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20.非武装国家エンゼルバセス

関係のない話ですが…日本人ははしっこ好きだそうです、もちろん自分もはしっこ好きです。      今回はエンゼルバセス王国での話。

〈SDX〉と数十機の機体が降り立つ、そこはあたりをかなり急な角度の山に囲まれている場所だった。岩山と言う方が表現があっているか…、街や村は近くにはなく、そうなると当然、人影もない。


「この山を基地にするのか」

 と秀一は機体から先に降りていたスバルに近づく。


「ああ、山をくりぬいて、そん中に基地を作るつもりだ」

 スバルが指で指した山は他の山よりは一回り小さく洞窟がある山だった。


「くりぬくっていうのは、この洞窟を広げていくってこと?」

 秀一は洞窟に近よりながら言う。


「そのつもりだ、あのバカでかい要塞を作った

あんたらの技術ならできるだろ」


「無論不可能ではない、じゃが、それなりの資金が必要だのぉ」

 と言いながら電蔵は洞窟入り口の土を触る。


「どれぐらい必要だ」

「最低でも5000万セルは必要じゃな」

「わかった、それならなんとかなるよ、後でカード渡すから」




「スバルンはどんだけ金ためこんでんだよ」

 少し距離をとり機体の脚部にもたれながら、話を聞いていたリーマンはそんな言葉を口にする。


「さぁ〜、でも軍って給料いいんですよね?リマホルさんもけっこう持ってるんじゃないんですか?」

 その横でカーチェスは言う、それに対してリーマンは首を横にふった。

「いや、貰った金は全部研究に費やしていたから全くない」

と胸を張って言う。


「…」

 金は大切にしないと…リマホルさんのように無駄遣いはしないぞ!

