ここは乙女ゲーの世界だったらしい
とりあえずお試しで一本完成させようと思って勢いだけで書きました(・ω・)
修正諸々は気が向いたらします…たぶん
キラキラ光美しいシャンデリアがこれでもかと輝く大ホール
そこには新たな門出を迎える若者達が楽し気に会話を楽しんでいる
私もそんな一人なわけだけども…
どうもこんちわ、昨今転生慣れした人達が大活躍してるらしい今日この頃
皆さまはいかがお過ごしでしょうか?
私は地方の田舎貴族の次男坊ながら学業はほどほどに領地経営のお手伝い等で頑張っておりました
…しかしながら、幾ら経済的に有望な領地に発展させてもそのお手柄は最終的に
領地を継ぐ長兄や父、あとは取引の窓口として動いている叔父にばかり行ってしまうため
わたくしロイド・ジェンキンス(18)王立学園卒業式パーティー当日である今現在に
至るまで、婚約者も恋人も挙句の果てに卒業後の就職先までないという、どうしようもない
状態でございます……何故こんな事にッ!
右肩上がりの領地経営で王家に献上する化粧品や酒食品等の開発もしたのにおかしいだろう!!
五つ上の兄には侯爵家と伯爵家から正妻と側室を貰っていて、妹も有力な伯爵家の長男と
婚約が決まっているというのに、何故俺だけ何も無いの! おっかしいよねえ!
ついでに叔父も年の離れたキレイな女の子を後妻に迎えている…爆ぜろロリコン叔父ッ!
就職に関しても文官武官どのルートも全滅だった
目立たないようにトップグループに入らないようにはしてたけど成績上位者には
ギリギリ入れていたんですよ、本当におかしい…何が起きているし…
あんまりにもあまりな状況に、一族で俺を領地で飼い殺しにしようとしてるのかと最近思っている
家族仲は悪くないはずだけど、もしそうなら縁切りして何処か別の土地に逃げるのも
やぶさかではない
とまあそんな状況なので、クラスの知人でちょっといいかなって思っている子に
今日のパーティーで告白しようとか思って少しソワソワしつつ
目当ての子を探しているのがけども…
パリンッ
というグラスの割れた音と共に先程まで賑やかだった会場の音が
潮を引くように静かになる…えっ何かあったの?と思い周りを見るが他の人も
俺と似たような顔で辺りを見ている、そんな中ホール中央からよく響く声が高らかに宣言した
「侯爵令嬢ヴィヴィアン・ドラガリア、今宵を持って其方との婚約を破棄する!」
…前世ですっごい聞き覚え…というか読み覚えのある有名なセリフが響き渡る
え、なに、この世界って乙女ゲーだったの?
いや乙女ゲー自体は全く知らないんだけどね?
悪役令嬢モノのラノベが転生前にちょっと人気だったんで知ってるんだけだよ?
しかしまさか、自分には全く関係ない断罪劇がタイミング良く始まるなんて
思いもしなかったね、ビックリだ
気付けばいそいそと野次馬しに件の現場に行っちゃう俺
いや見逃せないでしょ前世的にも今世的にも…という事で問題の場所の最前列に出た時には
断罪劇はかなりの盛り上がりを見せていた
「…これらの悪事、そしてか弱いエリナ・スターシアへの暴行など数々の行い
高位貴族として目に余る、恥を知れ!!」
学園でチラホラ見た事がある、すっごい美形の第二王子様が
これまた学園でチラホラ見た、すっごい美少女の女学生の肩を抱き
ビシィッと指を突き付けてる姿は一枚の絵画のように様になっていた
…しかしキラキラした超絶美形の人間が二人くっついてると顔面が眩しすぎて直視し辛いな
人間相手(しかも片方は第二王子様)にこの表現の仕方はどうかとは思うが本当にそうなのだから仕方ない
なのでキラキラから目を逸らしてある意味での主役である悪役令嬢様を見た
こっちも学園でチラホラ見た事がある、王子やか弱い令嬢様程のキラキラはないが
こちらも上級貴族で元(?)第二王子様の婚約者様なだけあってとても綺麗な人で
キツめの面立ちは若干野性味がありドラガリア(=竜)家の名を感じる
ちなみに王子達をキラキラ度5とするとヴィヴィアン嬢はキラキラ度3といった所だな
そして一般人のキラキラ度は基本0だ、もちろん俺も0だ、別にいいよキラキラなんて無くても人は生きていけるから…
と、まあそんな風に思ってたら更に事態は進展していたようで
何時の間にかヴィヴィアン嬢の周りにキラキラ包囲網が敷かれていた
「義姉上、ここまでです大人しく全てをお認めになって下さい
…私は貴女を姉等と思った事は一度もありませんが、それでも一応家族の義理として
悪いようにはしないと誓いますよ」
とキラキラ度5の黒髪の少年が厭らしい口調でヴィヴィアン嬢の自白を迫っている
口ぶりからして弟さんだろうが…いいんだろうか実家の問題にも繋がりそうな問題に顔を突っ込んで
しかも断罪側っていう色々引き返せない立ち位置で
「そうです貴女はその恥ずべき行いが、今まさに白日の下に晒されているというのに
口にするのはエリナ嬢への暴言だけどは、見苦しいにも程がありますよ」
黒髪少年の続いて冷えた声で追撃をかけるのは、やはりキラキラ度5の眼鏡の秀才様だ
彼は良く知ってる、テストのトップランカーで現宰相のお孫さんだったかな?
