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5.海上戦

今回は戦います。

 −貨客船サトマット−最大収容人数、数千人におよぶ巨大な船だ、荷物と同時にBAを運ぶことのできる船でもある。


 船に乗り込み数時間、日付は変わりわずかに日が登り始めていた。スバルは手持ちレーダーと小型望遠鏡を使い甲板で何かが来るのをまっているかのようにしている。カーチェスはしばしばする目を擦りながらスバルに話しかける。

「あの…今更なんですけど船で何を楽しめばいいんですか?」

「ん、この景色かな」 地平線から太陽が顔をだし幻想的な景色が広がる。

「この景色を見るためにずっと起きてたんですかぁ〜てかそのレーダーと小型望遠鏡は何に使ってんですか〜?」

 カーチェスは眠気で限界のところだったが、必死に質問をする。するとスバルの声色が急に変わる。

「おっ来たな、思った通りだ。」

「えっ何がですか?」

「賊だ」

「賊?」

「いいから、行くぞカーチェス」

「どこにですか?」わけも分からないままカーチェスはスバルについて行く。



−操舵室−には船長と数人のクルーがいた。

「せっ船長大変です」

一人のクルーがレーダーを見てそう叫ぶ

「どうした、騒々しい」

「前方に三機の未確認BAを捕捉」

「なっなんだと」

「どうするんですか船長BAは積んでないですよ!?」

「うろたえるな、まだ敵かわからんだろ、とりあえず乗客を部屋に戻らせろ、敵ならば現状の武器で何とかするほかあるまい」「しかし、船長!!相手は三機です!」

「ええい、話をする前にどうするかを考えんか〜!」


「お助けしましょうか」 スバルは慌ただしくなった操舵室で船長の肩に手を乗せはなしかける、その後ろにはオロオロするカーチェスがいる。

「なんだ、お前たち」

「200万セル!」

船長の言葉を無視してスバルは話しを切り出す。

「200万セルであのBA三機を潰してやる。」

「200万セルだと、バカなことをいうな」

「じゃいーんだな、乗客もろとも海の底、原因は護衛BAの積み忘れ」

「ぬ…なぜそれを」

「そんな、ことはどうでもいいだろ、それより、どうするよ」

「船長、敵BAとの接触まで残り三分です」

「あんま考えてる時間はないぜ…」


「…くっ、わかった、200万だす」

「よし交渉成立、BAハッチを開けてくれよ」

「何番のハッチですか?」クルーは聞き返す。

「二番だ、行くぞカーチェス」

「おい、お前」

「なんだい、船長のおっさん」

「ほんとうに、なんとかなるんだな」

「あたぼうよ」

スバルはそういって船内のBA収納庫に向かう。


「カーチェス」

スバルはカーチェスに小型望遠鏡と無線を渡しながら話す。

「これでオペレーターの代わりをしてくれ」

「えっでも、僕そんなのしたことないです」「大丈夫、敵の位置と変なことをやろうとしてる機体がないか教えてくれるだけでいい」

そういってスバルはBAに乗り込み、無線で操舵室に話しかける。

「こちら、二番収納庫、ハッチを開けてくれ」

「ハッチ、展開」

ハッチが開き船の甲板へ登る。スバルは辺りを見回し周囲の状況を確認する。

「海上戦なんて久しぶりだな」



「こちら、操舵室よりカーチェス、敵の距離約1キロ、…来ますよ、スバルさん」 スバルの目に三機のBAの姿がうつる。三機はどれも量産型のBA〈イズ〉で特に改造を加えていないものだった

