-ヒロインを倒して聖女になりました!-第2話【9/10】
改行、推敲しました〜
登場人物名も変更!
広場に出てくると、大きな歓声があがった。
「聖女様、万歳!」「この国は安泰です!」
「皆様、ありがとうございます。もっとお役に立てるよう、精進してまいります。」
民と話していると、ティアラ・・・いやリリーがやってきた。
「これより、公開処刑を行う。我が騎士団の騎士団長に無礼を働いたこと、聖女だと虚偽の発言をしたことから火炙りの刑とする!」
「騎士、ちょっと待って。彼女と話がしたいの。」
「・・・分かりました。聖女様のご厚意により、悪女リリーに弁解の余地が与えられた!」
私は、リリーの眼の前に立った。
「リリー。どうして聖女だと言ったの」
「だって、私はヒロインだもの。私が聖女になるなんて当たり前じゃない」
「でも、結局聖女は私だったわよ?」
「っ・・・」
「ねえ、リリー・・・じゃなくてちゃんと名前で読んであげたほうが良いわね。・・・ねえ藤原。どうしてあなたもこの世界にいるの」
「あんたが自殺してくれたお陰で悪事がバレそうになったのよ。だから私も死んだの。」
藤原とは、私が前世のときに私をいじめていた女のことだ。どこだかの跡継ぎ娘だと威張っていたため、「自由に仕事を選べないなんて可哀想」と言ったら、逆鱗に触れてしまったようで、それからいじめが始まった。
「でも残念ね。ここにはあなたの味方は誰もいないわよ?しかも自分で火炙りを希望するとか・・・頭おかしいのね、あなたは。」
「私はおかしいの。火炙りのほうが良いなって。」
「・・・そう。 騎士、いいわよ。」
「これより、リリーの処刑を開始する。」
・・・ん、何かが変だ。リリーが大人しく死刑を受け入れるはずがない。
ナフィンも彼女は抵抗しなかったといった。絶対におかしい。何かがおかしい。
ー「私はおかしいの。」ー
もしかして、彼女を普通に殺すと、なにかが起こる・・・?
「死刑執行!」
火がつけられる。もう間に合わない。
「臼井、あなたの負けよ」
まずい。なにかの毒を体内に含んでいるかもしれない。
リリーの四肢が燃える。すると急に紫色の気体が辺りを覆った。
「っ、これは・・・?!」
これは誘惑の毒。これを吸ったものは毒の発生源の言うことになんでも従ってしまう。
「まずい・・・」
早く毒をとかないと。でも、どうやって・・・?
ー「聖女の力はどんなものも汚れを落とします。」ー
昔、家庭教師が言っていた。
なら、やるべきことは一つ・・・
「女神よ、この地の穢れと元を浄化して!」
魔法が攻撃魔法と治癒魔法しか分からないため、ダメ元で魔力を注ぐ。
すると、辺りに強い光が光った。
眩しくて目を瞑る。
するとふわっと後ろから温かい感触が。
「ペネ」
「で、殿下!」
そう、カイラスがいたのだ。
「沢山魔力を使ってたけど、大丈夫?」
「え、そんなにつかぃ・・・」
目眩がして、倒れる。
「ペネ、ペネッ!」
カイラスの叫び声が聞こえるが、無情にも私の瞳は固く閉じられた。
《ペネロペ・エカルト様。リリーは気体となって逃げました。しばらくすると身近な人に憑依し、襲ってきますのでご注意ください。 そして、隠しルートからも外れましたので、解説はここまでとなります。あなたは必ずハッピーエンドにたどり着きますので、自分を信じて進んでいってください。》
ここはペネロペの無意識空間。何も無いそこに、突如ゲームウィンドウが現れた。
・・・え?隠しルートから外れた?
ハッピーエンドにたどり着くなら、頑張ろう。
今までだって、ゲームウィンドウ無しでここまでやってきたから、大丈夫。
ん、声が聞こえる・・・?
「ん・・・」
「ペネっ!大丈夫か?!」
目が覚めると、見慣れない天井が視界いっぱいに広がり、カイラスの声が聞こえる。
「ちょっと待ってください、いま起きます」
起きようとすると、目眩がして倒れそうになる。
すると、カイラスが優しく支え、腕の中にすっぽりと入ってしまった。何故か、ドキドキする。
「無理は禁物だ、ペネ。」
「で、殿下!離してください」
「いや、このままでいい」
「殿下!離してください!」
「皇太子の命令だぞ?逆らうのか?」
「っ・・・」
それは職権の乱用です!と言いつつ、仕方ないからそのままでいることにした。
「ちなみに殿下、ここって・・・?」
私の家でも、皇城でも見たことがない内装の部屋だったため、カイラスに聞く。
「ああ、ここは俺の寝室だ」
「ってことは・・・?!」
私、カイラスのベットに寝てたってこと?!
「お嬢様は推理が上手ですね!」
変態!と言いたいが口を噤む。
「あ、そういえばリリーは・・・?」
「ああ、黒い気体になって逃げていったらしいよ。完全には消せなかったんだね。」
「ああ・・。」
ゲームウィンドウにもあったし、藤原の性格上、決着をつけるためにやってくるはず。
「私、リリーを必ず倒します!」
「なんで?」
「え?それは憎いからで・・・」
「でもペネは怒ってないし憎んでもないって言ってたよね?」
「っ・・・」
確かに、カイラスを納得させるために、嘘を言った気もする。
「ねえ、ずっと思ってたんだけど、ペネってペネじゃなくなる時があるけど、どうして?」
まずい、これは白状するべきなのかなぁ?
でも、隠しルートから外れてるし、シナリオがこれ以上おかしくなるのは怖いからやめておこう。
「そうですか?そんなことないと思いますよ?」
「・・・皇太子の命令だ。答えろ。」
ひゃ、カイラスこわっ!この喋り方、「狂人皇太子」って言われてるやつだ!
「殿下の命令でも答えることはできません。場合によって、私は死にますので。」
「じゃあ、リリーを消滅させたらでいい。言えない理由は、彼女だろ?」
「・・・。」
正解。と言いたいが、認めるのは嫌だから、黙る。
「じゃあ、リリーを消滅させたら、全て白状するんだぞ?」
「はい・・・・・・。」
嘘をつきづらい約束を作ってしまったようです。
こんにちは(❀╹▿╹)かにゃめです(ᐥᐜᐥ)♡ᐝ
今回は・・・
「氷結狂人皇帝に(元悪役令嬢の)私が溺愛されています 第二話-ヒロインを倒して聖女になりました!-」
の第2話でした〜ヾ(*´∀`*)ノ
ついに、リリーちゃんが倒されました・・・。
でも、しぶといリリーちゃんは・・・あの人に憑依しちゃいます( ̄▽ ̄;)
ちなみに「あの人」はもうすぐ登場します!
そして、カイラスくんがペネロペちゃんの異変に気づいてしまいます>”<՞ ՞ (鋭っ
リリーを倒したら全て白状する、という約束を作ってしまいました> <
でも、あそこでカイラスくんに前世のことを言わなかったペネロペちゃん、いい判断です!
そこで言っていたら、後で後悔しているペネロペちゃんが想像できちゃいます・・・
その先の話を書いているからわかります^^;
そしてそして、ゲームウィンドウ初登場!!
どうやら、エクレシアの薔薇の隠しルートからも外れてしまったんですって(◜¬◝ ; )
続きはぜひ本編でお楽しみくださいᥫᩣ ̖́-
このお話を読んでくださった皆様に感謝(ㅅ´꒳` )
かにゃめ☾⋆·̩͙⑅*