「ほんともーいい加減にしてよね、君はもう詰んじゃっているんだからジタバタせずに認めちゃいなって」
「まったくだお前みたいな性格の悪い女が、エリナに適うわけないんだよ」
「成績だけは良かったのに本当にそれ以外は酷い様ですよ君は…」
「………(コクリ)」
次々と他のキラキラ度5男性陣からヴィヴィアン嬢への追撃が止まらない
上から順に美少女かと見間違うような小柄な少年(たしか同級生だったはず…たぶん)に
騎士科のエリートで体育系のイベントで有名な人
んで次に魔法学科の講師で…うちの担任…アンタもかよ…
最後は東方からきた留学生だったかな
まあ、とにかく学園では割と有名なキラキラした人達だ
それから数分間王子様も含め喧々囂々と悪役令嬢への非難が続いた
しかし…まあ、最初は興味本位の野次馬根性で見には来たが…これは…ちょっと…なあ?
正直、彼女に対して虐めや暴行云々言ってはいるけど、この状況こそ虐めそのものではと
感じずにはいられなくなって少々居たたまれなくなってきた
渦中の人であるヴィヴィアン嬢は俯いてダンマリである…
そりゃ男7人に囲まれて怒鳴られたら何も言えんよなぁ…
しかもこんな俺も含めて卒業生の門出を祝う晴れ舞台の中で、王子の婚約破棄とか
きっと家同志の政治的なやり取りとかやってないんだろうなあ…
高位貴族の婚約破棄問題なんて相当な厄ネタだと思うんだけど、ソレを学園祭気分でやられてはたまらない
王子様達はもう自分達が主役になり切っていて、たぶん凄い気持ち良くなってるんだろうけど
……うーんほんと…
「余所でやってほしいよなぁ…」
と、ボソっと心の声が口から出てしまったその瞬間
偶然にも奇跡的にもふざけてんのかというタイミングの悪さで皆の声が止んだ一瞬の静けさの中に…落ちてしまったのである…
んんんんんんんんんんんーーーあああああああああああああーーー
やってしまったでござるよおおおおおおおおおお、ていうか何ていうタイミングの悪さ!ふざけてんの!
ていうか何、これ神の采配?もしかしてこの瞬間のために俺って異世界転生されてきたの!まじかよそんな気がしてきたわ
マジふざけんな、どうしよ、どうしよ、いやもう逃げるか?うん、逃げよう、秒でこの場から立ち去らねば!
すぐ逃げれば誰が言ったかって解らないってうんうん、大丈夫、大丈夫、うん大丈夫じゃないだよなー
俺、野次馬の最前列に居たわ無理だわこれ詰んだわーわっはっはっ(この間約0.5秒)
しかし本能とは賢いものでこの場から逃げよう!と俺の足が自然と後ろに下がろうとしていた、その時
キラキラ5×8人(か弱き令嬢含む)の視線が一斉に俺を見るのだった
あー詰んだーわー
「貴様、今何と言った?」
王子様ヒエッヒエッの絶対零度の視線と声で俺の発言を問いただしてきた
うえーやめてーごめんなさいー俺ただのか弱い転生者なだけの地方貴族の次男坊なんですー
吹けば飛ぶような子爵家の人間なんですーゆるしてー
「答えぬか」
うっわ、他のキラキラ5の視線も一斉にコッチきた…う、うむむむ…こうなって致し方ない
前世でとった杵柄、開き直ろう!そうしよう、ヨシ!!
と膝が小刻みに震えつつも、気を取り直し、顔を上げ発言しようとした時
今まで沈黙していたヴィヴィアン嬢が動いた
彼女は獲物を狙う肉食獣の俊敏な動きで王子の元へと近づき
強烈な意思を持って、か弱き令嬢であるエリナ嬢の顔へ強烈な一撃を叩きつけた
もう殴った方もかなり痛そうな超張手である、音なんてヴァシンッ!!ゴンッ!!である
最後のは張り倒されたエリナ嬢の頭部が床に叩きつけられた音だ、悪役令嬢マジやべぇ…
シンッと静まり返ったその一瞬がやたらと長く感じたが
その後の動きは早かった、殴りおえやる事をやった風のヴィヴィアン嬢を置いて
キラキラ5達はエリナ嬢へと駆け寄る、うんあれは中々ヤバそうな感じだったもんね
でも俺は助かったかもしれんからヨシ!(絶対顔覚えられてるだろうけど現実逃避だ)
とりあえず自分への追及が無いうちに今のうちにずらかろう、と思ったらまた目の前で事態が大きく動く
いや関係ない、関係ない、俺はもうさっさと帰るぞ、部屋に戻って今後の人生を考えるんだ
そう思って断罪劇の現場から顔をそらそうとした時、生暖かいモノが頬に飛んできた
「え?」
騎士科のエリート君がヴィヴィアン嬢を殴り倒したその返り血が飛んできたのだ…
「マジかよ」
激しく床に叩きつけられたヴィヴィアン嬢にエリート騎士君は更にマウントを取って殴ろうと覆いかぶさろうとしてたので
流石にコレはイカンだろうと思っていたら、僕ちゃんすでにエリート騎士君へ
全力のドロップキックをかましてしまっていた
やーっちまったーい!