「きやがった、たく安上がりなBAだな」

スバルはブースターに火をつける

「SDXゴー!」次の瞬間、スバルのBAは甲板から勢いよく飛び立つ


三機のBAの内の一人がスバルの存在に気づいた。

「未確認BA発見」

「どういうことだ、護衛用BAは乗ってないんじゃ、なかったのか」

「わからない、だがあのパーツから見てどう考えても護衛用BAじゃないぞ」

「お前ら、そんな話は後だ。来るぞ」


 三機のBAは三方向に散会する。スバルは真ん中の銀のBAに狙いをつける。そのBAは右手にビームナイフと左脚にレーザーガンを装備している。


近づいてくるスバルのBAを見た敵パイロットはあることに気づく

「あのBA武器を装備してないぞ」


 敵がそのことに気づいたとき、ほんの少し油断が隙をうんだ。

スバルはコックピット内でニヤッと怪しい笑みを浮かべる。 それは、ほんの一瞬だった、スバルのブースターが爆発的な加速をする。

「右腕もらったー!」

 瞬間高速移動ブースター通称ニトロ。

ほんの一瞬それまでの倍異常の速さで移動することのできる特殊なブースター。

それは敵BAの右アームをいとも簡単に引きちぎっていくほど強烈なものだった。

「クソ、右をやられた」

「大丈夫かシラギ」


「あいつ、ニトロなんて積んでやがんのか」

 ニトロは強力なブースターであるかわりにデメリットも多い。バランスを崩しやすくミスれば地面や敵にぶつかり大事故に繋がりかねない装備だ。ゆえにニトロを搭載する機体はほとんどない。

 引きちぎった右アームから、装備していたビームナイフを外しそれを持つ。そしてそのまま同じBAにきりかかる。

 スバルはそれこそ針の穴に糸を通すかのような正確さで敵BAのコックピットの接続部分ばかりを突き刺していく。

「くそ、なんだこいつの動き」

仲間は銃で援護に回るがスバルにはかすりもしない。

「なんで、当たらないんだ」

「くそ、コックピットが外れそうだ」

銀のBAのパイロットは焦りながら言う。

「接続部の補強ぐらいしとけよ」

 スバルは攻撃のスピードをどんどんあげていく。次第に銀の機体からコックピットが剥がれる。

「いっちょ上がり」


「うわぁー!!」

 パイロットは絶叫しながら堕ちていく、スバルは海へ向け堕ちて行くコックピットをつかみ、船の甲板に投げつける。

 あとに残ったのは、同じ型に薄く青が混ざった色の機体に、銃撃装備を主にする機体だ。

スバルの目には青い機体が追跡機能付きの小型ミサイルを積んでいるのが見え、次のターゲットをそちらに変える。

「いったぞ、マヒコ」

「わかってる!」敵のBAはしきりに無線を交わす。

「キハル、あれを使え」

「任せろ」


 スバルはまたニトロを発動させる、敵BAの斜め後ろわずか30センチで止め、右アームを切断する、そして前のBAと同じようにコックピットの接続部分を突き刺していく。そこにカーチェスからの無線が入る。

「スバルさん、敵BAが大型のプラズマライフルを撃つ準備をしています、ライフルの種類はおそらくmoon・river type12です」

「了解」

スバルがもう一機のBAを確認する。

「発射ー!!」青い閃光がスバルに向けて射出される

「甘いよ」

スバルは青いBAの肩部から、切断された右アームを繋いでいたであろう、接続線や電気系統を通す線をつかみ引き寄せ盾にする。

「くるな、くるな、くるなぁー」

閃光は青いBAの脚部にヒットし脚部が弾け飛ぶ

「もういっちょ、あがり」

スバルはさっきと同じように甲板にBAを投げつける。

「さあ、敵はあと一機」 敵BAは再度ライフル発射準備をするスバルはその場を動かない。

 動かない〈SDX〉を見てカーチェスは無線で言葉を送る

「スバルさんまたきます!」

それでもスバルは動かない。

「死ねー!!」

 ライフルからまた青い閃光が放出される。と同時にニトロを爆発させるスバル。

「スバルさん無茶です」 閃光に向かっていくなんて自殺行為だ、だが閃光は〈SDX〉のわずか横を通過していく。距離にして約15センチ、スバルはその勢いのままライフル発射でバランス崩した敵BAに突進しながらナイフを突き刺す

