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34.スーパースバル爆撃団

先週投稿してたつもりが、し忘れてました、すいません。

ということで今回はついにトーナメントが始まります。



「朝だぞーお前ら!!」

 時刻は朝の6時、スバルはカーチェスとセサミの布団を引き剥がしながら目覚まし時計よりも遥かに大きな声で2人を起こす。

「おはようございます」

 目を擦りながらカーチェスは起き上がる。

「ねむ…」

 セサミはというと目は半開きで、また布団にくるまろうとしている。

「お前ら、着替えて顔洗ってこい、朝食はもうできてるからな」

 そう言うと、掴んでいた毛布を離し、そそくさと部屋を後にする。

残ったカーチェスと、やっと起き上がったセサミは目を合わせて言う。

「テンション高いですね」「テンション高いな」





 闘技場の前は観戦客でごった返していた。入り口付近では参加者と観戦者を分けるために大会役員の人が看板を持ち慌ただしくしている姿が見える。


「大会参加の方ですか?」 入り口付近まで着くとスバル一向に大会役員が近づいてきて言った。

「ああ」

 スバルは当然そう返す。

「登録名の方は」

「と〜ろく名は…

  小春、小春は?」

 小春が全て済ましてくれていることを思いだし小春を探す、が、さっきまで後ろを歩いていた小春の姿が見えない。

「向こうで人混みに流されてる」

 セサミが指を指す、その方向を見ると人混みにもみくしゃにされている小春をカーチェスが助けようとしている様子が見えた。



数分後…

「助かった〜、ありがとうカーチェス」

「いえ」

 頭をかきながら言うカーチェスをどけながらスバルは小春の前に立つ。

「なんですか?」

「小春、登録名は?」

「あっ!スーパースバル爆撃団です!」

 あたりが凍りつく、カテナだけが、1人ゲラゲラ笑っていた。

「小春に任せた俺がバカだった」

 スバルがポツリと呟く、小春は目をまるくしてみんなを見る。

「へっ変ですか…、かっこいいよね、ねっ、カーチェスかっこいいよね」

「えっ、え〜となんというか、響きがいいですよね」

 苦笑いのカーチェスは小春を傷つけまいと必死に言葉を絞り出す。





「人が多いなー」

 ホテルの三階から見下ろす街の景色は人で埋め尽くされていた。

「毎年こんなものよ」

 女言葉の図太い声でオルガノは言う。

「朝からビルの姿が見えんが…」

「ビルならチケットを買いにいったわ、取れてるかしら…」

「金をとるのか?」

「当たり前じゃない、特にトーナメントは人が多いからチケットは若干高めよ」 ここ、ポイント!という感じでウィンクする。 

「席勝ち取ったぜー」

 突然ドアが開いたかと思うと、ビルが勢いよく入ってきた、そしていつものように2人は言う。

「うるさいぞ、ビル」

「うるさいわよ、ビル」

 






「じゃあ、お前らの初戦はだいぶ後だな」

 トーナメント表を見ながらスバルは言う、カーチェス達は初日全8試合あるうちの6試合目だった。

「緊張してきました…」

 カーチェスの顔が徐々に強張ってくる。

「落ち着けカーチェス、初戦の相手なんてどうせ雑魚だ、今は自分とセサミのことだけ考えとけ」


「はい!セサミさん頑張りましょう」

「ん、そうだな…おっ、これうまいな」

 セサミを見るとさっきからずっと何かを食べているようだった。

「冷静ですね、てか何食べてるんですか?」

「ポップコーンだ、見てわからんか?」

 セサミはカーチェスにポップコーンを見せるように目の前へ持っていく。

「…どこからその余裕が」

「カーチェス、昨日も言ったろ、俺らはやれることをやればいいんだ、気軽にいこうぜ」

「わかってます、わかってますけど…」

「カーチェス、俺はお前となら勝てると思ってる、俺らは2人で1つだ、しんどいなら頼ればいい、それがチームだろ」

「…はい、ちょっと落ち着いて来ました」

「そうかなら、食え!」

 ポップコーンをケースごとカーチェスに押し付ける。

「はい」





「なんとかなりそうだな」

 2人を見ていたスバルは言う、そんなスバルにカテナが話しかける。

「いいコンビじゃねーか」

「全くだ」

「初戦、勝てるといいな」

「たぶん、余裕だろ」

「ほほう、なぜそう思う」 自分のアゴをさわりながらその真意を聞く。

「あの、2人は強いよ、特にカーチェスは天才的な才能があるな」

「元エースがそんなこというとなんかすげーな」

「今まで見てきたやつら、よりは確実にいいもん持ってるよ」

「そりゃ楽しみだ」

「まっ力を出せるかどうかは別だけどな、お、そろそろ始まるみたいだぜ」

 場内からの声がゲート内へと伝わってくる。



「レディースあーーんどジェントルメ〜ン」

 実況の声が場内に響くと、割れんばかりの歓声が返ってくる。

「いい具合に盛り上がってるじゃねーか!