エリート騎士君は見事にコーナー(料理テーブル)へ吹き飛んだ
ガッシャンガッシャンと料理やら飲み物のグラスがぶっ倒れる
勿体ねえ、料理してくれた人と食事を楽しみにしてた皆ほんとスンマセン
もうこれには周りの皆も目を丸くして俺に注目ですよ、もう逃げられないね!死んだわ俺!
とりあえず開き直ろう、前世の杵柄で!! ……ヨシ!!いややっぱヨシ!じゃねー
等と、くだらない脳内メンタルケアをしながら殴られたヴィヴィアン嬢の元へいく
同年代において中でガタイの一番良い騎士科の人間に殴られたのだシャレにならない
「大丈夫ですかドラガリア嬢?」
彼女の側へ寄り容体を確認してみると、顔の右半面に大きな痣になっている歯が折れたりしてるかもしれないが
それ以上の命に別状ないかが心配である
声かけに反応はないが、小さなうめき声のようなモノが聞こえるからまだ生きてはいるようだが急いで医者に見せるべきだろう
「給仕の者!急いで令嬢を救護室へ、それと医者の手配を急いで!!」
近くにいる給仕達へ急ぎの要件を大声で伝える、そこからは止まった時が動きだすように周りの人間達も含め大騒ぎだ
ドラガリア嬢が救護室へ運ばれると同時、後ろの方でエリナ嬢も救護室へ運ばれていった
勿論キラキラ5も一緒に会場から出て行った…1人だけを除いて…
とにもかくにも事後処理しないとである
継ぐべき家も土地も無いとはいえ貴族家の人間であるのでやる事をやらねばだ…はぁ虚しい…
「警備の方、すまないが会場支配人の元へいって王城とドラガリア侯爵家へ急ぎ使いを出してくれ、内容は両家の婚約問題で傷害事件がおき、ドラガリア嬢が昏倒された…で良い」
もう一方のヴィヴィアン嬢に張り倒されたエレナ嬢だが、スターシア家は法衣貴族の子爵家のはずだ
高位貴族からしたら吹けば飛ぶような下位貴族が問題の争点だったとか醜聞でしかないから伝えなくてもOKなのだ
とりあえず貴族の務めとしてはこれで良かろう…というか、このままパーティーからさっさと退散するかなー
…なんて思っていたら急に後ろから肩を掴まれ引き寄せられ、からの痛恨の右ストレートが俺の顔に飛んできた
そんなの避けられるわけもなく、ジャストミートである
俺は無様に会場の廊下へ吹っ飛ばされた
「テメエ、さっきはよくもやってくれたな…殺してやるぞ、オラッ」
野蛮かつ殺伐とした物言いで俺の目の前に立っているのは想像に難くない
キラキラ5の1人エリート騎士君である…が、一応高位貴族の端くれくらいの人間が
随分と恨み骨髄なギラギラした目で俺を見下ろしていたものだ
キラキラ度ちょっと下がってるよ…だいたい3くらいになってるゾ
それでもキラキラしてるのはやはり乙女ゲーのメインキャラ補正なのだと思っておく
…と、まあおどけた思考で気持ちを落ち着かせつつ相手を見返して、一応言う事だけは言っておく
「卒業の門出であるパーティーで傷害沙汰をおこすなど家名に傷が付きますよ?それでもお暴れにになられますか?」
まあすでにヴィヴィアン嬢相手に障害沙汰起こしてるんで今更なんだけど
一応相手の理性に期待して家名を盾に交渉はしておく
「ふざけんなよ、俺様に恥をかかせてタダで済ますわけないだろうがッ」
わーお、騎士科は血の気が多いのは知ってるが、これじゃあ下町のチンピラかよってくらい色々と酷い
「それになあ、あんな糞みたいな女を助けたお前も同罪だ、一緒に裁かれろ!」
ヴィヴィアン嬢事態の悪評みたいな噂は小耳に挟んではいるが糞とまで言われる程なのかと少しカチンとくる
というか侯爵令嬢相手に恐れ知らず過ぎるだろうと思った
まあしかし…戦闘修練を積んだガチムチの騎士科生が令嬢を殴り倒した時点で俺の中の"こいつは絶対許せないわリスト"へ堂々ランクインだ
ちなみに1位は年下の綺麗な女の子を嫁にした叔父である、爆ぜろ!!
「死ね!!」
死ねってお前…酷いってレベルじゃねえぞ
乙女ゲーのキャラが何の取柄もない、転生者ってだけのフツーの人間に向かって言うセリフじゃないぞ、そう思うだろ、アンタも?
ともあれ騎士科のエリート君の拳なんぞまともに浴び続けたら本気で死ぬので
ちょっと俺も本気だしちゃうぜ、能ある転生者は爪を隠すのだ!!
エリート騎士君は万力のような力で俺の胸倉をつかんで右手だけて恐ろしい程の威力のパンチを繰り出してくる、やべーツエーコエー
なんとか両手で顔だけは守りつつ、とっておきを練り上げる
エリート騎士君は頭に血が上ってるのか俺の魔力の流れに気付いていないようだが
彼も彼で無意識に身体強化の魔術で殴りが加速してきている
ヤメロー市街地での私闘における魔術の行使は重罪なんだぞ!!
まあ、私もやってますけどね!学園内は治外法権だからな!地獄だぜーフハハハ!
よし、出来たッ!!