リーマンにはカーチェスの顔がそんなことを考えているふうに見えた。


「なぜ黙る!」

「えっいや、特に意味はないです」

「仕方ないであろう、軍はケチだからあまり研究費用をだしてくれんのだ」

と補説する。




「じゃが、エンゼルバセスとは、考えたな」

「国境超えするはめになるとは思わなかったけどな」 と平賀親子はスバルにむけて言う。


「軍にいたときに見つけてな、ここに敵がいたら、かなり厄介だろうって、ずっと思ってたんだ」


「なんでここは、厄介なんですか?」

 カーチェスは疑問を口にする。


「非武装国家エンゼルバセス、つまり非戦闘国だからだな」

 と答えたのはリーマンだった。


「非戦闘国?」


「国として

武器を持たない

兵器を所持しない

軍隊を配備しない

そのかわり戦闘をしない、戦闘をさせないそんな国だ」


「そんなことして、他の国に攻撃されたらどうするんですか?」


「されないのさ」


「なんでです?」

 カーチェスはリーマンの顔を見る。


「軍が守ってんのだよ、多額の資金提供と引き換えにな、エンゼルバセスを攻撃したら攻撃したやつらを軍が潰しにかかるぞ!って具合で」

「へぇー」

 カーチェスは初めてリーマンに何かを学んだ気分になっていた。


「まあ、天然資源が世界一豊かで、金には困らん国だからこそできることだ」


「…リマホルさんって意外と物知りなんですね」

 カーチェスはリーマンの顔をじっと見て言う。


「一般常識だ、それと意外と、は余計だ、こう見えても私は天才科学者だ、頭はいいんだぞ」

と指を突き指す。


「カーチェスは学校行ってないし、世界情勢を知らないのは仕方ないさ」

 と2人の話を横で聞いていたスバルが言う。



「そうか…

まっだから、もしここで軍に見つかっても、戦闘にならない」

 発言したスバルを見ていた目を、もう一度カーチェスに向けながらリーマンは言う。

 そこでカーチェスが疑問に気付く。

「あれ?でも、軍が守ってるってことは、軍にはこの国での戦闘権があるってことじゃないんですか?」


「戦闘をするには国の許可が必要になる、それは国が私達を敵と見なさないと下りない、だから軍は私達を見つけても、軍の意思ではエンゼルバセス国内での攻撃はできんのだ」


「軍から攻撃の許可を求めたら、例えばこれからエンゼルバセスを攻撃するかもしれないレジスタンスがある、とか言って」


 リーマンはカーチェスの質問に、その目をキラリとさせる。

「なかなか、鋭いとこばかりついてくるなカー君は…まっそれも大丈夫だ、許可を申請してから、許可が下りるまでは、最短でも1週間はかかる」


「なるほど、じゃあ基地にするにはうってつけの場所ってことですね」

 カーチェスは手をポンッと叩く。

「ふむ、それに辺りを山に囲まれていて見つかりにくいし、基地自体も山のなかに造れる、そうだろスバルン」


「ああ、だが俺がここを選んだ理由はそれだけじゃない」

 スバルは近くにあった、腰を掛けるのにちょうどいいぐらいの岩の上に座る。


「他にあるのか?」


「ここは何らかの電波障害が発生してるんだ、ここら一帯じゃないが、俺らが基地にしようとしてるこの山の近くにいたらまず敵のレーダーには映らない」


「まったくもって、すごい場所を見つけたもんだな」 リーマンは驚嘆の声をあげる

「といっても、レダーを使えないのはこちらも一緒だがな」


「スバルさん、スバルさん中に入りましょう」

 さっきまでそこにいたカーチェスはいつのまにか洞窟の入り口付近にいた。

「ん!ああそうだな」

 スバルは腰を上げ〈SDX〉によじ登る。




 暗い洞窟をスバルが手に持つライトが照す、洞窟は始め、細い枝分かれした道になっていて、少し歩くと機体が数十機は入るほどのひらけた場所にでた。


「ほお、広いなこれだけ広ければ格納庫を造るのには苦労せん」

 電蔵は辺りを見回しながら言う、スバルは中を見渡せるようにライトの光を最大にして地面に置く。後から入ってきた平賀組の人達も同じようにする。


「よし、じゃあ今日はもうやすんでいいから、明日から基地の建設頼むぜ」

「んむ、任せておけ」



「さてリーマン、やっとあんたの出番だぜ」

 スバルはリーマンの方へとよっていく。


「むむ、私に仕事をさせるつもりか!」

 スバルの声で振り返るリーマン。


「当たり前だ、なんのために助けたと思ってる」


「そりゃ、魅力の足りないこのメンバーに、イケメンを加えようと思ったのでは」

「ない!ははっ、残念だがイケメンはもう俺がいる、可愛い系キャラはカーチェスがいるしな」


「なぬ、うぬ…自惚れるなよ、スバルン!」

「お前こそもう一度鏡をよく見てきな」


「あっあのぉ!これから何かするんじゃなかったんですか?」

「ぬっ…そうだったな、ここはカー君に免じて許してやる」


「で、これからどうするんですか?スバルさん」

「そうだ、私に何して何させるんだ、めんどくさいことはせんぞ」


「とりあえず、今から、

エンドリーコウドに行こうと思う」

 スバルは気を取り直して言う。

「エンドリーコウド…

デッドフォレストか!」

「なんですかそれ?」

 話についていけないカーチェスは大きな声で言う。


「ノーサイドウィッジ帝国の外れにある島だ。」

「へぇ〜」


「入ったら出てこられなくなるって場所だったよな、スバルン」


「ああ、俺はエンドリーコウドって読んでるが、

シャングリラ

エルドラド

地獄に一番近い場所

死者の都、国や人によって呼び方はいろいろだ」


「なんか名前だけ聞くと夢と危険が混ざったような感じのところですね」


「でスバルン、私にそこへ行って何をしろと?

正直そんな危険なところに行きたくはない!」


「あくまで俺の見解だが、エンドリーコウドはおそらく、natural-blue現象に関係してる」


「むむ、それは誠か!」

 リーマンは一際、反応をしめす。

「おそらく…だ!」


「natural-blue現象っていうと、電気系統混乱現象でしたよね」


「おほ、よく知ってるではないか、カー君

だがnatural-blue現象の起こす効果は、電気系統の混乱、それだけではない」


「それだけではない?」


「んむ、私が理論上理解しているのは電気系統の混乱だけだが他にも特殊な現象がいくつもある…と長話はここまでだ、早速行こうではないかスバルン、カー君」

 と言うとリーマンは一人外へと走っていく、ライトも持たずに。


「じゃあ電蔵、俺らは行くから」


「んむ」


「あと、平賀組の主力メンバーはあまり外をで歩かないように、そろそろ指名手配がでてるころだ」


「わかった」

「それと…」

 スバルはポケットの中から何かを取り出す。


「まだあるのか!?」

「これ」

とスバルはカードを渡す。

「お、忘れておったわ」

「暗証番号は08428345だ」

「むーん、覚えられん!」

「カードの裏」

 スバルがそう言うので電蔵がカードの裏を見ると紙が張り付けてある

「これなら、大丈夫じゃな」

 そこには暗証番号が書いてあった。

「全部使いきるなよ」

「必要な分しかとらんよ」

「よし、じゃあ行こうか、カーチェス、リーマ…リーマンは?」

「もう行っちゃいました」

「スバルン、カー君早く行こう」

 暗闇の中にリーマンの声が響く。




〈SDX〉は暗い空へ向け飛び立つ。星1つ輝いていないその空には〈SDX〉のブースターの灯りだけが、ぼんやりと浮かんでいた。








 今回は世界情勢に多大な影響を与える六大国についてちなみに六大国は母国語と共通言語を使います。 ・マニルエ軍事国→スバルの出身国、多民族国家、前話までの出来事はすべてこの国で起こっていたこと。・エンゼルバセス王国→非武装、非戦闘の平和な国資源が豊かな国でもある。国王は平和主義者として有名・ノーサイドウィッジ帝国→次話登場の国、過去にスカルオートの攻防など、後の第一次BA大戦が起こった国で多くの島が存在する。こここまで読んでいただきありがとうございます。次話もよろしくお願いします。

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