解説、実況はいつもどおり、カマーBJでお送りするぜよろしく!

さぁ、さっそく第一回戦、と行きたいとこだがまずはルール説明だ。

レフリーのおっさん頼むぜぃ〜〜!」


 グラウンドの中央に空いている穴から、リフトに乗ってレフリーが上がってくる。

「えーレフリーの芝谷です、それではルール説明の方をさせて頂こうと思います、このトーナメントは世界BAファイト連盟の公式ルールに従って執り行います、時間無制限のデスマッチ、コックピットへの攻撃は反則退場とさせていただきます以上です」


「ということだ、さぁて次は提供者の紹介だがおいおいやっていくとするので飛っば〜す!

お待ちかねの第一回戦、おっ始めようじゃねーか!」

 場内の歓声がさらに大きくなる、耳が痛いほどだ。「東ゲートからは今回初出場、機体名は〈bb〉、初勝利できるのかノーベルマンの入場だぁ〜!」

 東ゲートが開き奥から銀色機体がでてくる。

「さあ次は西ゲートを見やがれ、まさか一回戦からこいつを見ることになるとは思ってなかったぜ、機体名は〈クラッシャー〉、前回は3位だったが、今回は1位を取ることができるのか、クラッシャーボブこと、ボ〜ブ・アーベック!!」 ゲートから黒色の機体が出てきた、その瞬間場内の歓声が一際大きくなった。



「ボブ〜!」

 ビルが身を乗り出して声を出す。

「あれがビルの弟か」

「そうみたいね」

 それに対して2人は冷静に見ていた、雷瞬は客の多さと声援のうるささにイライラしているようだ。

席は実況席のすぐ隣ということもあり実況の声にもイライラしていた。



「さあ、始めようか第一回戦」

 実況の声が場内をさらに沸かす、レフリーはグラウンドの端による、2つの機体は向かい合わせで立ち、お互いを睨み付けるようにしていた。

 レフリーがマイクを持ち片手を上げる。

「レディ〜〜」

 2つの機体がそれぞれの武器に手をかける。

「ファイッ!」

 その合図で同時に動き出す、銀色の機体〈bb〉は小銃のトリガーに指をかける、鉛弾が勢いよく発射され〈クラッシャー〉の装甲に命中するが、命中した弾は装甲を貫通することなく弾かれた、〈クラッシャー〉は弾丸の嵐の中を構わず突っ込む、〈bb〉も撃ち続ける。

懐に潜り込んだ〈クラッシャー〉の左腕が〈bb〉の腹部にクリーンヒットする。「決まったー、〈クラッシャー〉の一撃、これは重い」

 一発食らった衝撃で〈bb〉は後ろに下がる。


「いっけー、ボブー」

 はしゃぐビル、それをみて雷瞬が言う。

「なんて、低レベルな」


 〈bb〉に〈クラッシャー〉は追い討ちをかける、右腕を突き刺す、握られたナイフは〈bb〉の左肩部に突き刺さり、〈クラッシャー〉はそのまま刺さったナイフを振り降ろす。

切り裂かれ、落ちた右腕は砂ぼこりを舞上げる。




「盛り上がってるなぁ」

 スバルはカーチェスによりながらいう、ゲート内は機体の調整をしたりする人で忙しくしている。

「凄いですね、観客席満員でしたよ」

「落ち着いてるな、カーチェス」

「はい、なんだかセサミさんを見てると焦る自分がバカらしくて」

 カーチェスは笑い混じりの声だ。

「はっはっはッ、あいつはもうちょい緊張したほうがいいかもな」

「はははっ」

「さて、最後の復習でもしとくか。

カーチェス、セサミを呼んできてくれ」

「はい」

 




ここまで読んでいただきありがとうございます。次話もよろしくお願いします。

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