「いい加減くたばれ、糞ゴミカスがぁぁ!」
もう本当大変な事になってるよセリフも顔もキラキラ度マイナスいきそうだよエリート騎士君
そんな彼の剛腕を避け、首と左手で固定、胸倉を掴んでいる左手も右手で固定する、そして…
魔術を解放した
「燃えろ、薪木として、灰になるまで」
瞬間、エリート騎士君は全身を炎で覆われ火だるまになる
「なんじゃーこりゃぁぁぁ」
君にそのセリフは似合わないなーと思いつつ、火だるまに"なった"衝撃で慌てる彼の腕を外し蹴飛ばして離れる
火を消そうと慌てて廊下を転がるエリート騎士君、身体強化も使って炎の魔術を吹き飛ばそうともしているが
それじゃあ無理なんだなぁ…と呑気に見てる場合でもなく、い そ い で ー
逃ーげるんだぜぇーーーーーーーーー!!!
俺は火だるまのエリート騎士君をほったらかして馬車のあるターミナルに急ぎ
のほほんと休憩中の御者に学生寮まで馬車を出してもらい、即、自室に引き籠ったのであった
翌日
良き朝である、外は良く晴れ、気温も優しい暖かさだ、まさに新たな門出を迎えた卒業生たちに向けた希望の朝だ!!
昨夜の件さえなければなッ!!!
お布団にくるまりつつ昨夜の失態から、今日この部屋に逃げ込んだ事で完全に自分の身の上が
詰んでしまっている事に気付いたタメ、ベッドから出る事さえ恐怖のままただただ時間が過ぎていく
ヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイ
ヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイ
昨日の時点で荷物をまとめて城下町に降りておけば良かった、そして朝一でひとまず王都から脱出…
なんて出来るわけねー、どうせ城門で捕まるのがオチだぁー
ダメじゃんもう昨日の時点で詰んでるじゃん、終わりじゃん、ジャンジャン☆
いーやだー死にたくなーい、こんな時にスーパースゴイデスチート能力で
空間転移とかー空中移動とかー出来たらいいな、あんな夢、こんな夢…
いっぱいあったのになぁ…せめて恋のひとつくらいしたかったです
前世の俺も今世の俺も乙女の柔肌を知らずに逝くか……
猛烈な脱力感と虚無感が押し寄せてきた、やばい死にたくなってきた…うそ
やっぱり死にたくないです…激しい躁鬱に襲われておかしくなりそうだぁ
「あーもーもー乙女ゲーとかクソゲーふざけんなよもー!」
と、大声上げて布団から出た瞬間…
コン コン
キタ!死の予告キタコレ!お、おちつけ、開き直れー俺ーどうせ一回死んだ身だ
開き直るんだ、ヒッヒフーッ!!
「ハイ、ドナタデショウ?」
恐怖のあまり棒読みちゃんですよ開き直り失敗!
「朝早くに申し訳ございません、私ドラガリア家の使いの者でチューター申します
ロイド・ジェンキンス様には昨夜の件で旦那様から直にお礼をさせて頂きたいと言付けを承ってきました」
……え?騎士とか衛兵が俺を捕まえに来たんじゃないの?
とりあえず、ドア越しで会話は失礼なので、軽く身を整え扉を開ける
(扉を開けた途端に兵士がなだれ込んできて捕縛ーとか勘弁ですよ!)
「あの昨夜の件で俺は何かしらのお咎めに合うモノと思い待機していたのですが…」
扉の前に背は低いがパリっとした服を着こなした優し気な老紳士が居た
…この人たぶん侯爵家でもめっちゃ偉い人だわ、着てる服に付けてる小物が
使いっ走りの人間の物じゃねーもん、下手しなくてもウチの父親の正装より高そうだもん
「昨夜の件ですが…内外共に少し揉めておりまして、事態がまとまるには暫くかかるようです
それで、現在の状態やロイド様の身についてのお話ですが」
ソチラは旦那様から現状で解っている範囲でお話をお聞きできるかと思います
ですので急ではございますが、外出のご支度を願えますでしょうか?」
勿論、そんな大貴族様のお屋敷にお呼ばれするなんて、お こ と わ り ☆
なんて出来るわけもなく、木っ端貴族としてお受けするのであった
まあ断る理由がなんて無いんで勿論冗談なわけだが…
ともかく今すぐ牢屋に放り込まれたり首ポーンな事態にならずに済んで良かったよ
本当に…本当によかった…なきそ…
「解りました、急いで用意致します
ただ私は地方の田舎貴族なもので、身形や作法でご不快をかけるかもしれない事を了承頂きたく存じます」
最低限の礼儀作法はあるつもりだけど高位貴族のソレとか知らんからね!
もし不興を買って首ポーンされたら元も子もない…
「ご心配に及びません、ドラガリア家は武門の家柄でもありますので」
「礼儀作法についはそれほど五月蠅くはございませんので、気を楽にお持ち下さいませ」
という事で、慇懃に一礼するチューター氏に少し待ってもらい
俺は身支度を整えてドラガリア侯爵邸へ向かう事となった
んで侯爵家へ到着ー、したんだけど、侯爵家のデカイ事デカイ事うちの領主館なんて侯爵家の離れくらいの大きさよ?
