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第二話 -7

朱伽の救出は、巧達にもすぐに連絡が入った。

三森からの電話に、集まった全員がほっとする。


「で、行くんだろ?」


「うむ、攻勢に出る時がきた」


双の問いかけに、なずなが答えた。


「三森殿から場所も聞いておる。また向こうが隠れてしまう前に、一気に叩くぞ!」



巧、かなめ、白宗、なずな、双、テマリア、ハクシラ、ソージュの八人は、すぐさま朱伽が監禁されていた場所へと向かった。瑞穂、陽芽、ナミクーチカ、パルティネ、なつめは留守番である。

そもそも、敵が三人ということを考えるとそれでも多いくらいだ。が、敵の力は未知数。用心しておいて損はない。


古びた研究所が見えてくる。朱伽が監禁されていた場所だ。

その建物の外に、三人はいた。


「あら、ぞろぞろとおそろいで」


サラは余裕を崩さない。


「こそこそと隠れおって……じゃが、もう逃がさぬ」


巧、かなめ、白宗がサラと、

なずな、テマリアが静春と、

双、ハクシラ、ソージュがりんねと対峙する。


「ちょっと落ち着いてよ。話し合いで解決しましょ?」


「何をいまさら…………朱伽が受けた苦痛の倍は受けてもらうぞ」


「まぁまぁ、そんなに怒らずに」


サラが静春から携帯を借り、どこかに連絡をする。


「そういえば(ほこら)ってさぁ――」


サラが嫌な笑みを浮かべながら、


「誰でも壊せちゃうよね」


つぶやいた。


同時に風が巻き起こり、巧達八人とサラ達三人を半球状の風の壁が包み込む。りんねのしわざだ。


「……ん?どういうことだ?」


「おぬしの頭の中は筋肉かアホ宗っ!つまり、やつらには他にも協力者がいたということじゃ!そしてそやつらが今、祠に向かっておる!その間、わしらを足止めするつもりじゃろう。そのための風の壁じゃ」


「そりゃまずいな。…………あの壁も簡単には通り抜けられねぇだろうな。壁というか、ありゃ刃だ。触れば切り刻まれる。おい双、あれ吸収して消せねぇの?」


「無駄だろうな。風の刃の術を何重にもかけて壁を作ってる。少しずつ消すことは出来るが、追加で術をかけられたらキリがない」


「…………よし。陽芽達に連絡はしておいた。が、残ったやつらでは厳しいじゃろう。双、おぬしだけなら絶対回避で抜けれるじゃろ。季里湖の祠へ向かえ。あそこだけは術をかけてそう簡単には破壊されないようにしてある」


「あいつらとやり合った方が楽しそうなんだがなぁ」


「双っ!」


「はいはい、わかってるよ」


双が下がり、平然と刃の壁をすり抜けていく。


「…………逃がしていいのか?」


つぶやいたのは静春。


「あれは止められない」


りんねが答える。


「ま、一人くらい逃がしても問題はないでしょ」


サラが刃機(じんき)を構えた。


「さぁて、んじゃちょっと遊ぼうか」

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