表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
4/5

第4話 すれ違いと衝撃

新居がたまたま同じ小玉郡!?

趣味も同じでお互いにスポーツをやっている…


接骨院に通い始める前にほぼ決まっていた引っ越し先がまさかのご近所!?

まるでドラマのような出来事に思えて未だに信じられない。


ご近所同士なんて考えただけでドキドキ…


頭の中が彼のことでいっぱいで、こんなドラマのような出来事も人生始まって以来だった。


結局昨日と一昨日、落ち着かせるために2時間も河川敷を歩いてしまった。


帰ったのは0時前だったかな。


日付が変わり、今日は16時に接骨院の予約が入っている。


ドキドキソワソワしながら待合室で待つ。

私は本当に恋をしてしまったのかもしれない。


「こんにちは!!」


今日も神山さんの笑顔は素敵だった。

ベッドにうつ伏せになり、施術が始まって少しの間無言だった。


また静寂を割くように神山さんが信じられないことを口にする。


『昨日の夜…河川敷にいました?』


ん??!!…

それはどういうこと?!!


脳内がフリーズする。


谷川『え!?』


笑う神山。


谷川「えぇ!?」なんで?笑


驚くわたし。


神山「じゃあ行ったってことですね!昨日河川敷に走りに行ったら谷川さんが居るって思って…」

「上下黒の服でしたよね?!直前までわからなくてびっくりしたんですけど後ろ姿で谷川さんだぁ!って思って(笑)」


私「あんな真っ暗なのに後ろ姿でわかるの?!

昨日もたまたまあそこの河川敷に行っただけなのに!笑」



神山「え!そうなんですか?!」


わたしは内心、すごく嬉しかった!

やっぱり神山さんだったんだ!!って。

奇跡としか言いようがない。

心の中だけでは運命としか思っていなかった。


神山「僕も滅多に行かないしかなり久々に行ったんですよ!そしたら谷川さんが居て!!それに両神山も行くしその前に走っておこうかなって。」


神山「しかも自宅からあそこまで繋がっていて、往復で12キロくらいかな?」


私「12キロ!??仕事のあとにすごい体力ですね!!」


情報過多で頭プチパニック。

普通そんなことあります!??

何もかもが運命的すぎて私はこの人と出会うために腕を痛めたのかと思うくらいだった。


自宅から往復12キロのコースで、私とあの時間にすれ違う可能性ってかなり低いはずなのに…

何かがズレていたら絶対に会うことはなかったのに…


言いたいことも聞きたいこともたくさんあるのに言葉がでない。

ただただ『衝撃』でしかなかった。



しばらく無言が続いてしまったので、私は気になっていたことを質問した。

「神山さんはなんで美里町なんですか?」


「んん〜、新築だったから?」

と少し笑いながら言う。


「えっ結構単純な理由なんですね」

と私が笑いながら言う。


「だって新築のがよくないですか?!」


たしかに。

(もっとまともな理由があるのかと思った)


「家賃も新築の割に安くて!」


って言うものだから聞いてみたら確かに相場よりは安くて少し羨ましいとさえ感じた。


だからと言って気軽に住める家ではないと感じていたしそれだけ仕事が軌道に乗っているのだろうと思った。


「私の住んでるとことは雲泥の差ですね!」


「えぇ?…谷川さんはなんで小玉郡に?」


「 あ〜…えぇ〜っと〜…」


(私は今は、接骨院の近くに住んでいるが小玉郡はそもそもとなりの県.。つまり接骨院の場所から神山さんの自宅と私の引っ越し先は隣の県のためそもそも自宅が近所になること自体が不思議なことなのだ)



私は色々な想いがあって引っ越しを決めた。

過去のことから遠ざかり心機一転させるために。

そして開業して半年経つ仕事に集中するために。


色々と話しづらいこともあり、神山さんには言葉を選びながらもはぐらかすように答えた。


「ここにはあまりいい思い出がなかったのと環境を変えたいなって思いまして…」

「あ!それに実家も鎌ヶ谷市なんで少し近くなるんです!」

と雰囲気を暗くしないようにと少し明るく答えた。


「ご実家、鎌ヶ谷なんですか!」


「そうなんです!」



「こっちにはいい思い出がなかった?」


「はい…」



少しの間無言がつづく…

何か考えてる?


そして少し落としたトーンで彼が話す。


「忘れたい過去ってありますよね…」


ん??

神山さん?

もしかしてあなたも何か…



「生きてれば色々ありますよね!」

私は明るく返した。


「そうですよね。」


さっきのは何かを匂わせる言い方だった。

でも私はそれ以上は聞かなかったし自分からも答えなかった。



今はそれを聞きたくないし話すタイミングではないと感じたからだ。

なんとなくお互いにそんな空気感が漂っていた。



「マズイ、話題をそらさなくちゃ…」

このまま微妙な空気で終わるよ…


なんて思ってたら施術終了でいつもの電気治療。


毎回タイミングが悪い。


いや、むしろそれで良かったのかもしれない。

と電気治療中の約15分間の間に考えていた。

下手したら口を滑らせて余計なことを話していたかもしれない。


その場の雰囲気や空気に流されてあまり言うべきではないことを口走ってしまうクセがあった。

あちらは仕事なのだからこっちが首を突っ込んではいけないのだと肝に銘じなくては。


そう言えば神山さんはあさって"両神山"か。

次会うのは来週になるからどうだったか話を聞けるかな♬

一応前日にメッセージを送ろうかな。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


登山前日のメッセージ


「こんばんは!」

「明日両神山行くなら気をつけて楽しんできてくださいね!無事を祈ります!」


神山さんは絵文字つきで丁寧なお返事をくれた。

彼なら体力的には余裕だろうけど心配性の私はとにかく無事を祈った。





評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