え?本領の屋敷は数倍の敷地に倍以上デカイ建物だって?それってもう城だよね?侯爵家パネェーわー
それでまた内装も凄いけどカーペットが足音まったく鳴らないフカッとした踏み心地で
子供ならここに寝転んでキャーキャー言って喜びそうだ
ウチもある程度商売で成功して新築した割と豪華な実家があるが
グレードが根本的に違ってビックリだよ、もう俺は田舎者丸出しって感じでキョロキョロしちゃう
そして気づいたらドラガリア侯爵様の目の前に座らされておりましたよ、えぇ
それでいきなり侯爵様から深く頭を下げて礼をされちゃってフリーズ中ですわ
「この度はウチの娘の窮地を救っていただき、真に感謝する
娘が無事なのは貴公のおかげだ、本当に本当にありがとう!」
いや、確実にヴィヴィアン嬢は無事ではなかったと思うんだけど
とりあえず流れに身を任せて適当に喋っていよう、そうしよう
「侯爵様、お顔をお上げ下さい、私は侯爵様に頭を下げられる程の大した事はしておりません
どのような事情があれ力強い男性が女性を傷つけることなど許されません、私はそれに介入しただけです
もっといえば、ご令嬢が襲われる前に身を呈してお守りするべきでした、申し訳ございません」
実際に俺はただ野次馬であの場所へ近寄って、うっかりの失言で逃げ出そうとしていただけの
あまり宜しくない輩の1人で、侯爵様の頭を下げられて良い人間ではない
初対面だがドラガリア侯爵様は娘を愛していて、かつ身分が下の学生である自分などに
深く頭を下げられる様な出来た人なのだと思う
だからその真摯な礼が酷く辛い…胃も辛い…早く事情とか諸々聞いて帰りたい…うぅぅ…
とまあそんな感じで侯爵様の礼を受け取り、件の断罪劇についてとヴィヴィアン嬢の容体や
俺の状況について長々と聞いてみた所以上のような事になってるそうな
ヴィヴィアン嬢にはあの後、顔が腫れ上がり、顎骨に少しヒビが入っていたが命に別状はなく
回復術士のおかげで顔の腫れも収まり大事ないとの事、ただ昨夜の騒動で相当気力を失ったのか今だ昏睡しているそうだ
断罪劇に関しては相当揉めている…というかこの茶番劇を行った王子様達キラキラ5×8人の馬鹿っぷりに
各方面の人間が頭を痛め、どう処理するか難儀しているそうな
その実態は単純で、か弱き令嬢であるところのエレナ嬢を中心に全員愛があれば大丈夫!
と、詳しくはいえないが色々とご関係を持たれてたそうな、ちなみに子供も出来てるっぽい…
普通こんな状態で男達も含めて仲良く出来るのかよと思ったが、特に問題ないとの事
…スゲーな乙女ゲーって…いやフィクションの世界なら有りだと思うけどさー…
転生してこの世界を現実として生きてる自分にはとても複雑な感じである、が…
まあ自分には直接関係ないからヨシとしようなのだ!
ちなみにエレナ嬢、ヴィヴィアン嬢にぶたれた事を相当根に持っているようで
王子様にすがって罰しようとアレコレ言ってるようだけど
彼らも各方面からキツイお説教をされてる最中なのでソレどころではないだろう
あとはヴィヴィアン嬢の義弟(後妻の子で血の繋がりは無いらしい)の黒髪少年は
屋敷の地下にある反省房に叩き込まれてるとか
そして俺に火だるまにされたエリート騎士君だけど
彼にかけたあの魔法…実は派手に燃えてるように"見えるだけ"で実は低熱で
服をちょっぴり焦がしたり若干酸欠を起こしたりすのが精一杯の
攻撃力ゴミカス魔法なのである、その分低燃費でしつこく燃え続ける事が出来るという…
まあ嫌がらせ特化の魔法なのだ!
ソレを知った後に俺を呼び出して本気で殺そうと真剣を持ちだそうとしたそうだけど
親兄弟にボコボコにされて家の独房(自宅に独房!?)に監禁されたとか…真剣持ちだして殺すとか、マジこっわ!
いやほんとあのエリート騎士君だけ非常に残念な事になってるなぁー、と思うけど
女の子殴り倒したしね、しょうがないね、残念でもないし当然、うん
んで、ヴィヴィアン嬢が行ったっていう嫌がらせとか暴行?とかだけど
一部は確かにやっていたそうな、大まかには高位貴族でかつ王子の婚約者なので当然の行為と見なせるモノもあったが
幾つかは擁護出来ないような事もあったんだって詳しくは聞かなかったけど
まあ、ドラガリ家の人間少し気性が荒いのだと侯爵様も言っていたのでそのせいもあったのだろう
まあ俺に関係ないのでヨシ!
最後に俺自身についてだけど、これ重要!マジで!
ドキドキしながら聞いたけど結論として…「お咎め無し!」
というか
「事件を知らせてくれて有難うね!あとで何かご褒美上げるから待っててね☆」
だって…いやご褒美とか特にいらないっす、マジで
今回の件からスーッとフェードアウトさせて頂けたらそれでいいです、ほんとに
という感じでまあ大事にはなったが、牢獄にぶち込まれたり、首ポーンする事にならず本当に良かったです…はい
と、まあそういう事で後の事は自分には関係ないので、例のご褒美というのが若干嫌な予感もするけど
とりあえず無事生きて部屋に帰れる事となったのだ
あ、いえ侯爵様、用事が済んだので私はこれで…え?泊まっていってほしいって?
