43.月影、とるべき行動
今回はスバルの計画発表会ですね。
ちなみに自分でもたまに間違えるのでまとめ
アーク=軍事都市。
ノア=guardianの本拠地の名前でアークの一部分。
エンゼルバセス国、山中の基地、以前は山だったその場所は立派な要塞となっていた。
「よう、電蔵のおっさん」
「おう、お前に頼まれていたとおり基地は造っておいた、まだ未完成だがな」
「こりゃすげえよ、外からは目立たないのに中は頑丈そうだ、あんたらに任せてよかったよ」
「あたりまえだ、それより小僧、余計なお世話かもしれんが、早くあいつらのところに行ってやりな、帰ってくるや難しい顔しやがって近くにいるこっちがめいっちまうぜ」
「…ああ、そうだな」
すぎ去ろうとするスバルそれを引き止め電蔵はさらに言う、それは少なからずスバルの気持ちを軽くした。
「それから、セサミに話を聞いたがわしはお前の判断に間違いはないと思うぞ」
「ありがとう」
できたばかりの基地を見ながらカーチェス達のいる部屋へ向かった、セサミはソファーに座り、頭上で揺れる電灯を見ている、カーチェスは部屋の隅の方でふさぎこむようにして座っていた。
「よお」
「…」
「なんだー、お前ら元気ないなぁー」
重い空気を押しのけるようにスバルは精一杯の笑顔で話しかける、だがすぐにカーチェスの怒声が返ってきた。
「当たり前じゃないですか、リーマンさんを助けるチャンスを見逃したんですよ!」
「悪い、だが他に方法が思いつかなかった」
「方法がなかった!?」
「仕方ないさ、あの状況じゃ、ああする他なかったそういうことだろスバル」
セサミはスバルに詰め寄ろうとするカーチェスを抑える。
「そんなの言い訳です」
「カーチェスも分かってるだろ、奴らは強かった、増援がくれば」
「セサミさんは、リーマンさんのことよく知らないからそんなこと言えるんです! スバルさんだって、口では助けるなんて言っておきながらほんとは自分が一番大事なんだ!」
「カーチェス、前言を撤回しろ」
「しません、スバルさんはヒーローでも最高のBAライダーでもない、ただの臆病者だ」
「お前に何がわかる!」
「わかりませんよ、臆病者の気持ちなんて」
そう言うとカーチェスは部屋を飛び出していった。
「…」
「…」
「…はぁ、俺としたことが、すまないなセサミ」
「そりゃ俺じゃなくカーチェスにいってやれよ」
「そうだな」
「あいつも分かってるんだ、スバルが俺らを守るために逃がし、リーマンを諦める決意をしたってことも…ただ、何もできず見てるだけの自分が許せないんだろ」
「あいつもまだガキだからな…」
「お前もガキだろ、スバル」
「…はははっ、違いねぇ
よし、ちょっくらカーチェスを追いかけるか」
スバルはカーチェスを追いかけ部屋を出る、それと入れ違うように電蔵が入ってくる。
「ワシからみりゃテメーら全員ガキだがな」
「まったくだな」
「カーチェス!」
カーチェスを追ってきたスバルは格納庫に入り辺りを見回す、チャトラン脚部にもたれ掛かりながら座るカーチェスを見つける。
「分かってますよ」
近づいてきたスバルより先にカーチェスは言う。
「ん?」
「スバルさんの判断が間違ってないこと」
「…」
「でもリーマンさんを助けられなかった、僕は何もすることができなかった」
「リマホルさんだろ」
「え?」
「お前がリーマンさんなんていってると変だ」
「なんですか急に、話が全然違う方向に」
「ただそう思っただけだ」
「わけがわかりませんよ」
「そうか?」
「そうです」
「まぁなんだ、これだけは確実に言える、リーマンは必ず助ける、お前にその気があるのなら次は仲間として万全の状態で戦え」
「スバルさん…」
「リーマンを本気で助けたいんだろ、なら助けるのを手伝わせてやる」
「はい」
「悔しいなら、強くなれ」
「はい」
「よし、なら俺のとっておきの作戦を聞かせてやる、みんなを集めろ」
「皆を集めてどうする気じゃ?」
開口一番、電蔵はスバルに問う。
「みんなを集めたのはこれから活動内容についてだ」「活動内容…」
「俺たちこれよりレジスタンスグループ月影として行動する。」
「げつえい…」
