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第10話 夏の終わり

8月の後半。


花火大会を境に自分の気持ちはずっとソワソワしていた。

好きな人ができたのは当たってる。

でもこのまま夏が終わってしまうのがなんだか寂しかった。


あれから何度も河川敷に行った。

でも彼に会うことができなかった。


接骨院でしか会えないなんてなんだか寂しかった。

やっぱり患者としてしか見てないんだよね…


ついネガティヴになってしまう。

これだから恋愛は苦手なんだ。

この感情に支配されるこの感じ、私ばかりがあいたくて寂しくて涙する日々がすごく嫌だけどそういう自分も嫌いじゃなかった。


なぜなら、楽しいから。

「恋は盲目」という言葉があるように、頭の中は常にお花畑で毎日が楽しかった。


キツイ仕事も運動もダイエットもめちゃくちゃ頑張れた。


恋ってすごいな(笑)

冷静になると客観的になれるのにのめり込んでいるときはなにも見えなくなる。


神山「こんにちは!」

私「こんにちは!」


神山「花火大会行きました?結構良かったみたいですね!」


出た!花火大会。

結構良かったみたいですね。って神山さん行ってないのかな?


私「行きましたよ!」


神山「行ったんですか?!歩いて?」


私「行きました!歩きと走りで(笑)」


神山「歩きと走りって(笑)じゃあ往復10キロくらい?」


私「確かそのくらいですね!でもその日が体調悪くてギリギリまで行くのためらってたんですけど、行かないと後悔すると思って、19時20分頃家を出ました(笑)」


神山「体調悪いのに行ったんですか!?さすがですね(笑)」

「後悔って……5年ぶりだからですか?」


5年ぶりもあった。

1番はあなたに会いたかったから。

なんて口が裂けても言えない。


私「……そうですね!」

「うちの方も田んぼだらけだから結構綺麗に見れましたよ!神山さんは行ってないんですか?」


神山「そうなんですね!自分、その日バイクでマックに行って帰りに花火上がってる〜と思ってちょっと見に行ったんですけど10分くらいしか見なかったです」


え、10分だけ?

しかもフラッと的な(笑)


私「10分くらいしか見なかったんですか(笑)どこで見てました?」


神山「橋の近くの河川敷のとこですね!谷川さんはどこで見てました?」


すごい近くに居たんだ。

私が勇気を出して進んでいたら彼に会っていたかもしれない。

わたしのバカ。


谷川「橋の手前の信号近くの農道で見てました(笑)交差点のとこ結構人が多くてあの中に入るのヤダなぁと思って手前で見てました」


神山「えっ、そうなんですね!確かにあの人混みは入りたくないですよね。自分もすぐに帰っちゃいましたし…最後まで見てたんですか?」


谷川「最後まで居ましたよ!こっち側も結構農道で見てる人多くてここで見ようかなって決めてたとこも先客が居て。」


神山「うちの方も結構わき道で見てる人多くて、セブンのとこのデカい石があるとこわかります?」


谷川「セブンしかわからないです(笑)」


神山「えっと、セブンの近くにあるんですけどそこが人気スポットみたいですごいたくさん人がいたんですよね。」


谷川「やっぱ5年ぶりだからみんな気になってたんですかね?(笑)」


神山「そんな感じですかね(笑)」



なんか神山さんらしいっちゃらしい会話。

君に会いたくてとか言わなくてよかったぁー!


温度差半端ないし…


完全に片思いを悟った私だった。

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