いやいやそこまでして頂くと逆恐縮してしまうのでこのままお暇を…
ヴィヴィアン嬢にはお体を大切にしとお伝えください、はい、はい、では失礼致します…
と、いうわけで無事生きて我が第二の故郷である学生寮へ帰還したのだったー
あー疲れたもー今日は飯食ってもう寝る!!
でもあれだなー振り返ると卒業パーティーで結局女の子へ告白も出来なかったし
料理も酒も何も食べられなかったなあーあーくそーもう台無しダヨー…トホホ
それから数日後、ついに第二の故郷の学生寮から退寮する日がやってきた…
あれから特に大きな事は起きてはいない
残された日数で飛び入りした就職活動はどれもダメで
卒業パーティーで告白出来なかった女の子に告白したが無事振られ
(当日同じクラスの男子に告白されてくっ付いたってさ!!)
俺は故郷の田舎領へ帰るため、少ない荷物をせっせとターミナルまで運んでいる
あーほんとあのパーティーのふざけた断罪劇から穏やかな日常ばかりだぜー
ほんと大した事なんてそうそう起きやしないもんだなーフーハハハハハー…
泣いてない! 俺は泣いてなんかいないぞ! 目からちょっぴり汗が出ただけあだからー!
とまあ、そんなワケで俺は馬車に揺られガタンガタン…ドナドナドーナドーナー田舎にかーえーるー
と悲し気なメロディを口ずさみながら俺は田舎に帰るのだった…いやていうか田舎っていうか実家!!
結局俺は飼い殺しにされてしまうのか!それならいっそ何処かの町で行方をくらませて冒険者にでもなって
第二の人生歩んだ方が良くない?良くない?有りか…無しか………
有りだなッ!!
俺の人生再スタートヨシ!だ。OK、素晴らしいプランB(思いつき)だ
能ある転生者の隠された爪を、俺は、今、解き、放つのだー!フーハハハ!!
馬車の中で仁王立ち!天井が低いの小脇で小さくガッツポーズ!俺の時代キタコレー!
………ん?何時の間にか馬車が止まってるんですけど?もしもし御者さーん、渋滞ですかー?
…と、窓から顔を外に出したら、ソコは数日前にお邪魔いたしましたドラガリア侯爵家の家の前でした…何で???
「いやー久しぶりだねロイド君、今日はよく来てくれた
退寮のタメの荷造りで疲れているだろう、ウチでゆっくり休んでいってくれたえ」
そこにはドラガリア侯爵様とチューター老紳士(ポジション的にやっぱり屋敷内でかなり偉い人だったんだな…)
そしてハイグレードなメイドさんズが勢ぞろいでした…えーなんぞーこれー?
「お荷物は私どもの方でお部屋へ運んでおきますので、まずは別室でお休み下さいませ」
相変わらず丁寧でかつ洗練された所作でチューター老紳士が俺を屋敷へ誘導するのだがー
いやちょっと待って!凄く自然に俺の荷物を屋敷なんで運ぶんですかー?
そもそも何故馬車がここへやってきたのか謎すぎるんだけど?答えてチューター老紳士!
俺が混乱している内に気が付けばまたドラガリア侯爵家の家の中でふっかふかの高級ソファに座らされ
やべー高そうな美味しいお茶を飲まされてるワケだが…ホワーイ?
「あの…申し訳ありませんが、自分には何が何だか理解が追い付かないのですが
私は何故ここに居るのでしょう?」
部屋には他にドラガリア侯爵様とその隣に妙齢の黒髪の女性…たぶん黒髪少年の母親である後妻の人かな?
あとはチューター老紳士とハイグレードメイドさんが数人…
そしてその配置や雰囲気が何て言うか、就職面接のアレぽくて嫌でも緊張してくる…俺が…俺が一体何をしたというんだ…
「うむ、君には改めて礼と…あと王宮からの褒美がコチラに預けられているのでね
コチラに来て頂いたワケだが…」
侯爵様は何かソワソワしているようだが…何だ…何か嫌な予感しかしないんですけどぉ?
ハハ、まさか傷物になった娘を貰ってくれーとか、ウチに婿入りしてくれーみたいな
そんなドリームな展開なんてあるわけないよね!
この世界はフィクション寄りだけどきちんとした現実だからね!絶対無い無いありえない!
ハッキリ言うと期待はしてないけど、実際そうなったら非常に困るというか全力でお断りしたい話なので
是非俺のこの期待を裏切ってくれ世界!
高位貴族の世界に何か俺は入りたくないぞ、本気でな!!
そして渡された紅茶が無くなりかけた時、それはやってきた…
すっかり元気になられてヴィヴィアン嬢のご登場である
「お初にお目にかかります、ドラガリア家長女ヴィヴィアンです
過日の件では危ういところをロイド様にお救い頂きまして、心より感謝いたします」
スッと深く一礼する彼女の所作の美しい事、伊達に第二王子の婚約者をやってきたわけではないと解る
断罪劇の時とはクラキラ度が3だった彼女だが今はキラキラ度は5に近い4くらいいってる
あの時は何だかんだで気落ちしてキラキラ度が落ちてたんだなって思った、まああの状況じゃね?
「はじめまして、ロイド・ジェンキンスと申します
その節は私がふがいないばかりにご令嬢に傷を負わせてしまい申し訳なく思います
しかし無事ご快復されたようで、心よりお喜び申し上げます」
彼女の挨拶にこちらも出来るだけ精一杯の所作と笑顔で応える
俺の必死のナチュラルスマイルに表情筋が悲鳴を上げているが耐えろ!ここは侯爵家という戦場なのだ!
