古書館
街を周りエルド達は街の古書館へ。
古書館という名前だが新書も売っている本屋だ。
ここに来たのは懐かしいからだ。
勿論魔法資格の勉強になりそうな本も見に来た。
とは言え資格の参考書はパメラが協会から持って来てくれる事になっているので必要は無いと言えば必要ないが本屋の親父は昔から知っている人なので顔を見にきたとも言える。
「いらっしゃ…お、エルドか?、久しぶりだな」
「久しぶりだな、ジャック」
ジャックは今年で60歳になる。
丁度エルドとは同い年だ。
エルドの魔王討伐の時代を知っている人物の1人である。
「お前さんが来るとはな、10年ぶりぐらいか?」
「そうなるか」
「で、今日はどうした?、まさか魔法を教えるとかいう類の話か?」
「良く分かったな」
「お前さんが前にここに来た時もそうだったろ?」
「そうだった…か?」
10年前パメラ達に魔法を教える為に教材を買ったのがこの古書館だった事を思い出した。
「ジャックさん、ご無沙汰しております」
「お?、パメラちゃんか」
「私もいるよージャックおじさん」
「ケシャもか、何なんだ一体?」
エルドはジャックに事の経緯を伝えた。
「なるほなるほど、教師資格か、しかし…」
「しかし…何だね?」
「ここで本を買う必要はあるまい」
「必要ない?」
「パメラちゃんが用意してくれるんだろ?」
「そうだが…」
「それで十分だ」
「そんなモノか?」
「お前さんがボケてもいない限りは必要ない」
「それはどういう…」
「まぁ、何にせよ来てくれたのは嬉しい事だ、どこに泊まってる?、ジュディには会ったか?」
「そのジュディの所に泊まっている」
「小山羊亭か、よし、今夜そこで飲もう」
「いいとも」
そう約束して古書館を出るエルド。
何か誤魔化された感じは受けるが詳しくは今夜に聞けばいい。
こうして一通り街を見て回って小山羊亭に帰る事にした。
「では私は教材を取ってきます」
「ああ、頼んだよ」
そう言ってパメラは小走りで去っていく。
「では私は小山羊亭に帰るよケシャ」
「ならば送ります」
笑顔で言うケシャ。
「いや悪いので私1人で帰るよ」
「悪いなんて、先生をお送りさせて下さい」
「そ…そうか、ならば頼む」
「はい‼︎」
目をキラキラさせて言うケシャ。
パメラといる時はアレだがエルドと2人の時は実に大人しく可愛らしい一面を持つ。
それでケシャと一緒に帰り道を歩いていると1人の若い男が声を掛けてきた。
「ケシャ、どこに行ってた?」
「どこにって?、今日は休みだから街をブラブラよ」
「誰だその爺さん」
「私の先生よ」
「何?」
「昔魔法を教えて貰った恩師よ」
「は、魔法使いか?、ダセェ」
男の言葉にケシャは眉間に皺を寄せた。
「もう一度言ってみな、ヘイズ」
「そうだろ?、魔法しか使えない奴なんてダセェじゃんか」
「消えな」
「は、何ムキになってんだよ?、本当の事だろ?」
ケシャは剣の柄に手をかけたがエルドが手で制した。
「いやはや確かに私は魔法しか使えない年寄りだ、すまないね、山に住んでいて街には疎くてケシャに案内を頼んだのだよ」
「は?、けっ…つまんねぇ」
そう言うと男は吐き捨てて去っていく。
「誰だねあれは?」
「私と同じ魔法戦士の嫌な奴です」
「そうか、しかし嫌な奴とはいえ余程でなければ剣を抜くのはいかんぞ」
「はい、すみません、気をつけます…」
師をけなされて余程の事もあるがケシャは謝って呼吸を整え上った血を元に戻した。
よく見ると前回投稿から結構時間が経っている事に気づく。
毎日投稿など夢のまた夢である。