魔法限定の資格
ケシャとパメラに朝早くから叩き起こされたエルドはそのまま朝食を食べる為に食堂へ。
「おや、おはようエルド、さすが年寄りは早起きだね」
「いや…ん…まぁ…」
朝から元気な声で喋るジュディとまだ寝たらないくて元気の無い声で言うエルド。
「お騒がせしております」
「おばさん、おはよー」
「おはよう、あんた達も食べていきなさい」
「ありがとうございます」
「ありがとー」
パメラとケシャがジュディの言葉に乗る。
そしてエルドと同じテーブルで食事をする2人の教え子達。
「そういえば先生」
パメラがエルドに聞いてきた。
「何だね?」
「試験は明後日ですが今日や明日はどうなされるのですか?」
「それだが今日は街を見て回りたいと思っている」
「そうですか、ならばご案内致します」
「え?」
「トルルの街も色々と変わりました、私が色々とした施設やお店をご紹介致します」
「あ…いや…」
1人で回るつもりだったが…。
「忙しいのではないか?、無理をする必要はないぞ」
「無理なんて…せっかく先生がいらしたのですからご案内させて下さい」
「ん…んー…」
ニコニコとした顔で微笑むパメラに嫌とは言えない。
「そ…それでは頼もうかな…」
「はい、嬉しいです先生、お任せ下さい」
「ちょっと待ったー」
「何かしら?、ケシャ?」
「私も付いて行く」
「は?、アナタは仕事があるでしょ?」
「今日は休みだよ」
「案内は私1人で十分です」
「いいや、アンタの知らない場所だってあるからね」
「そんな事…」
「ていう訳で先生、私も付いて行っていいですか?」
「ん…」
ケシャの勢いにエルドはどう言おうかと悩んだがとにかく2人の案内に任せる事にした。
「あ、先生、そう言えばいい忘れていた事があります」
「何だね」
「先生に受けて頂く試験ですが…」
「ん?、ん…」
言い忘れていた事…。
先程までニコニコしていたパメラが急に真面目な顔になった事で受験に何かややこしい事があるのではないかとエルドは身構えた。
「先生が受けて頂くのは『魔法限定』です」
「魔法限定?、それは一体?」
「現在魔法に関しての職は賢者と魔法戦士しかありませんが、特に魔法戦士に関しては魔法と戦士という全く異なる職が合わさったモノのため両方教えられる教師が揃っていない状況でして…」
「なるほど、教師も魔法を教える者と剣を教える者とでそれぞれ資格があるという事かね?」
「はい、魔法戦士の教師資格、魔法戦士の戦士限定、そして魔法戦士の魔法限定があります」
「確かに私は剣は教えられないな」
「はい、なので先生には魔法限定の教師資格を取って頂きます」
「分かった、まぁ頑張ってみよう」
テンプレであったとしてもスラスラと小説が書ける人は凄いと思われるのである、私には無理である。