「うむ、皆が揃った所で話を始めようか、ロイド君も"自分の家"だと思って楽にしてくれたまえ」
おい、侯爵様、今さらっととんでもない事言いましたね?
いやここは俺の家じゃねーから!侯爵家ですからー!!
油断したら死んじゃうような家で気なんて抜けるわけがないじゃない!
地方の田舎貴族で貴族カースト下位の次男坊マインドが雄叫びを上げている
…もう、田舎の実家でいいから早く帰して…
というわけで、そこから侯爵一家を交えてのお話となったわけだが…
世界は…俺を裏切った…そんなドリームあるわけないじゃなーいという
リアルな見識からの期待の方をだ…何故そんなありえない方向に舵きったんだ…
百万回生まれ変わっても恨むぞ世界ーッ!!
はい、えーヴィヴィアン様と婚約っていうかー1月後に結婚する事になったそーでーす!ってアホかよ!バカかよ!
何をどうしたらそうなるんだよ!誰か説明してくれよー!
というわけで説明なわけだけど、例の断罪劇の色々な決着が付いたらしく
結果、キラキラ5の人達が全面的に悪いって事になり、色々責任とか取らされてるそうです
その結果として断罪劇から立場が逆転して被害者側の立場になったヴィヴィアン嬢について
王家から全面的に様々な補償やケアが行われる事になり
ソコで話が終わってりゃーいいものを、事件の報告者である俺の褒美を考えよっかという段になって
俺が王宮に献上したり高位貴族内に販売してる商品の発明者というのが発覚してしまい
えーありがたいことに、うちのしょうひんのいちぶがたいへんおぼえがめでたくてそのためおれのひょうかが
ずばんびゅーんてあがったわけですよ、ええ…
……だけど、まだ、まだそこまでで止まっていれば良かった!
関わった問題が問題なだけに、ちょっと奮発して田舎貴族の次男坊だから男爵でも上げれば良くね?
くらいで止まるはずだった所に目の前にいる侯爵様がとんでもない事言いだしたのだ
「今回関わったウチの義息を次期党首候補から外して
ロイド君をドラガリア家に娘婿として迎えれば彼の才覚を存分に発揮させて
かつ娘への恩も返せるのでは!
それは王国にとっても大きな利益になるのは!?」
はい、満場一致で即決定したそうです、俺っすか?断れませんよね?
褒美という名の命令みたいなもんですし?貴族は辛いよ…でもこれが封建制度!!
前世のように緩く適当に生きられない!辛みッ!
前世と今世、果たしてどっちの世界が生きやすかったのか……前世だわー圧倒的に前世だわー
というわけで無事(?)世界にお前大貴族の仲間入りな、喜べよ、と死の宣告を食らったワケですが
ヴィヴィアン嬢はどう思っているのか…正直彼女の事は学園でチラっと見て顔を知ってますよ程度しか知らない
それはお互い様だけども、急に俺みたいな田舎者が婚約者だと言われても困るんじゃなかろうか
というか断罪劇なんてあった後で急遽結婚言い渡されても辛かろうに
まあ、貴族の結婚の大半はこのように家の都合や流れで決まるモノだから相手の気持ちがどうとか
深く考えるのも間違いなんだけど、それでも侯爵様は娘思いで今回の件は娘のタメだ!って思っての事だろうけど
やっぱりそれでもヴィヴィアン嬢の心を優先しても良かったんじゃないかなーって俺は思ったわけよ
でも実はー、一か月後に結婚を決めたのはヴィヴィアン嬢だったていうね!ヒデーオチ!!
俺に逃げ場なんて最初から用意されてねえんだ、ド畜生がぁ…
でも、流石にね、何で俺なんか?て思うじゃんよー
そしたら自分のタメに立ち向かってくれたのが嬉しかったとか凄い可愛らしく言うのよ
反則ー反則でーす、そんな、野性味のあるキツめの美人が幼い感じで愛らしく笑うとか無理ー!
そのあとそっと握られた手とか凄い細いし小さいし、前世と今世の50年近くで醸成された俺の童貞マインドのライフはもうゼロよ!
この時点で勝負は完全ついていたってワケで俺の完全敗北!ロイド・ジェンキンス死す!!である
しかしヴィヴィアン嬢少しチョロいとこある?ワタクシ少し心配ですわよ?
と、正直勢いで茶化すにも限界を感じる程しんどくなってきたわけだが、こうなったらしょうがない
精一杯出来る事をやるだけで、前世の杵柄、THE開き直りですよ!
いや流石に無理がある、あるけど、初めて知った乙女の柔肌のタメに頑張ろうって思うわけで…
童貞ってヤツァどうやってもチョロいんだよ…ヴィヴィアン嬢をチョロいとかどの口が言うのか…そんなこんなで…
…一か月後、俺とヴィヴィアン嬢は無事結婚して、俺は侯爵家に婿入りして幸せな家庭を築きましたとさ、めでたしめでたし…
…と、なるわけもなくー、高位貴族の立ち回りをイチから仕込まれ、大領地で商品開発したり制度改革したりと
そりゃもう四方八方飛び回りの仕事しまくりで新婚なのに!可愛い奥さんが家で待ってるのに!
酷い!このままじゃ夫婦仲の危険がピンチよ!だからお休み下さい、お義父様!チューター執事長!
