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8.サイサルニー

新キャラがたくさん出てきますがあまり覚えなくても大丈夫です。いわゆるサブキャラ、ヨハネはいずれメインキャラになりますがだいぶ先です。

 山奥にある大きな研究所、その後ろにある大きな倉庫。その倉庫の中で一機の真っ赤なBAが倒れていた。

「かぁーー、なんだこのBA、動いたと思ったら、いきなり倒れやがって」

 そのBAに乗っている、スバルは、かれこれ30分の格闘のすえ、いまだに倉庫から出ることさえ、できないでいた。

「よし、とりあえず落ち着けスバル、BAにバカにされたまま黙っているような俺様じゃないが、ここは、ひとまず落ち着くんだ…とりあえず…

立とう」

 操縦桿を引き、機体を起こす。案外すんなり起きた機体を今度は歩かせようとする。

「おっおっおー、ちゃんと歩けるじゃねーか」

 急にしっかりと歩けるようになった機体、

スバルのテンションは一気に上がる。

「よし、行くぜ

〈tyrant〉ゴー」

勢いよく倉庫を飛び出した…が

「ちょっと、

おい…待て、待て待て待て待て待て…」

 機体は浮上せず森の中を爆走していく。






−サイサルニーフォート−

 デロイト地方で唯一、地方軍のある街、地方軍区、軍学校区、住宅区の三つに分かれる比較的大きな街だ。

 そしてスバルがguardianに配属される前の四年間通っていた軍学校と、二年間所属していた地方軍があるのが、

ここサイサルニーフォートである。


「きっ気持ち悪い」

 本来なら2時間でこれたはずが、約6時間、

〈tyrant〉に振り回されすっかりボロボロのスバルは歩くのもやっとであった。

「このポンコツ機体め」 あそこまで、むちゃな走りをしまくった。

〈tyrant〉であったがそのボディーには、ほとんど傷がなかった。

「……とりあえず、軍に顔でも見せに行くか」

 軍の基地がある方に歩き出す…が、キーを取り忘れていたことに気づきすぐに戻って、キーを抜いてから、

また軍の基地へ向かって歩き出す。




 軍の基地の周りには軍区と住宅区、学校区とを隔てるように金網が張り巡らせてある。

 スバルが金網の外から中を見ていた、すると後ろからひとりの少女が話しかけてくる。

「もしかして、スバルくん?」

スバルは振り返るがそこにいる少女に見覚えがない

「えっと、そうだけど…だっ誰?」

「ひっひどくない」

 黒い髪、ぱっちりとした大きな目、細い眉毛に小さな顔、どこかで見たことがある気がしてくるスバルだが…

「だめだ、思い出せん」

「ホッ本気ですか?」

「…」

 少女は少し焦りだす。

「四年間同じ学校、同じクラスだったのに?」

「…」

「軍で二年間オペレーターだったのに」

「…!」

スバルは徐々に思い出してくる

「キッ…」

「…きっ??」

 その言葉を言おうとして少女は頬を赤くする

「キスもしたのに?」

 その言葉がスバルの脳の中の記憶に関するとこらへんを刺激する。

「もしかして姫か?」

「そうだよ、やっと思い出した、てかこの世に元カノのことを忘れる人がいるなんて…」

「いや…あれだな、女の子ってのは数年でここまで変わるもんなんだな」

「そんなに、変わったかな…私?」

「ああ、姫はなんか大人っぽくなった」

 少女はさらに頬を赤くする。

「そうかなぁ…、

あっそれより、その姫って呼び方止めてよ。恥ずかしいんだから」

「姫は…姫だろ」

いや今は女王か、と思うスバル。

「それよりさ、みんなにも顔みしていきなよ。」

 そういって、その少女姫乃ゆうりはその細い腕と小さな手でスバルを引っ張って行く。逆の手に買い物袋をぶら下げて



「姫乃、ただいま戻りました!」

 姫乃は横スライド式のドアを勢いよく開ける。

「おー姫乃か、おか…え……り……………………ひっ姫が、男つれて帰ってきたぞ」

 その言葉に屋内いた男が全員反応する

「なに、姫におとこ!」6人ほどの男がその言葉を同時に放つ

「叩き出せ」

「姫を守れ」

「俺らの姫に手を出すな」

 あちこちから声がする

「みんな落ち着こ」

 姫乃はみんなに落ち着くよう促す。

 スバルはそんなことはどうでもよく

「みんな、姫って呼んでるじゃん」

 それだけが気になっていた。

 そこでようやく一番最初に発言した男がその体型には似合わないデスクワークをしながらいう。

「ん? お前、もしかしてスバルか」

「ああ、そうだよ久しぶり、リグラさん、それにみんな」

 スバルがそう言うとさっきまで姫の名を連呼していた男どもは

「スバルー!」

 そういってスバルに飛びつく。

「スバルー、俺たちは心配してたんだぞ」

「お前が総司令なぐったとか」

「お前が禁固1年とか」

「どれだけ、どれだけ心配したと思ってるんですか」

 スバルの顔は久しぶりの再会で自然と笑顔に変わる

「レチェットさん、セパト、、バルン、ホーク」 みんなの顔が綻ぶ中、一人険しい顔をする姫乃

「他のみんなは顔見ただけ名前でてくるんだ」

そんな姫乃にリグラが話しかける。

「みんなをスバルにとられて不満か?」

「そうじゃないです」

「なるほど、スバルをみんなにとられて不満か!」

「ちっ違いますって」

 姫乃は頬を赤くする

「誰ですかあの人」

 そのときひとりの少年が入ってくる。黒の短髪青い冷めた目、背は低く153ぐらいだ。

「ヨハネお帰り」

リグラと姫乃はその少年を方を見る。

「ただいま、で…あの人だれ?」

「お前もguardianを目指しているのなら、あいつにいろいろと聞いておくといい、なんてったってあいつはguardianのエースにまで上り詰めた男だからな」

「あの人が月咲昴?」

「そうだよ、よく知ってるね」「有名ですからね、顔はまだしも、名前を知らない人はまずいないですよ」

 そういうとその少年、ヨハネはみんなに絡まれているスバルに近づきその言葉を放つ。

「スバルさん、僕とBAで勝負してください」

周りのみんなは急なヨハネのその言葉に固まる。その中で勝負を挑まれたスバルだけが冷静に言葉を返す。

「誰? こいつ…」

軍について 軍学校→10歳になると入学資格が与えられる、主に機体の操作法などを勉強。通常4年で卒業、その後は各地方の軍へ。 地方軍→軍学校卒業者から成り立ち、主にその地域の治安維持に勤める。guardian(多国家集合軍)→各国の地方軍より優秀なBAライダーを選出し構成。

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