「捕まえた、テメーにその武器はもったいないぜ」

 スバルはそのまま連続でニトロを使用して敵のBAを船の甲板に叩きつける。船は大きく揺れ波を起こす。

 敵パイロットが気絶したのかBAは動かなくなった、操舵室からカーチェスが出てくる。

スバルもコックピットからでる、そしてにやけながら言う

「さすが俺」

「すごいです、スバルさん感激しました」

下からカーチェスの声がするのでスバルはコックピットから飛び降りた。そして言う

「カーチェス俺は今回、気づいたことが二つある」カーチェスは黙ってそれを聞いている。

「一つは俺が最強だってこと」

「はい、スバルさんは最強です」

「もう一つはSDXの性能がやばい」

「当たり前です。なんせ徹夜で改造したんですから」

「それにしても、お前よくライフルの種類がわかったなぁ」

「はい、moon・river はtype0から全部覚えてるんで」

話していると操舵室から船長が降りてきた。

「まさかほんとに全機倒すとわ」

「おーオッサンこいつら全員、縄かなんかで縛っとけよ」

「ああ、ありがとう」

「あっあと船内にこいつらの仲間がいるはずだから聞き出しといた方がいいぜ」

「わかった、ありがとう君の名前は?」

「月咲・昴」

といってスバルはカーチェスと部屋へと向かうがすぐに戻ってきて言う。

「忘れてた、ちゃんと金用意しといてくれよ」

「ああ」

船はグロズニーへと向かう。




デロイト地方

−グロズニー−

この地方で唯一港があり船での移動の際にはかならずここを通ることになる、といっても町には観光客のためのお土産屋があるくらいでほかにはなにもない。


船を降りるスバルとカーチェスそして船長

「これが約束の200万セルだ」

「ぬふふ、お主もなかなかの悪よのー」

「いやいや、お代官さまほどでわ」

「何やってんですか!」

船内でやたらと仲良くなった船長とスバルの訳の分からないやりとりを見ていたカーチェスは冷静にツッコミをいれる。

「まっなんだ、ほんとに助かったよスバル、カーチェス」

「いやー200万セルも、もらって悪いな、まっ俺のことは臨時でやとったパイロットってことにしといてくれ」

「ああ、すまんな、あと金のことは気にするな、あいつら懸賞金がかかってたから軍に渡せば500万セルもらえるんだ」

「なに!」スバルは声を大にする

「助けてもらった、うえにお金までいただけるなんて、ほんとスバルという男はいいやつだよ」

「ちょっ、ちょっとまて、やっぱ200万じゃたりねー500万だ」

「むむ、そろそろ船を出さなくては、ではスバルさばだ」

そういって船長は船の中へ逃げるように帰って行く。

「やっやられた、懸賞金なんてすっかり忘れてた」

「スバルさん」

「なんだカーチェス」

「人生は思い通りに行かないことが多いってほんとなんですね」

「うるせぇー、ほっとけ………〈SDX〉でも取りに行くか」

「はい」

スバルの強さについて、本編では最強なんて言われるスバルですが、そのすごさがどの程度なのか普通のBAライダーと比較してみる。 1.ビームナイフによるピンポイントの右アーム切断、ちなみにビームナイフはとても威力が弱い武器です スバルの場合(以下スバル)→一発で切断。 普通のライダー(以下普通)→数回の攻撃後切断。 2.ナイフでコックピットを機体から外す スバル→接続部分をピンポイント攻撃。数回で外れる 普通→接続部分には当たらず他の部分にナイフが刺さる、あげくに外れない。 3.ニトロで相手の斜め後ろで止まる。 スバル→誤差なしで次の攻撃に移りやすい場所に止まれる。 普通→敵の横を遥先まで通り抜けていく、もしくは敵機体に激突。   ここまで読んでいただきありがとう。

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