秘密 #2
予約投稿練習用の短編です。
女「ねえ」
男「ん」
女「私、約束を破ってしまったわ」
男「……一応聞こう」
女「私、新しい秘密を作ってしまったわ」
男「さっそくか。一体今度は何だい」
女「私、赤ちゃんができたわ」
男「……!? ……! ……」
女「あなた?」
男「…くっ、ははは。まったく、飽きさせないな君は。いいか、それは秘密じゃない。当然の帰結だろう!」
女「そうなのね。覚えておくわ」
男「勘弁してくれ。君はいつも完璧ぶってるくせに、ここで話すと途端にあどけない」
女「まあ」
男「さあ、そういうことなら通いは終わりだ。もう君を離さないぞ。会えない日なんか認めない。ここにいてくれ。ずっといてくれ」
女「あら、ライフワークを辞めさせたりはしないって言ったのに?」
男「確かに君の仕事場に俺は立ち入れないが、君はもうあの仕事をここからだってできるようになっただろう?」
女「ええ、できるわ。そうするわ。私、今はいろいろなことを感じるの。ここにいたいと思うの。あなたとこの子と私を囲むこの世界を、私のこの目で見届けたい。そう強く願うの」
男「いいね。もっと思いや願いをたくさん感じてくれ。それらをすべて話してくれ。そして一緒に叶えていこう、ここで」
女「ええ。あなたがいれば、すべてを感じることができそうよ」
男「愛してるよ」
女「愛してるわ」