バタフラワー
シャイン山の頂上に花びらが蝶々の形をした花が咲いていました。バタフラワーと呼ばれる珍しい花です。
シャイン山を陽光が照らす中、花びらが空に舞い上がるように散りました。その瞬間、花びらが神々しい輝きを放つ蝶々へと変貌を遂げ、意思を持っているかのように、町に向かって一直線に飛んでいきます。
瞬く間に町に辿り着いたバタフラワーは、開け放たれた窓からすすり泣く声が外に漏れている一軒家へと入っていきました。
居間では医者がご臨終を告げ、娘夫婦が父の死に涙を流している真っ最中でした。子供たちも祖父の死に泣き声をあげていました。
家族が深い悲しみに包まれる中、バタフラワーはそっと遺体に乗っかります。バタフラワーが纏う神々しい輝きが遺体を包み込み始めました。次の瞬間には遺体は神々しい輝きを放つ蝶々へと姿を変え、窓から元気よく飛び立っていきました。
家族は優し気な表情を浮かべて、その光景を眺めていたのでした。
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