え?ダメ?時間は自分で作らなきゃって、明らかに俺のキャパオーバーなんですぅ!事業代わりにやって下さいよぉ!
え?武門の家の人間には難しくて無理って?くっそ人材足りなさすぎだろドラガリア家!!
あーもういいや冷や飯食ってる黒髪少年、君手伝って!バカな騒動に加担した罪滅ぼしだから!
頑張って!!え?仕事が多すぎる?
俺のが多いわボケェ!!!
はー、ほんと前世と今世どっちがいいかって?そりゃ圧倒的に…うーん、今世かなー?たぶん?きっと?おそらく?メイビー…
あーそうそう、就職失敗の件、やっぱり実家が絡んでたので、縁切りましたよ
スパッとね!!まあ事業はそのまんまにしてるから没落はしないでしょ!!
はい、めでたし、めでたし!! あー休み欲しいー奥さんとイチャイチャしてーなーはあぁ…。
各登場人物のその後とか?(・ω・)
ロイド・ジェンキンス…主人公、転生してやっと乙女の柔肌を知った男、現在脳筋ドラガリア家を率いて領地改革や産業開発に日夜馬車馬の如く励んでいる、新婚なのにカワイソッ!!
ヴィヴィアン・ドラガリア…ヒロイン(?)乙女ゲーの悪役令嬢役の女の子、キラキラ度は5に近い4
ゲーム強制力といいますか、テンプレート的な嫌がらせ事は一通りやってた模様、些細な悪事は積み重ねていたけどそれだけ
野性味のあるキツイ印象のある美人だけど、根は乙女
愛する旦那様のために色々頑張ってる模様、たぶん年を取ってもずっとラブラブしてる
ドラガリア侯爵…武門の棟梁的な立場だが人間的に出来てるけど政治や経営といったのが出来ないちょっと残念な人
ロイドの登場は棚からぼた餅であった、良かったね。
領地がめちゃくちゃ豊かになっているのを老紳士チューターと一緒に泣きながら喜んでる、初孫まだー?(休みをくださいbyロイド)
チューター…老紳士、ドラガリア家の家宰、侯爵様と一緒に涙ながらに領地の繁栄を見守ってる
しかしやはり武門の家の人なのでロイドの仕事の手伝いは出来ない、残念!万能執事はそうそう居ないのだ。
王子様…王国の第二王子で元ヴィヴィアン嬢の婚約者でキラキラ度は5
クールな立ち居振る舞いから想像が出来ない馬鹿
事件後廃嫡されて地方の荘園に他のキラキラ5と共に放り込まれ余生を過ごす模様。
ただ本人は無駄な自信を持っていて何時か王都に帰ると言っている。
エレナ・スターシア…脳みそお花畑の少女、見方によっては聖母のようにも見える、キラキラ度5
他のキラキラ5の人達と共に地方の荘園に放り込まれるが、王子をはじめ美男子達に囲まれ
幸せに暮らしている模様、第一子が生まれ、第二子も近い内に出来るからもしれない模様
ちなみにその第一子はキラキラ5の人達ではなく、実家に帰った際に再会した幼馴染と関係をもって
出来た子らしい、この件は誰も知らない知られちゃいけーないー、けど…えげつねぇ…。
あとヴィヴィアン嬢にぶたれたのは今だに根に持ってるらしい。
エリート騎士君…キラキラ度5だけど激昂するとキラキラ度がガンガン下がる残念な子。
事件の後唯一人だけ荘園には送られずに家から勘当され挙句去勢の後奴隷に落とされた。
なんでそんな事になったのかというと、ロイドの結婚式に武装して乗り込もうとしてたから
本当にどうしようもない作中で唯一救えない人間で一身に汚れ役を引き受けた子、すまんの。
インテリメガネ&美少年&教師&留学生…その他のキラキラ5の人達。
まとめて荘園送りになったが、皆それなりに幸せだと感じてるようなのでヨシ!!
みんな仲良しで幸せそうなのはある意味うらやまs…いやないな、ないない。
黒髪少年…ドラガリア家の跡継ぎの予定だった少年、キラキラ度5
ドラガリア家の家風が肌に合わなかったのと関係的に近い事もあって姉の事が嫌いだったが
地下でみっちり反省(調教)させられたタメ家から追い出されるような事にはならなかった。
断罪劇加担の影響で1年留年するが無事卒業、しかしその後すぐドラガリア家で数少ない頭脳労働が出来る
人間としてロイドに仕事を手伝わされているが、あまりの仕事量にすでに擦り切れそうになっている
がんばれ、限界の向こう側まで!!エレナの事は今でも少し恋しいらしい…やめとけ。
???…王子の側付きだった少年でキラキラ度5
エレナに骨抜きにされた主である王子ををいさめる事もなく放り出して第一王子側に行ったリアリストな子
ただしその薄情すぎた行為が仇となって後々出生街道を完全に断たれてしまい絶望する。
ジェンキンス家の人達…家族仲は良かったけど、ロイド以外は割と腹黒い一族であったタメ
あらゆる方法でロイドの就職活動を妨害、揉み消していた、金があったからねしょうがないね。
ロイドに縁を切られた後、アレコレ文句を言ったり擦り寄ったりするが、それらが裏目に出て
完全に見限られてしまう…ただ普通領地経営していればすでに豊かな領地なので何不自由なく
安泰であるのだが、この手の人達は余計な事で失敗を繰り返して破産するというのはテンプレなのである!