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トルルの街

メリアドールから魔法を教えてくれとの依頼を聞いたエルド。

だが今現在魔法の授業がどうなっているのかを知るために住んでいる山より離れているトルルの街を訪れた。

トルルは当然メリアドールの住む街でもある。


「失礼するよ」


小山羊亭の扉をくぐる。

ここは大衆食堂兼宿屋だ。

ここには昔から知っている女将のジュディがいる。

案の定ジュディは食堂のカウンターにいた。


「おやおや、誰かと思えばエルドかい」

「相変わらずだなジュディ」

「はん、もう死んだと思っていたかい?」


そう言うとでっぷり太った腹をバンッと叩いた。

ジュディは今年で56歳。

40年前は細く華奢で美少女と呼ばれ10代の若者達のアイドル的な存在だった。

それが今ではすっかり当時の面影は無くなってしまっている。


「それで?、山に籠ってる爺さんが何の用事だい?」

「いやな、若い子から魔法を教えてくれと頼まれたモノでな」

「それで?」

「今はどんな魔法があってどういう感じで教えられているのか調べにきた」

「ああ、メリアドールだろ?」

「知っているのか?」

「知ってるも何も、メリアドールにアンタを勧めた1人は私だからね」

「そうなのか?」

「そうだよ、て言うか入り口で突っ立ってないで座りな」

「そうだな…」


エルドは適当なモノを注文して椅子に座った。

すると見た顔が話しかけてきた。


「エルドじゃねーか、久しぶりだな」

「マイケルか、元気そうだな」

「おお、元気よ」


マイケルは今年61歳の爺さんだ。

40年前魔王退治の頃にエルド達一行をライバル視して邪魔してきたチームのリーダーだ。

色々あってエルドとはそれほど仲が悪くない今は単なる昔語りの爺さんだ。


「魔法か?」

「そうだ、何だ?」

「お前が魔法を教えるって?」

「頼まれたのだから仕方がないだろう」

「お前の教え方は下手だからな」

「ほっとけ」


その後も喋る続けてくマイケルにジュディが追い払った


「爺さん、1人で飲んでな」

「へーい」


そう言うと隅っこで1人チビチビと酒を飲み始めるマイケル。


「おまちどうさま」

「ああ、すまない」


出された料理を食べ出すエルド。

しかし明らかに量が多すぎる。


「多くないかね?」

「昔のアンタならそれぐらいペロリと平らげたじゃないか」

「いや、10代の頃の話をされてもな」


そう言いながらも食べ続けるエルド。

やがて混雑していた客も捌けて一段落したジュディがエルドの席まで来た。


「まだ食べてんのかい」

「いや、明らかに量が多すぎだろ」

「そうかい?、ま、爺さんにはちょっと多かったかもね」


そう言ってカラカラと笑うジュディ。


「それはそうと魔法の事だが…」

「ん?、ああ、魔法ね…」


ジュディが言いかけた時に入り口からもの凄い勢いで中に入ってきた女性がいた。


「はぁはぁ…はぁ…」


肩で息をしている。

どうやら全力で走ってきたらしい感じだ。


「ちょうど良いタイミングで来たね」

「大丈夫かね?、あの子」

「ああ、大丈夫さ、アンタに会いに来たんだ」

「私に?」


エルドがその女性を見ると…


「先生、お久しぶりです」


大きな声で言ってズカズカと勢いよくエルドの座っているテーブルまで小走りで来た。


「ん?、先生…?」

「お忘れですか?、私です、パメラです」


パメラという名前に覚えがある。

確か魔法を教えていた12歳の女の子だったが…。


「パメラ?、私が知っているのは女の子だったが…」

「あれから何年経つと思ってんだいエルド」


ジュディの呆れた声でエルドは気づいた。


「ん?、ならば…もしかして…」

「はい、そのまさかのパメラです」


そう微笑む女性は昔の面影は確かにあったが見違える程に美人になっていた。


パメラ、10年前のエルドの教え子である。

現在は22歳で賢者協会の役員を務めている。

もう続かない、絶対続かないので続きは期待しないでください。

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