この世界は儚いのだろう―
彼女はもう一度空を見上げる
同じような日でも同じ陽は二度と無く
揺れ動く花もまたその姿は違うというのに
そして行き交う人を見て
―そのことに―空の移ろいを記憶に留めていく人なんて…
どれだけいるだろう―想いを馳せてみる
考えれば考えるほど 自分が特殊で異質なように思えて
――生きていく場所を
―見失いそうになる…
考えを振り払うように足に力を込めた
彼女に気づいて打ち解けた表情に変わった店主に
彼女も自然と笑顔が綻んだ
彼女は包みを解く
それは先ほど空を写し取った絵だった
歓声を上げて
店主はまじまじと眺め
目を細めた
彼女は聞きたくて仕方がない
あなたはその瞳に何を見たのかと…
知りたいというのに
誰もそれを答えられる人はいない…
微笑む店主の隣で彼女は唇を噛んでいた
それはこんなにも嬉しいはずなのに
どうしてこんなにも虚しくなってしまうのだろう…
…触れられない…
―届かない―…
それは彼女という―絵に救いを見出した者にとって
果てしなく高く聳える壁のようだった
―それでも…彼女は幸せに思う
その瞬間だけかもしれない―それでも―その微笑みと眼差しが
自分の手がけた作品に向けられていることを
自分の作品を喜んでくれる誰かの存在は
果てしない孤独の中で確かに出会えた温もりのようだった