集まった数100のメンバーはみな口々にその名を発する。
「リーマンが敵にとらわれた今、俺らがとるべき行動は1つ」
「とるべき行動?」
「なんだよ」
「アークを攻める!」
スバルの力強い声が響き渡る、辺りからはどよめきが起こる。
「本気かよ」
「無謀だな、仲間を助けるための襲撃にしちゃ危険すぎる、割に合わない
冷静な判断ができる奴だと思っておったが」
と平賀親子。
「まあ、正直リーマンを助ける云々より前に考えていたことなんだ」
「他に目的があると?」
「俺がアークを攻める目的は3つ
1つ目が俺らの存在を世界に知らしめること
2つ目はアークを撹乱させること
3つ目これが一番の目的、アークにいるある重要人物迎え入れること
」
「リマホルさんは?」
「もちろん助ける、作戦実行は1ヶ月後だ」
「ちょっ、ちょっとまて聞きたいことが多すぎて…」 秀一は言う、もちろん他の皆もそうだった。
「なんでも聞いてくれ」
「つまりスバルの考えをまとめるとこう…
まず1つ目の目的は仲間を増やすのに役立つから
2つ目はもじどおりの意味で重要なのは3つ目と…」
「作戦実行が1ヶ月後ってのはリーマンがアークにいる可能性の限界期間で俺らを強くするのに十分な期間だから、間違いはないか」
「ああ、それに約束の日も丁度その日だからな」
「約束の日?」
「そこは深く聞くな」
「?」
「目的はわかった、次はその作戦とやらを聞かせてもらおうか」
ドスンと座り構える電蔵は聞く、元平賀組の頭領である彼にとってスバルの現実離れしすぎな発言に、疑問をいだいていた、と同時にそれはスバルのリーダーとしての資質を見定めこれから仲間としてやっていくかを見極めるチャンスでもあった。
「作戦は簡単、まず敵の機体格納庫を抑える、機体を飛ばさせなければguardianはただの人だからな」
「無理だ、アーク全体を覆うレーダーの広さは半端じゃないし、高性能だから下手なステルス機能も簡単に見破られる」
「レーダーはさほど関係ない、探知されてから号令をだす、それから機体に乗り込む前までに格納庫を抑えればいい話しだ」
「無理だ」
「可能だ、ハイブースターにニトロを同時に使えばな」
「できるのかそんなこと」
「できるさ俺なら」
「たしかにそれなら、レーダーに気づかれてからでも大丈夫だ」
「無理だ、例えお前ができても1人で数100の機体を収容する格納庫をどう抑える、悪いが俺らにはハイブースターとニトロを同時に使う技術はないぞ」
「なにも格納庫全部を抑えるわけじゃない、強いやつ…特殊部隊を飛ばさなきゃいいだけだ」
「確かにその考えならいけるだろうが、どこに特殊部隊が収納されているかわならないと無理な話だ」
「それなら大丈夫だ、ある人から情報を得ている、元guardianだし、基地内の構造もわかる」
「ある人ってもしかして」 そこでカーチェスは何かに気づいたかのように言う。
「ああカテナだよ、BA技師として定期的にノアへ出入りしてるから情報は確実だ」
「それが確かでも俺は反対だリスクが高すぎる」
「もちろん、乗るか乗らないかはあんたらの自由だ、強制はしない」
スバルの目は本気だった、100%成功するとは言えない、だがスバルは自信満々にそういい放った。
「がぁはっはっ、面白い俺は乗るぜ」
電蔵は注目をスバルから一気に自分へと集める。
「親父!」
「確かにリスクは高い、だが国反所襲撃のときもそうだった、小僧はなにかもってやがる、俺はそれがみたい」
「危険だぜ」
「わかってらぁ、このさいだ、軍への恨みきっちり返してやるぜ」
「ありがとう」
「それに折角助けてやったリーマンをむざむざ奪い返されたままじゃ気分が悪いからな」
「そうですよ、仲間を助けるのは当然です」
「他のみんなも考えておいてくれ、決行の前日までなら仲間に入れてやる」
スバルはそう言い残し部屋を後にした。
設定資料の方がかなりごちゃごちゃしてきたので、一度整理をしとこうと思ってます、なので次週は投稿できないかもしれないです。投稿できなかったらすみません。
ここまで読んでいただきありがとうございます。次話もよろしくお願いします。