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42.白兎の力、雷瞬の能力

新年、明けましておめでとうございます。

今年も一年よろしくお願いします。


今回もスバル対雷瞬のお話。

「スバル! どうやらお前をみくびっていたようだ、やはりお前は元エース、甘い考えでは到底勝てない…ここからは全力で行かせてもらう!」

 〈白兎〉から一切の音が消える、当然の事ながら機体は急降下する、いや堕ちるというのが正しい。



「どうしたんでしょう!」

 カーチェスは堕ちる機体を目でおう。


「ついにリーダーも本気ね」

「なんだ?」

「ビルは見るの初めてかしら…あれがリーダーの本気よ」

 オルガノは不適な笑みを浮かべる。


「衝撃を力に…」

 〈白兎〉は木々の中に落ちる、次の瞬間だった爆音が響く、木々が燃え、炎とともに〈白兎〉が〈SDX〉めがけて急上昇していく。そのスピードはニトロを越えるほどになっていた。


「まずい!」

 咄嗟に反応するスバルだが間に合わない、雷瞬の攻撃はスピードが加わり強力な一撃を放つ。

〈SDX〉の脚部は切り落とされはしなかったものの外装はいとも簡単に剥がれ落ちる。

「ラビットスプリンター」「?」

「〈白兎〉に備え付けられた機能、あの機体が軍最高の機体と呼ばれるのはあの機能がついているからといっても過言ではない…」

「なんなんだそれ?」

「落下の衝撃を脚部の特殊な装置で力に変換する機能よ」



「あれは、いくらスバルさんでも避けれませんね」

「なんでだ?」

「BAは下からの攻撃にはかなり弱いんです、操縦していてもわかるように下は死角だからモニターや、ミサイルなんかならレーダーで見えないところを補っています」

「たしかに」

「あのスピードでの下方攻撃は想定外ですからね、いくらスバルさんでも避けるのは難しいでしょう…ていっても今のは脚部をもっていかれてもおかしくはなかった」

「スバルの反射神経に脱帽ってやつだな」




「来るとわかってたのに避けきれなかった…昔より確実に精度もスピードも上がってる」

 スバルは空を見上げる。「次は空からの急降下による攻撃…」

 数秒後、またも爆音が響く、だが降りてきたのは〈白兎〉ではなくミサイルだった。

ミサイルは〈SDX〉に命中、爆発し黒煙をあげる。


「すげぇ、リーダー!」

「まだだわ!」


 黒煙の中から〈SDX〉が出てきた、どうやら直撃は免れていたようだ。

「あれを避けるのかよ」


「想定内だ」

 出てきたスバルを急降下してきた〈白兎〉が襲う。「避けきれない」

 スバルの判断は的確であった、避けようとしていれば勝利は雷瞬のものになっていたであろう、だがスバルはナイフで受け止めることを選んだ。

〈白兎〉の攻撃を完全に受け止めるのは不可能だ、だが確実にダメージは軽減できる。

「重い」

 加速した〈白兎〉の攻撃は重く、スバルのナイフを弾き飛ばす。

〈白兎〉はまた地面に降りる。


「上下からの連続攻撃、えげつねぇなー」

「これがリーダーの本気ってやつよ」


 形勢逆転…スバルは圧倒的不利な状況に立たされていた、そんなスバルの口から発せられたのは、諦めの言葉ではなく敗北の宣言でもない、笑い声だった。

楽しんでいた、高揚の波が押し寄せる、戦いが楽しくて仕方がなかった…スバルは根っからのBAライダーであり負けず嫌いだ、そんなスバルにとって強い相手との戦いはもっとも生き甲斐を感じるとき、そんな彼が次にとった行動、それは身を守り慎重に動くこと、ではなくただ雷瞬を打ち負かすための攻撃。

「勝負だ」

 スバルの強さを認めるものは彼の強さはどこにあるというだろう、テクニック、知識、判断力、反射神経、どれも並大抵の人間なんかとは比べものならないぐらい高い、だがスバルの強さを知るものはみな口を揃えてこういう、

スバルは逃げないと、それはどんな不利な状況になっても変わらない。

「スバルさんは何をするきなんでしょう」

 機体を下に向け、新月を取り出す。

「まさか、勝負をしかけるつもりじゃ…」


 〈白兎〉の脚部は地面に着く、地面はめり込み、ガスのようなものが噴出される、衝撃を全て力に変える。

「次で打ち落とす」

 二度目の下方からの急襲、〈白兎〉は炎を撒き散らしながら飛ぶ。

その瞬間だった、雷瞬の前を影が覆う。

「勝ちはもらった」

 

