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第2話 偶然の一致??

何回も通っていると神山さんとも色々な話をするようになっていた。


私が自営業を営んでいること。

卓球のサークルに入っていて以前はチームを運営していたこと。

釣りが趣味なこと。

過去に登山をやっていたこと。



驚いたのが神山さんも登山と釣りが趣味で、バレーボールの社会人チームに入っていた!!

私も驚いたが神山さんがとてもいいリアクションだった!笑


「自営業ですか?!業種は?!」

「卓球のチーム?!運営?!」

「釣りやるんですか!!?」


いやいやいや、こんな偶然あるんだ…



何かが噛み合ったような、急に親近感が湧いてきた気がする。

もしかしたらどこかで会ってるかも?なんて考えていた。


神山さん「釣りは去年始めたばかりでまだ初心者なんですけど先輩に誘われてたまに行ってるんです!!」


「それって渓流釣り?」


神山「そうです!川ですね!」


メインでやっている釣りのジャンルまで被るだなんて…


私がやっている釣りは幅広いけどメインはルアーでの渓流釣り(ネイティブトラウトフィッシング)だ。

山の中で自然に囲まれて釣りをするのは最高に気持ちがいい。


*ネイティブトラウトフィッシング

自然渓流や湖などの自然の中での釣りを対象とし、マスやイワナ、ヤマメなどの渓流魚釣りを総称したもの。


その後も雑談に花が咲き、神山さんは色々なエピソードを聞かせてくれた。

その時間がすごく楽しくて、久しぶりに趣味の合う人に会えたのがすごく嬉しかった。

釣りをする人はたくさん居てもジャンルが違ったりすると話が合わないからだ。



神山「渓流釣りはなんだか忙しくて、のんびりやるのが僕は好きかもしれないです。海とかいってみたいなぁ。。。」


「海いいですよ!何が釣れるかわからないのが海の面白いところです!」


(神山さんと海釣りとか絶対楽しい…)


「えぇー!なんか楽しそう!」

「ほんと釣りは素人なんで何もわからないんですけど自然の中って癒されますよね!」


ここは誘うべき?むしろ誘っていいものなのか?

いや、まだ誘うのは早いか。

海釣りに興味持ってくれるのは嬉しいけど心の中ではどうしたらいいのかわからなかった。


谷川「わかります!すごく癒されますよね!海、行く機会があれば是非やってほしいです!」


神山「すごい行きたいです!」


谷川「是非是非!!」


結局誘えなかった…


「………。」


少しの沈黙が続く。

なんだか心地よい。


お互いに何かを考えているようなそんな時間。

音楽が流れているのに鼓動が聞こえてきそうなくらい静かな空間に感じる。



そして彼が沈黙を破るように口を開いた。



神山「そう言えば登山やってたって言ってましたけどおすすめの山とかあったりします?」


(おぉ、山の話しか)


谷川「あります!!」


「鎖場とかがある結構キツめの山なんですけど…」


神山「え!鎖場行ってみたかったんです!!どこですか?」


※鎖場(くさりば。足場が悪く不安定な場所や滑落の危険がある場所に鎖が設置されており、鎖を使ったり使わなかったりして難所を越える。難易度によってはかなり危険。)


「秩父にある両神山(りょうかみさん)です!」


神山「秩父ですか!?週末どこ行くか悩んでたからそこにしようかな…」


谷川「私は初心者なのにそこに行っちゃって10時間かかりました…」


神山「10時間?!!そんなに!?10時間…」

「それは明るいうちに下山できたんですか?」


谷川「下山する頃には暗くなっちゃって、ライトとかも持っていかなかったんでスマホのライトを頼りに歩いたんですがそれでも暗いから何回もつまづいて、なんとか下山しました…」


「体力あるならかなりおすすめですので是非行ってみてください!」


「ありがとうございます!帰ったら調べてみますね!」


「是非是非!!」


(今日は是非ばかり言ってたな…)


神山「じゃあうつ伏せで電気かけます!」


ここは施術の時間が長めなのにいつもあっという間に終わる。

そしていつも思うがたくさん会話はしているのに施術も的確で時間もぴったりでこの人は仕事ができる人だなといつも関心する。

カーテンの向こうでは神山さんは忙しそうだがいつも冷静に他の患者さんの対応をしている。

(その切り替えの早さもプロ意識がすごいなぁ…)


電気は15分くらいだが話したことを振り返る時間にはちょうどいい時間となっていた。


『いつか一緒に釣りも登山も行けたらいいな…』


この人と話していると、笑顔を見ただけで胸が高鳴る。

施術中、彼の手の感触や体温がすごく心地いい。

言葉や仕事の丁寧さ、プロ意識全てに尊敬する。


常に冷静だけど急にテンションが上がったりたまにタメ口になるところがとても可愛く感じていた。

ルックスも背が高くてスラッとしていてクールで俗にいうイケメンなのに実際に話してみると全然違う面白さがあった。


私はこの人のことをもっともっと知りたいと思ってしまった。







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