 雷瞬の機体はそのまま飛び上がる、だがそこにいるはずの〈SDX〉は自機の真下にいた。


「強いな…さすがだ」

 雷瞬もすぐに理解する、彼も天才といわれるBAライダーだ、どうなったのか、はっきりと分かっていた。

〈SDX〉は地面に着地し、しばらく滑っていく地面はえぐれ、どれほど勢いだったのかをものがたる。


「向かって来る機体にニトロで突っ込んで行くなんて、スバルさん…すごすぎます」

「ほんとどうなってだよあいつは」

 

「機体損害情報表示」

 雷瞬がそう口にすると、モニターに文字が表示される、『機体ダメージ60%、起動可能な機能半減、これ以上の戦闘は危険』

「オルガノ、増援の方はどうなってる」

「チームsneakがあと30分ほどでくるわ」

「sneakか、てっきりedenが来ると思ってたが」

「雷瞬?」

「オルガノのビル、この勝負は俺の負けだ」

「雷瞬…」

「だがみすみすリーマンを渡す訳にはいかない、そこでいまからスバルへの攻撃をやめ、増援が来るまでの時間稼ぎをする」

「了解」

「スバルが退避やオルガノへの攻撃など、隙をつくった場合は俺とビルで一斉攻撃をしかける、それ以外は手をだすな」

「了解」

 雷瞬は怖いくらいに冷静だった、負けて悔しくないわけがない、だが彼は最善の策を考え行動に移す、彼がリーダーたる由縁かもしれない。

「くそ…」

そしてスバルも決断しなければならなかった。

「完璧に捉えきれなかった、どうする、雷瞬は動けるまだリーマンを助けに行くのは危険か…

何時間たった、増援はいつくる…

〈チャトラン〉はダメージがある武器も積んでないし戦うのは無理か…」

 スバルは先の一撃で雷瞬を落とすつもりでいた、だが雷瞬も致命的な一撃は回避していた。

 スバルの頭の中をいくつもの考えがよぎる、だがどれもいい考えと呼べるものではなかった。

「カーチェス、セサミ」

 そしてスバルは決断する。

「何ですか?」

「撤退だ…」

 小さく消え入りそうな声で言うスバル、その声はうっすら震えているようにも思えた。

「どうして!」 

「そうだぜ、リーマンはどうするよ」

「撤退だッ!」

 スバルの口調が強くなる、彼自身もその決断には納得いかなかったのだ、だが彼にとっては敵の増援、それがネックだった。

「スバル…さん?」

「悪い、だが今は撤退だ、訳ならあとで聞かせってやる、俺らの基地で落ち合おう」

「でも…」

「カーチェス、行こう」

 〈チャトラン〉は飛び立つ〈SDX〉を残して、スバルは苛立つ気持ちを抑え2人を見送った。



「リーダー」

「構わんほってをおけ、油断するとスバルに一撃もらうぞ」

 雷瞬の集中力は増す、それはビルにも伝わっていた。


「あいつらが逃げる時間は数分それでいい、それまで出来る限りのことをやるか」

 スバルは機体を再び〈白兎〉の方へ向け、新月の刀身を出現させる。

「こい、スバル全てかわしてやる」



 スバルは何度も斬りかかる、だが〈白兎〉には当たらない、機能が低下しているとはいえ、攻撃をかわすだけなら冷静な雷瞬にとっては容易いことだった。

「やはり、時間稼ぎか…ならもうすぐ増援がくるのか」

 スバルは攻撃をやめる。「もうそろそろ、いいぐらいか…リーマンすまない、必ず助けてやるからな」

 雷瞬には勝った、だが逃げることは負けとかわらない、スバルはそう考える、しかし仲間を守るため最良の考えが逃げることだとも分かっていた、自分がもっとも嫌う行動だった。


「いいかビル、やつが逃げようと行動に出た瞬間一斉攻撃だ」

「了解!」

 スバルは新月を収納し退こうとした瞬間だった辺りが光に包まれる。

「閃光弾! ビル構わず撃て」

 雷瞬とビルは一斉攻撃をしかける、閃光弾を使ったのはスバル、攻撃は空を裂くばかりだった、眩い光から目が慣れた頃には〈SDX〉は遥か遠くに行っていた。

「リーダー、追いますか?」

「いや、作戦は成功だ、本部へ帰る、リーマンがいればスバルをおびきだすことも可能だろうしな、無理に深追いすることもない…それにもう追いつけんさ


こちらチームrising、増援部隊に報告、月咲昴は逃走した、よって増援は不要、繰り返す増援は不要」


「…こちら鳳、了解した、チームsneakも帰還する…」


 ビルは行動不能となったオルガノの機体を引き飛び立つ、雷瞬はしばらくスバルの去った方を見ていた。

「スバル…次会ったときは必ず倒す!」



ということで、新年をむかえました。

まさか年越しをバイトさきでむかえることになるとは思いませんでしたが…


物語も後半戦ぐらいです、戦いのシーンが多くなり表現のしかたなんかに四苦八苦していますが、気持ちを新たに気合いを入れてnatural-blueがよりよいものになるよう努力するのでよろしくお願いします。




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